「とんでもないことを歴史に刻んだ」THE FLOORRIORZが「BOTY 2017」で3連覇以外に達成させた“とんでもないこと”とは?

ドイツで開催されたブレイクダンスの世界大会「BATTLE OF THE YEAR 2017 WORLD FINAL 」にて三連覇を果たしたTHE FLOORRIORZ。 彼らが成し遂げた三連覇ではない「とんでもないこと」とは?

2017年10月21日、ドイツで開催されたブレイクダンスの世界大会「BATTLE OF THE YEAR 2017 WORLD FINAL(通称BOTY) 」で優勝を果たしたTHE FLOORRIORZ。見事3連覇を果たし、ダンスシーンでは祝福する声が飛び交っている。

【前人未到】THE FLOORRIORZがブレイクダンス世界大会「BATTLE OF THE YEAR 2017」にて3連覇達成

しかし、おめでたいムードが漂う中、メンバーには「BOTY」に挑むにあたり“ある思い”があったそう。一体、その思いとは何だったのか?
今回は、THE FLOORRIORZのメンバーを代表してTAISUKEにインタビューを行なった。


(前列中央がTAISUKE)

—— この度は、優勝おめでとうございます! まず、今の率直な感想を聞かせてください。

TAISUKE
本当にうれしいです。今までで1番うれしいかもしれない! それ以上に、とんでもないことを歴史に刻んだな、と自分たちで驚いています。

—— 史上初の3連覇でダンスシーンは大騒ぎでしたもんね。

TAISUKE
いや、3連覇のことではないんです。みなさんが「前人未到の3連覇!!」と騒いでいますし、もちろんスゴイことだとは思っています。でも、自分たちが言う“とんでもないこと”はそこじゃないんですよ。

—— 一体どこなんですか!?

TAISUKE
すでにバトルを見た人は気付いているかもしれませんが、“ノールーティン”で優勝したんです。この時代に、しかもあの世界一を決めるチームバトルでルーティンなしで優勝したことは自分たちでも本当にとんでもないことを達成したな、と思っています。

—— あえてノールーティンで挑んだんですか?

TAISUKE
はい。今年出るなら絶対にノールーティンだと決めていました。

—— なぜそうしようと思ったんですか?

TAISUKE
ここからはブレイキンの歴史を少し含めてTHE FLOORRIORZ の歴史を、順を追って話させてください。まず、そもそもメンバーは個々に「Red Bull BC One Final」や「DANCE ALIVE FINAL」で実績を残していたり、結成するまでにすでに活躍していました。

—— そうそうたるメンバーが揃っていて、結成されたときに「おお!」と思いました。

TAISUKE
THE FLOORRIORZはその集まりであり、それを武器に戦っていたんです。結成して1年目に「BOTY 2012」に出場した時に下手なりにルーティンを多少作って、個人のスキルを押し切る作戦で日本予選に挑み、優勝しました。それで初のWORLD FINALへ行って、決勝でVAGABOND(フランス)のルーティンとチーム力にコテンパンにやられたんです。そこで得た経験も踏まえて、個々で戦うスタンスはあまり変えずにルーティンのパワーアップに力を注ぎました。それ以上に個々の磨きの方がしていましたけどね(笑)。それで挑んだ2年目、3年目も敗北。3年目に関しては日本予選で負けました。

—— そのときは、どんな心境でしたか?

TAISUKE
終わった後に「チームバトルは面白くないし、もう出るのはやめよう」とまでなっていましたね。

—— それでもまた「BOTY 2015」に挑戦したのはなぜですか?

TAISUKE
「負けたまま終わりたくない!」って気持ちが出てきて、「このままじゃムカつくから、スタンスを崩してでも本気で勝ちに行こう」となりました。時代的に、全ラウンドをルーティンでやる方が強いのもわかっていたし、実際に勝っているチームはそうしていたんです。

—— そこからの4年目ですね。

TAISUKE
準備して挑み、初めて世界一を獲りました。うれしいっていう気持ちはあったんですけど、正直なところ“勝つやり方”で獲れて安心したんです。ただ、自分たちはこのやり方が好きなスタンスではなかったから、ディフェンディングチャンピオンとして翌年の「BOTY 2016」に出るという話が来たときは悩みましたね。

—— そんな葛藤があったとは知らなかったです。悩んだ結果、2016年も出場しましたが何かきっかけがあったんですか?

TAISUKE
若手メンバーが入り、「BOTYを経験したいという気持がある」と聞かされたこと、THE FLOORRIORZ ACADEMYができて生徒たちに強い姿を見せてあげたい、という気持ちで参加を決めました。ただ、参加を決めてからどう戦うかを悩みましたね。

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