ダンス界お馴染みのカメラマンHAMASHOWが個展を開催!マックスセイジローがインタビュー!

Juste Debout、PLBなど様々なイベントでカメラマンを担当するHAMASHOWが初の個展会を9月23日に開催。 Dewsでは、HAMASHOWのカメラをはじめたきっかけや個展にいたるまでなど、様々な心境を、DANCE@LIVEをはじめとした数々のイベントを担当する株式会社アノマリーのマックスセイジローがインタビュー!!

———-カメラマンになろうとしたきっかけ———-

M
掘っていったらきっともっと面白エピソードも出てきそうですが(笑)、そもそもカメラをやりたいと思ったきっかけは何だったんですか?

H
一番最初に買ったのはNYへ旅行に行く時に買った小さなデジカメだったんですけど、その時に写真を撮るのが好きだと気づき、帰国後もカメラを毎日持ち歩くようになりました。数年後、読んでいたDANCE DELIGHT MAGAZINEにLITTLE SHAOが出てて「こんな風にダンスを撮りたい!よし、やってみよう!」という軽い気持ちで、初めて買った一眼レフカメラでアー写撮りをさせてもらったのがJUNKOOさんでした。

M
JUNKOOさんって、TOKYO FEMALE WAACKERSのJUNKOOさん!?

H
そうです。
2008年にLAに行っていたのですが、JUNKOOさんとはそこで出会いました。

M
へー!その頃からの知り合いなんですね!?
そしてLITTLE SHAOがきっかけだったとは。
憧れる気持ち、わかる(笑)。

H
でも、カメラ、実は独学なんですよ。どんなカメラ買ったらいいの?から始まり、レンズの選び方・構図の決め方…何も知りませんでした。F値が何なのかすら知らなかったです(笑)。

IMG_9479

M
あらま。
習うより慣れろって感じだったんですね。

H
ですね(笑)。

———-カメラマン Hama Showとしての立ち位置を築き上げてきて———-

M
沢山のカメラマンさんがいる中、Hama Showさんはダンサーからかなり強い支持を得ている方だと思うのですが、その自分の強み、オリジナリティってどこだと思います?

H
支持を得ているとしたら本当ありがたいことだと思います。
もし強みがあるとしたら、カメラにのめり込む前はダンスをやっていたということですね。

M
ジャンルは? 

H
POPをやっていました。
上手くなるために練習しながら悩んだり、バトルやコンテストに出る度にフィードバックをもらいにいったりしてましたが、その当時はこの経験が将来どんな役に立つのかはっきり分かりませんでした。
でも今、ダンスの写真を撮るタイミングとか角度だとかが、割とスムーズに決められるようになったのはダンスをやっていた時の経験が活きているのだと、自分では感じています。
…だから実は、止まっているものを撮るのは苦手です(笑)。

M
(笑)。
最近、自身もダンサーかつ、写真も撮っている人って増えてますよね。
増えてるっていうよりか、カッコイイ写真を撮る人が多い!
被写体の邪魔をしないで自分のアーティストロゴをしっかりレペゼンしながら、「cool !!」な作品が世にどんどん出始めている。AyatoさんやTomofumiさんみたいに。Hamashowさんは、今回はどうして個展をやろうって思ったんですか?

H
区切りが良かったから、というのが大きな理由です。今年でちょうど30歳。一眼レフカメラを持ち始めて丁度3年。割と区切りがいい。ということで、何か見える機会をつくっておきたいということでやろうと考えました。
自分の作品はネット上でしか出回っていないので、実際に写真を印刷して展示するという機会をつくりたかったんです。

M
なるほど。確かにネット上で見ることは多いけど、実物は、ないですね。
すごく見る機会が少ない。

H
あと、僕の写真を見て下さる人と直接お話ししたかったのもあります。
でも漠然とそういう想いがあっただけで、頭の中は割と白紙でした(笑)。
当然、展示会を開くってなると、名前を決めなきゃいけませんよね。
名前って「願い」ですし、重要ですから、MC USKさんにイベント中に相談をして、言葉を選ぶ時どうしてるか聞きました。

M
え!? USKさん!?

H
JAPAN DANCE DELIGHTの時にチームの紹介文を読み上げる、あのキャッチコピーとかカッコイイじゃないですか。

M
わかる!
わかるけど、なんて豪華なアドバイザー。。。

H
はい(笑)!
USKさんしかいないと思ってご相談させて頂きました。
これから自分でやりたいこと、個展にかける想いとコンセプト…その中心点を表現する言葉がいい…というヒントを頂いて、1〜2ヶ月悩んで出した言葉が「OUTBREAK(アウトブレイク)」でした。
Facebookでも少し書いたんですけど、本来「OUTBREAK」という言葉は、伝染病が外へ爆発的に広がる時に使われるものなんです。
HIPHOP ダンス、ストリートダンスと呼ばれているものが、義務教育とか風営法改正の中身の所まで、そこまで日本の社会の中に入り込んできている。ストリートダンスの勢いを抑えきれない。ただのブームでは無くなってきている。それがOUTBREAKっぽい。抑えきれない魅力とパワーが外に広がっているイメージがあって「OUTBREAK」という名をつけました。

M
確かに危険な雰囲気。ヤンチャ感を感じます。

H
あとはOUTBREAKという語感がカッコよくも感じています。でも、元々は病原体が広がるイメージだから、アングラでちょっと危ないのかなというイメージの残るクラブ文化であったり、ダンスであったり、HIP HOPの文化であったり…そのOUTBRAEKの危なさのイメージも含めつつも、違う「OUTBREAK」と捉えているということで、これにしました。

M
素敵ですね。
カメラマンさんって、いい写真を撮ることだけで完結する人もいれば、それだけではなく、出口までデザインするタイプの人もいるじゃないですか。
むしろ出口まで気になってしょうがない人(笑)。
Hama Showさんは僕の中でもそのタイプの人で、だから以前、TAPバトルイベントのTAPJACKの時も真っ先に声をかけさせてもらったんですよね。
時代はより強いコンセプトと、より強い出口を求めていると感じるから。
その中でも、SNSでシェアするのが普通の時代の中、作品自体の付加価値を足していくことそのものって結構難しいと思うのですが、その辺は何か考えていたりされます?

H
はい。特にバトルイベントですが、予選の写真も積極的に撮るようにしています。入賞してる人やJUDGEの方々がすごいのはもちろんなんですけど、バトルに出るってとても意味のあることだから、参加者全員になるべく何か残したいんです。だから僕は必ず予選から写真を撮ります。入賞した人以外にも焦点を当てて写真に残すことで、イベントに参加した人全員と、写真自体にも付加価値が付くのではないかと思います。

M
なるほど。

H
アーティスト写真に近いものをイベントに出ることで得られる。
ということで、そのイベントが盛り上がる。
そして、それがシーンに残っていくのではないかと考えています。
あとは、自分で写真を選ぶという作業は絶対にサボりません。
載せられても嬉しくない写真ってあるじゃないですか。

M
ある、ある(笑)。
「これがイイっ!」って思ったから載せたけど、周りの反応が「それじゃないでしょ!」パターンもある(笑)。

H
あるある(笑)!
そういうの踏まえて、アルバムを自分で作る際は、写真を選ぶことを怠りません。
自分の目を鍛える為でもあります。
そして、これが迷惑じゃないタグ付けに繫がってくると思います。
例えば、ジャッジムーブの写真て何十枚もいらないし
イベント側からみて、これが欲しいだろうなとある程度予想したりして、選んでいます。
今僕はイベント写真を撮ることが多いですが、元々は、周りのダンサーをかっこよく写して、写真の作品として残したい…という想いで撮影活動を始めました。
周りのダンサーを上げていきたいという想いがあって、それが最初JUNKOOだったんです。
今では、街中を歩いていて、この景色だったら、どんな人を立たせたらカッコイイだろうな、と考えちゃったりします(笑)例えば、渋谷スクランブル交差点だったり、夕日が見える崖、海、山、公園にこんなダンサー立たせたらかっこいいのではいか…とか。
ダンス界に”銀メダリスト”みたいな人がもの凄くたくさん居るような気がしてるんです。優勝してる人・連覇している人はもちろんすごいと思います。でも、グッドプレイヤーは星の数ほどいる。そういう人にもフォーカスしたいんです。

M
その気持ち、大変よくわかります(笑)。
各自を予選からフォーカスしたくなるサガ!
そんな中、今回のOUTBREAKはそれら作品の数々がおさめられていて、全部で何点くらいあるんですか?

H
公開してないですけど、全部で約300点くらいです。

M
多いですねー(笑)!

H
これでも凄く絞ったんですけどね…(笑)。

M
写真を通して、自分の好きなストリートシーンがドンドン広がって欲しい。という願いも込められているってこと、ですよね?

H
そうですね。こんなにカッコイイ場面が沢山あることを一般の人にも見てもらいたいし、そのイベントを知らなかった人にも来て貰いたい。
あと、これは受け売りなんですが、ダンスがメジャーなスポーツに負けているというか、もったいないところは、LOCKIN’と言えば誰々、POPPERと言えば誰々とかみたいなのが無いなと思う。サッカーだったら「昨日の試合見た?」ってなりますよね?例えば、BREAKだったらTAISUKEさん。昨日のDANCE@LIVEのバトル見た?ってなることが、なかなか無くて、今はダンス界の身内だけにしかないので、広く一般にそこまでいくのがいいのかなーと思います。にわかファンがいてもいいと思うし。

M
そうですね。僕も同じように思います。
きっとどの職種もそうだと思うのですが、ある種いかに身内文化を外に広げるかっていう闘いでもあるから、ストリートシーンに興味ない人達が指標に出来る基準は欲しいですよね。「これぐらい価値のあることなんだ」って、少しでも自分の身の事として、その価値を実感出来るようにする為に。

H
ですね。

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