KRUMPという表現の偉大なる進歩!舞台「RAISE A REVOLUTION」レポート

Category : TOP , イベント ,

line@友達登録

開催日
2017年 05月 05日
場所
品川区六行会ホール
時間
OPEN : <昼の部> 12:00 <夜の部> 17:00 / CLOSE :
料金
入場券 ¥4,000 / 税込(指定席)
ジャンル
公演

5月5日(金)に、品川区六行会ホールにてKRUMPを主軸とした舞台「RAISE A REVOLUTION」が行われた。主催は日本のKRUMP界の最前線を走り続けるTwiggzが組織するKOB ent.。昼夜2回公演で開催された。

舞台での公演としては珍しく、観客席から声を上げて盛り上がってくださいと公式が舞台直前にアナウンスを行った。客席には日本だけでなく海外から見に来たファンもおり、世界中から集まった観客達がオーマイガ!を連呼し叫び、大いに沸きつづける舞台となっていた。

KRUMPの形や考え方はいくつもあることを知ってもらいたい、と実験的に公開されたこの舞台は、Twiggzがストーリーテラーとなり、KRUMPダンスの世界を案内してくれる。

19401366_1551190971569031_445973451_o

19401083_1551231611564967_419698113_o

7つのストーリー、7つのバトルからなる構成で、映像とともにストーリーが始まった。

最初は映画「HIGH&LOW」を彷彿とさせるようなスラム風の町並みを歩くKrow famの映像から始まる。地下鉄のホームでRedLine famと鉢合わせ、カラーギャングのように街中で喧嘩のを行う代わりにバトルが始まり、映像が終わるとともに舞台上でダンスバトルが始まる。

冒頭から若手とは思えないタイトでスキルフルなルーティーンと、とくにkrow famの一つ一つの音を大事にした研ぎ澄まされたムーブ、わかりやすいストーリーとハイクオリティなダンス、まさにダンス映画のお株をそのまま舞台で実現してしまった。最初からここまでのエネルギーを出してくるものかと観客も圧倒され声を上げ続けていた。

19243826_1551190934902368_266612354_o

19402350_1551231608231634_2047740356_o

2つ目のストーリーは高架下を通った時に不思議な男と対峙してバトルが始まる「恐怖」をテーマにした作品

Prince TwiggzとRowdy Twiggzによるバトルは、帽子をつかった「ハットトリック」と言われるムーブの応酬。体だけでなくものを使うため難易度も高く失敗は許されない。しかし、見事に帽子を音に合わせてつかみ、お互いに斬新なアイデアを組み合わせた表現に挑戦し、会場を沸かせた。

お互いの帽子を交換したり、新しい帽子と取り替えるムーブなど、緊張感のあるステージングに、トリックが決まるたび会場どころか公式カメラマンも立ち上がる盛り上がりであった。

19243901_1551190924902369_789652683_o

18405639_1551231604898301_1801081193_o3つ目のストーリーは場面を学校に移し替え、控えめな性格のLady Twiggzといじめっ子グループが対峙するTwin Aresが制服でKRUMPバトルを行うというもの。女性で若手とは思えないパワフルなムーブ、大事な写真を踏みにじられLadyが怒りを表現するという王道の展開、スポンサーのJANSPORTのリュックも大事なキーアイテムとなり、舞台を彩っていた。

学校という空間にこうした感情を表現する場があれば、どれだけコミュニケーションに深みが出ただろうかと考えさせられるシーン。最後は振り乱した髪を整えながらバトルによってお互いを認め合う、まさにHIPHOPのバトルでも目にする王道とも言える演出だった。

19250073_1551190918235703_610232166_o

19400743_1551231618231633_983125598_o4つ目のストーリーはGeneral Twiggzの家に強盗に入ったSteelとの命がけのバトルを表現。生きるために仕方ないこと、を表現したこのストーリーのバトルは、もはやKRUMPという域を超えて人間的な駆け引きやダンスを超え相手に掴みかかる肉弾戦などが飛び出す展開に。観客たちも想像もしなかった、とシリアスな表情と笑いを交互に浮かべながらバトルを盛り上げていた。

ダンスバトルではNGとされるフィジカルな接触もKRUMPバトルでは悪いこととはされていない。相手への賞賛の意味を込めて相手に掴みかかることもある。お互いに掴みあったり突き飛ばしたり、喧嘩すれすれの煽りムーブが幾度となく飛び出し、バトルのボルテージを高めていた。

19402640_1551190931569035_1717891631_o

19238491_1551231601564968_1410215751_o5つめはMiss TwiggzとMini TwiggzがイケメンのクラスメイトJr Krowを巡ってKRUMPバトルを行うというコミカルな展開。LINEのようなチャットアプリでの会話など映像の演出もかなり細部までこだわって作られていた。
Jr Krowに好みのタイプを聞いたところ「KRUMPがやばい子」と、若いながらに玄人な答えを出してくるので、女の子2人がKRUMPバトルをする展開に。

キッズダンサーのためか、KRUMP独自というよりは様々ジャンルの音取りを取り入れ、クリアで抑揚のあるムーブが連続で飛び出し、キッズバトルならではの盛り上がりと、音楽に対してのアプローチや表現のわかりやすさに、改めてKRUMPが様々なダンスの歴史をちゃんと踏襲しながらできていることを見て取ることができた。

最終的にJr Krowは金髪美女になびいてしまうというわかりやすいオチも含めてかなりのクオリティであった。

19401323_1551190958235699_1326595426_o

19401432_1551231614898300_601266296_o6つ目のストーリーはなんと海外からのゲスト、DREADとCANNONによるバトル。TwiggzがKRUMP留学でアメリカに行った時にお世話になった盟友である彼ら。映像が流れ出し、ストリートファイター風の格闘ゲームのキャラクター選択画面に突如現れ、会場を沸かせた。

バトルになると、このストーリーのテーマどおり、キャラクターが存分に溢れ出る弾力のあるKRUMPで会場の目は釘付けに。今回のショーについて、直前の会場入りとなり、十分にリハーサルできなかったとは思えない爆発力と貫禄を見せつけた。

19243488_1551190954902366_92004355_o

19238391_1551231621564966_601426544_o7つ目のストーリーは、Soulja TwiggzとBaby Twiggzによるリベンジマッチ。日本最大のKRUMPバトルイベント「KING OF BUCK 5」にてバトルし仲違いをしてしまった二人の、絆を確認するためのバトル。

実際のKING OF BUCKの決勝戦の映像から二人が登場し、お互いの感情を爆発させながら、怒り以上の感情を込めたダンスを繰り出す。世界各地のバトルでも活躍する二人が、渾身のBUCKをキメる。

“KRUMP界で俗に言われている「BUCK(バック)」も一つのKRUMP用語だが、この言葉は直訳すれば「雄鹿」や、スラングでは「お金」「ドル」や「雄・元気な若者」「黒人の男」などの意味もあり、ネイティブアメリカンやブラックの人達を貶める呼称にも使われていたりもするが、KRUMP界で「BUCK!」と言えば「ヤバい」「スゴい」「最高」などというような意味で使用する。
しかし、本質はもっと深く、KRUMPをする中で、気持ちを極限まで高め、ある一定の意識から自分を超えた状態を“BUCK”とも言う。”
KOB ent.より引用 :

19238716_1551190961569032_990015132_o

19250218_1551231624898299_1642203148_o舞台も客席も含めた場内の盛り上がりは最高潮となり、極限状態と錯覚させるようなバトルが連続して行われたこの舞台、日本のKRUMPの今を凝縮した史上初ともいうべき試みは大成功に終わった。

BUCKもSWAGも、もともとHIPHOPのライフスタイルや信念を表す言葉だったものが、日本では次第にダンスのジャンルとして確立していった。とくにKRUMPは、貧困や過酷な環境の中どう生きるか、というライフスタイルや信念であり、使われる言葉も相手のエナジーを引き出す「HYPE」やカッコよさの追求を表すスラング「Raw」など、普段忘れがちな、ダンスにとって必要不可欠な要素を明文化している。

KRUMPは当初怒りを中心とした感情表現のダンスであったが、時代が進みプレイヤーが増えるにつれ、祈りや生き様など、そのテンションを崩さないまま表現が多様化してきた。むしろなぜ今まで舞台でKRUMPを中心とした舞台が行われなかったのか、不思議なくらいに、物語を魅せることとKRUMPは相性が良かったことは大発見であった。

19402587_1551190981569030_264193396_o

同じシャブレイとしてtwiggzとともに時代を切り拓いてきたNAKAJIやカリスマカンタロー、PVで共演した三代目 J Soul Brothersの岩田剛典なども絶賛のコメントを贈っていた。岩田剛典はTwiggz famにBoi Twiggzとしても所属している。

https://twitter.com/charismakantaro/status/860378713522819072

KRUMP界の次の試みは、どのようなサプライズを我々に用意してくれるのか、非常に期待させる舞台であった。

RAISE A REVOLUTION告知ページ

KOB ent. https://kob-ent.jimdo.com/