ヒップホップ ダンス(HIPHOP DANCE)とは?

定義をするのが最も難しいジャンルである。時代によって様々なスタイルが存在する。一般的にはヒップホップの文化から発生したダンス、ブレイク(BREAKIN)、ポップ(POP)、ロック(LOCK)等といったジャンルをオールドスクールとした時に、ニュースクールと呼ばれているものが世間一般でいうヒップホップダンス。その中間をミドルスクールとも呼ぶが、これは日本人独自の分け方で、海外ではニュースクールかオールドスクールで分類することが多い。ランニングマン、ロジャーラビット、ロボコップ、ブルックリン、トゥループ等の代表的なステップがある。

ヒップホップダンスの歴史

NYのアーティスト、テディー・ライリーが中心となって1980年代後半、大ブームを巻き起こした音楽スタイル、「ニュージャックスイング」以降、それらのステップを取り入れ、ニュージャックスイングよりテンポの遅い当時のヒップホップミュージックにのせて踊り始めたのが発端と言えるだろう。

そして1992年にヒップホップダンスシーンの革命となるドキュメンタリー番組「Wreckin’ Shop Live from Brooklyn」通称ALIVE TVが放送されるのである。
この番組は、ホストを務めるラバーバンド(Rubberbandz)を始めとするキート(Kito)、マークエスト(Mar-Quest)、プランサー(Prancer)、ピーカーブー(Peek-A-Boo)等のミスフィッツ(misfits)一派、そしてヘンリーリンク(Henry”Link”)、ブッダストレッチ(Buddah Stretch)、ルースジョイント(Loose Joint)のオリジナルエリートフォース(Elite Force)が登場し、日本をはじめ、全世界に多大な影響を与えた。
ニュースクールの一つの土台がココにあると言っても過言ではないだろう。

ヒップホップダンス日本へ上陸

1989年頃、日本にはニュースクールの新しい波がニュージャックスイングミュージックの流行とともにやってきた。
ボビーブラウン、BBD、ガイといったアーティストの新たな音楽が流行し、そのビデオで出てくるブレイクダンスとは違った新しいステップ系の踊りが日本の若者のハートをつかんだ。TRFのSAMやCHIHARUがレギュラーダンサーとして出演していた「ダンスダンスダンス」(フジTV)や、現EXILEのHIROが所属していたZoo(Taco、Naoya、Mark、Satsuki、ルーク、Hiro、Cap、HIsami、Sae)を生み出したTV番組「DA DA LMD」(TV朝日)などが始まり、そのムーブメントは流行に敏感な若者達の間に広がっていった。

そして何と言ってもブレイクダンス以降の第二次ダンスブームを呼び起こしたのは、「たけしの元気出るテレビ」のコーナー、ダンス甲子園。このダンス甲子園は全国ネットで日曜日の8時という時間帯、そしてもともと「たけしの元気がでるテレビ」が人気番組であったことから、高校生を中心にダンスが爆発的なブームとなった。その当時出演していた絶大な人気を誇るダンサーがLL BROTHERS。番組公開イベントを江ノ島で行った際には、2万人以上が詰めかけるという事態になったほど。

現在、活躍しているダンサー達の中にはこれをみて始めたという人も少なくはない。

ヒップホップダンスの進化

1994年の来日時のエリートフォースのパフォーマンスで、一気にヒップホップ(ニュースクール)が広がる。

日本では、ZOOやBOBBYなどシーンのカリスマ的存在の大きな影響により、90年代後半からBABY NAIL(RYUZY、MATSU、MAKI-D、USA)、MO’PARADISE(SHINYA、STEZO、TAKUYA、U-GE、CHU、HIGUCHI)等のレジェンドチームが誕生。

細分化されたヒップホップダンス

以後もヒップホップダンスは、音楽の流行とともにショウビズの世界からアンダーグラウンドまで、様々な流行りが生まれる。
代表的な流行りをいくつか紹介すると、ニューヨークハーレムのクルー、ハーレムシェイカーズ(Harlem Shakers)が流行させたシェイク(SHAKE)。

ロサンゼルス サウスセントラル発、トミー ザ クラウン(Tommy The Clown)によって広められたクラウン(CLOWN)、その教え子タイト アイズ(Tight Eyes)らによって広められたクランプ(KRUMP)

このようにオールドスクールとの大きな違いは、常に新しい流行りを取り入れて、形を変化させていくジャンルの1つでもある。

元々音楽の流行と共に変化をみせていくヒップホップダンスなだけに、ヒップホップダンスの中でも様々なスタイルにわかれ、時として、ミドルスクール(MIDDLE SCHOOL)、ジャズヒップホップ(JAZZ HIPHOP)やガールズヒップホップ(GIRLS HIPHOP)などジャンルにカテゴライズされることもあるが、これは日本独自の仕分けであるようだ。

近年のヒップホップダンス

近年の日本のストリートダンスに、大きく影響した要素としてヨーロッパのストリートダンスの存在も大きいだろう。
動画サイトの普及により、ドイツの「FUNKIN’ STYLE」、フランスの「JUSTE DEBOUT」など、それまで見ていたアメリカのストリートダンスや、日本のストリートダンスとは、少し違った進化を遂げていたスタイルは、日本人ダンサーに多大な影響を与えた。

現在のヒップホップダンス

現在では、コンテストでは日本最大級の「DANCE DELIGHT」、バトルでは「DANCE ALIVE」をはじめ多くの挑戦の場が全国各地で開催され年々日本ダンスシーンのレベルは上がってきている。
特にキッズダンスに関しては世界一のキッズ大国とも言われておりそのレベルは凄まじい。
また、アメリカを中心とした海外シーンでは、「VIBE」、「World Of Dance」と大人数の振り付けコンテストなども流行的になっており、日本チームも活躍をみせている。