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[特別コメント動画あり]多彩な顔を持つゲゲゲイワールド。「東京ゲゲゲイ歌劇団」レポート

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日時 2016年11月1日 (火) ~2016年11月6日 (日)
会場 東京芸術劇場 シアターウェスト
ジャンル 公演、キテレツメンタルワールド

 東京芸術劇場でPARCOプロデュースによる東京ゲゲゲイの舞台「キテレツメンタルワールド 東京ゲゲゲイ歌劇団」が行われた。客として観劇していたイマジン(梅棒)、$eishiroたちLEGEND TOKYO歴代覇者にもコメントをいただいたが、彼らを見事に唸らせた笑撃と衝撃の東京ゲゲゲイ歌劇団の舞台をレポートしたい。

映像、歌、ダンスで総合エンターテイメント集団東京ゲゲゲイ

 今回の「東京ゲゲゲイ歌劇団」は、いままでの東京ゲゲゲイの歌やダンス作品の再演やリメイク、映像作品の上映、果てはカラオケや朗読劇まで。高いスキルをつかって楽しく、そして時折切なく、会場を巻き込んで舞台構成となっていた。
 キテレツメンタルワールドの名にふさわしく、綺麗すぎる会場に似つかわしくない、奇妙で不気味なオープニング映像のプロジェクションマッピング。舞台のトレーラーとして公開されていたさよならダーリンの曲のアンニュイさ、年齢や性別を超越するシンボルとしての制服姿、一つ一つのヒットが会場の空気を揺らし、映像淘汰に合わせた指の動き一本一本が舞台に立っている人の形をした無機質な何かを、妖艶なナニカに変えていくような、一瞬にして違う世界にトランスさせるかのようなそんなショーで始まった。会場からは拍手や歓声が沸き上り始める。
 全体を通して、東京ゲゲゲイらしいコミカルで、時折ホラーでグロテスクで、時折暴力的なのになぜか優しく感じてしまうようなスタイル、昔は詰め込みすぎている印象を持ったこともあったが、今回の舞台はたとえるなら混ざらないはずの水と油を混ぜて奇跡のホイップクリームを作り上げた感じの、絶妙な歌と作品群が続いていく。
 レインボープライドで話題となり水木プロダクションからも公認となった「ゲゲゲイの鬼太郎」ネタも寸劇とともに再演された。名曲の数々はアルバムとしてitunes storeなどで購入が可能だ。

https://itunes.apple.com/jp/album/kiteretsumentarumyujikku/id1169324023

振付師としてのMIKEY

 東京ゲゲゲイの魅力は独自すぎる世界観から導き出されるその表現の難易度の高さとそれを実現する身体能力の高さにある。シンボリックなムーブである手のひらを合わせてのインパクト(ガッガッガッ)や、首のヒットだけでなく、下半身の男らしさ、上半身の女性らしさ、一部の人たちに顔サーと呼ばれるような表情による表現力の多彩さ、そして細部に宿った獣のようななにか、そうした音のインパクトの取り方一つ一つに鳥肌やざわめきや笑いが起きる。
 個人的に注目したのはその手の使い方。タット、ワック、ヴォーギングのスキルをより複雑にこなしてるうえに、ディジットやアニメーションウェーブ、ジャズファンク、クランプ、スワッグ、パラパラなどを綺麗に編み込んで独自のゲゲゲイスタイルを作り上げている。そしてその腕の振りにばかり注目しがちだが、細かい指使いや手首使い含めて、様々な手の使い方を行っており、見ているとだんだん手が表情に見えてくる。手を振る、手をすぼめる、顔を触る、腰に手を当てる、ポーズを決める。ダンスや顔だけでなく、手からも何か言葉が発されているような錯覚に陥るほどに、手の形の数だけこだわりを見て取れた。また、今回の舞台ではほとんど見せなかったが軽快なステップなど、振り付けに対する追及の貪欲さにいつも驚かされる。曲の奇抜さ、歌の切なさ、振り付けの繊細さ、そして自分を殺してみたり、妖怪になったり、恋をしてみたり、安定と揺らぎを往復するような、MIKEYだからこそ到達できる精神世界を見事につくりあげる。

クリエイター集団としての東京ゲゲゲイ

 分析心理学の世界では、人は心に6つの人格を持つと言われている。それは男性や女性、老賢者や母、英雄やトリックスター(いたずら好き)であり、無意識のうちに入れ替わりながら表れるという。
そうした視点で東京ゲゲゲイを見ると、メンバーの役割が、少なくとも作品中は、そうした人格の投影のような役割を持っている事に気付く。もっといえば曲や作品や歌の歌詞一つ一つの中で、そうしたモチーフたちが絶妙なバランスで顔を出してくる。
LGBTをテーマにした歌などもあったが、人は深層心理の世界では男にも女にも英雄にも母にもなれる。時に男であったことを道具にし、時に女性以上に女性らしい表現を振り付け、時に子ども以上にいたずら心を見せる。多分メンバーたちが思っている以上に、観客はショーの最中に、神秘的な何かやキュートな何かを、面白いはずのダンスの中に見つけてしまう。個人的には、これほどキュートなダンサーはジョンテモーニングとMIKEYしか見た事がないな、という感想を持った。
 おなかを抱えて笑うこともあれば、歌に耳を傾けてまったりする事もあり、なぜかダンスを見ているはずなのに気づけば自分を振り返っていた錯覚に陥るような時間もあった。映像も突飛な企画ばかりで、次は何が出てくるのか本気で予想がつかない、予想や期待以上のエンターテイメントを用意してくれた。行ったことを他人に自慢できるような舞台といっても全然大げさではない。次はどこで何を仕掛けてくるのか、また日本以外の様々な地でも活躍するのではないかと飛躍を期待させる舞台であった。

関連リンク
東京ゲゲゲイ公式ツイッター:https://twitter.com/tokyogagagay
東京ゲゲゲイ公式ページ;http://tokyogegegay.com/

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