DANCE DELIGHT Vol.23 FINALレポート

Category : イベント ,

全国青春ダンスカップ By GENERATIONS高校TV_シングル

開催日
2016年 08月 27日
場所
パシフィコ横浜
ジャンル
コンテスト

1 ダンスコンテストの最高峰 DANCE DELIGHTの熱気

ダンサーにとって一年で一番アツい夏の日、「DANCE DELIGHT FINAL Vol.23」が終了した。ADHIPが主催する日本で最も歴史の長いダンスコンテストで何が起きていたのか、まだ熱も冷めやらぬまま当日の様子をレポートしたい。なお、当日の結果はこちら 

関連記事

当日会場につくと家族連れから大御所と呼ばれるダンサーまで、屋台が並ぶフェスのような雰囲気と、これから何が始まるのかという期待から賑わいを見せていた。いろんなダンサー同士がお互いに挨拶をし、スタート時間の14時になり、ステージではMC IMAGINE(梅棒)による NEXT GENERATION SHOWCASEのダンサーが紹介される。 特にM.R-Nは今回2度ステージに登場するということで、そのダンスのレベルの高さに会場の期待値が高まった。

会場内での注意事項説明ののち、オープニング映像とともに、審査員紹介、一番手のACKY(3D CREW)のハードヒットと巧みなフットワークを織り交ぜた独自のジャッジムーブで会場が一気に沸き上がる。その後も華麗なジャッジムーブが続いた。ジャッジについてはこちらのエントリーを参照してほしい。

関連記事

コンテストはMC USKのおなじみの自己紹介からはじまる。毎回MC USKにかっこいいキャッチフレーズをつけてもらえるのもDANCE DELIGHTの特徴だ。「中毒になるHIP HOPワイン」「お前の好みは知らない、俺ら好みのHIPHOPを喰らえ」「誰よりも高く飛ぶ、虫偏に皇とかいて飛蝗(バッタ)の王様」など、今年もチームコールとして印象に残る名フレーズが数多く出された。また、今年の舞台はステージフレームが斜めに設置されており、よりダンサーの移動やアクロバットなど舞台使いの立体感が強調される仕組みとなっていた。いよいよA-BLOCKがはじまる。

DANCE DELIGHT Vol.23 FINALレポート
 
 
 

2 勢い、迫力、高難易度のスキルで魅せるA-BLOCK

コンテストはA、Bの2ブロックにわけて43チームが優勝と栄光を賭けて踊ることになる。今回特筆すべきはFREESYLEやConcréte、EXPERIMENTALなど新ジャンルのチームが増え、一方でBREAKINGのスキルを使うチームはいたもののジャンルとしてBREAKINGとなるチームはいなかった。

北海道代表ゴッドファーザーの個々人がキャラ立ちしたエンターテイメント感あふれるショーで会場から笑いと歓声があがり、A-BLOCKはスタートした。観客席からは横断幕やタオル、Tシャツなど応援グッズを用意していたにもかかわらず、それを振ることを忘れるくらいのめりこませる迫力のあるチームが続いた。特に独自のアニメーションと型にとらわれない感性で魅せたPro-Motionやタイトなルーティーンとさりげなく高難易度のステップや技を決めたEVERES、バリエーションのある緩急とマイムで会場の空気を変えたW-CLAPS、実力派ならではの空気感を見せたBAGHEERA、衣装から音との関係まで独特の渋みを見せたJAMなど、挙げればきりがない。個々のスキルだけでなく完成度の高いショーがつづき、トリで昨年3位のENcounter Engraversが繰り出す精度の高いボディコントロールとコンビネーションを軸にしたショーは瞬きをするのがもったいないと思わせる完成度で、最後まで歓声が止むことはなかった。

A-BLOCKの全体の印象としては一曲使いでしっかりと雰囲気やスキル、印象を残しに来たチームが多く、自分たちの色や好きなものをしっかり表現しに来ていた印象だ。一方で様々な曲を使い構成からこだわり、魅せ場をはっきり作り出して勝ちに来ていると思わせるチームがやはり際立ち、見ていて気持ちよかった。
 
 
 

3 休憩中の舞台裏のドラマ

DANCE DELIGHT Vol.23 FINALレポート
 
 
A-BLOCKが終わると長い休憩時間がはいる。舞台裏に潜入すると、B-BLOCKに出演するため、練習をするチームやメイクの仕上げをするチーム、集中し己を高めるダンサーなど、入念にショーの準備をする姿が見られた。何名かのダンサーに注目するダンサーを聞いたが、やはりベテランであるGLASS HOPPERやJAMという声があがった。
 
 
DANCE DELIGHT Vol.23 FINALレポート
 
 
また曲を聴きながらストレッチ中のATSUSHI(ALL GOOD FUNK)が取材に対応してくれた。全体を見て注目のチームを尋ねると「注目しているのはGLASS HOPPERと後輩の9Stepper’z。特にGLASS HOPPERは超えなきゃいけない壁だね」といつもの優しい笑顔のまま真剣なトーンで答えてくれた。

審査員をしてもおかしくないベテランから、勢いのある若手まで、同じステージで真剣勝負ができるのもDANCE DELIGHTの醍醐味だ。ある者は成長や下剋上を目指し、ある者はキャリアの集大成として、ある者は最高の自己表現の場として、ある者は応援してくれる仲間のために。さまざまな背景を胸に抱き、舞台裏では想像以上に複雑なドラマが交錯している。MC USKによるとALL GOOD FUNKは今回で一区切りだという。控室では予想に反して穏やかな空気が流れてはいるが、KENZO(ALL GOOD FUNK/DAPUMP)も音楽を聴きながらリズムを刻みイメージトレーニングに集中していた。この後どんなショーをみせてくれるのか、観客以上に期待が高まった。そしてB-BLOCKがはじまった。
 
 
 

4 絆、個性、独自の世界観が爆発するB-BLOCK

B-BLOCKに入っても個性的なチームは続く。どのチームもキャラ立ちがすごく、家族チーム M.R-N+パパや兄弟チームmasterpieceのように血がつながっているからこその相性の良さを武器にするチーム、夫婦チームbotanicのピースフルなショー、IP LOCKERSの覆面でのパフォーマンスや female1000w+RED0 HIGHERのヴィヴィッドな衣装へのこだわりは印象深い。SSやヘビーバギーのシンプルな動き一つ一つへの追求やこだわりの強さも見て取れた。そして極めつけ、GLASS HOPPERはどのチームよりも舞台を大きくダイナミックに使い、二人で手をつないだままフロアでドルフィンウェイブを決めるなど、東京と徳島を行き来しているとは思えない手の込んだショーに、どのような練習を積んできたのだろうかと、想像を張り巡らせる。途中シンプルなステップでステージ中央に集まり二人がすれ違いざまに手をタッチするだけのシーンではなぜか鳥肌がたつ。積み重ねてきたキャリアや関係性は、タッチ一つで会場を沸かすほどの凄味を見せた。

続いてEXPERIMENTALという耳慣れしないジャンルで踊るロシア代表のEVOLVERS CREWは、巧みな足技とコンタクトインプロビゼーションのようなアプローチで魅せるリフティングなど、斬新さに会場全体が息をのんだ。テンションが下がる気配を見せぬままWVEや9Stepper’zの大人数を活かしたダイナミックなパフォーマンスが目を引き観客を昂らせる。そして、今回客を300人呼んだというALL GOOD FUNKのフォーメーションと高いスキルのソロに重点を置いた熱のこもったショーや前大会2位のKERAAMIKAの独特の空気を作り出し空間をゆがめるようなショーでステージは幕を閉じた。
 
 
 

5 ロビーエリアでの交流が楽しい

B-BLOCKが終わり、審査時間に控室に行くと、B-BLOCKのチームが出し切った!!と叫びながら汗とも涙ともとれる濡れた顔をタオルで拭っていた。ロビーに出てみると踊り終わったダンサーたちが仲間やファンたちと交流している。全国からトップダンサーたちが集まり、交流できるのもDANCE DELIGHTの楽しみの一つだ。踊り終わって涙を流すダンサーやダンスを見て感動して目を潤ませる観客、うまく力を出し切れなかったのか反省する面持ちのダンサー、先輩や仲間たちから激励をもらいハグしあうダンサーなど、さまざまであった。
 
 
DANCE DELIGHT Vol.23 FINALレポート
 
 
TAICHI(ENcounter Engravers)と今日のステージを称賛する仲間たち外はあいにくの小雨ではあったが屋台へ並ぶ列は途絶えず、乾杯しながら遠方から来たダンサー同士が再会を喜び合う。また物販ブースではこの日限定の商品やセール品が並び、盛況を見せていた。
 
 
DANCE DELIGHT Vol.23 FINALレポート
 
 
しっかりとダンサーをサポートしたいという企業が協賛に入っているのもDANCE DELIGHTが続いていく理由の一つだ。また東京以外からやってきたチームは団結力も強く、応援団がそのシーンをレペゼンするダンサーたちのためにいろんな声をかけていた。多くのダンサーがここで多くの人に応援され支えられていることを実感できる。北海道代表の3チーム。
 
 
DANCE DELIGHT Vol.23 FINALレポート
 
 
 

6 勝ったチームには実力がある、負けたチームにはドラマがある

DANCE DELIGHT Vol.23 FINALレポート

JAPAN DANCE DELIGHTの公式Facebookページにて、結果発表様子がのライブ動画で公開された。

優勝のGLASS HOPPERのコメントはこちらでもチェックできる。

関連記事

9Stepper’zは去年に引き続き特別賞となり涙で再戦を誓った。またW-CLAPSは5年ぶりの挑戦からの特別賞として「(チームとして踊れることが)幸せでした」と涙した。3位入賞のALL GOOD FUNKは勢いで「(次も)出ます!」と答えたが再挑戦するかの結論は一旦保留のようだ。2位のEVOLVERS CREWは、「日本のダンサーにエナジーをもらった」とJAPAN DANCE DELIGHTのステージで踊れた喜びを伝えた。

舞台には魔物が住んでいる。今回も照明システムとともに高性能な音響システムが用意されていた。ステージ用のスピーカやウーハー(低音スピーカ)は高音より低音のビートを強調してしまうためイヤホンのようにシンバルやハイハットなどの印象が薄くなってしまう。ボーカルやハイハットにばかり合わせて振付をしたチームは、客席から音響と合わせて見たとき、透かしをくらったように見えたかもしれない。

ステージに呼ばれなかったが、なんどもJAPANに挑戦し、苦渋をのんだチームもいただろう。コンテストに挑戦するダンサーは負けず嫌いが多い。優勝しても涙、入賞できなくても涙、それだけ賭けているものが大きい証拠だ。ただの賞金目当ての大会ではない。キャリア、世代、国籍、地域、ジャンル、すべての壁を越えて頂点を目指すダンスチームが集まる特別な場所、それがJAPAN DANCE DELIGHTなのだ。

次回はJAPAN DANCE DELIGHT FINAL Vol.24に向けて、11/13(日)にOSAKA DANCE DELIGHT Vol.32、12/4(日)にTOKYO DANCE DELIGHT Vol.18が決まっている。我こそはというダンサーだけでなく、食わず嫌いをしているダンサーまで、ぜひ挑戦してほしい。