劇団EXILE・松組「刀舞鬼」にて共演した早乙女 太一&ダンサーズによるスペシャル対談をお届け

今回お届けする対談はDews史上類を見ない、ダンス以外にスペシャリティーを持った著名人を交えてお話を聞く事に成功した。 今回のゲストは「大衆演劇」と呼ばれる舞台ジャンルのスペシャリストであり、10代にして自身の劇団を率いて全国各地でその名を轟かせ、「100年に一人の女形」として皆さんもご存知であろう「早乙女 太一」さんその人である。

だーよし
へえー。今のRICKYを見ると「目立ちたく無かったんです」に対しては、やかましいわって思うけどね笑。にわかには信じがたいよね。TAKA君は?

TAKA
僕ですか…僕は…結構昔に色々あった子でして…笑。僕は目立ちたがりっていうのはちゃんとあったんですけど、どっちかと言うと私生活とか日常にある事をダンスで救われた感じなので…小、中学校は結構荒れてたかも知れないですね。ここに書けない位荒れてて、ここに書けない出来事がいっぱいあって、現在俗世に戻って来た感じです。

劇団EXILE・松組「刀舞鬼」にて共演。早乙女 太一スペシャル対談

一同:TAKAの昔話を聞いて黙る。

TAKA
だから僕は今まで自分が通って来た事が報われる様にっていう思いがありますね。単なる自己表現というよりは、日常のことを忘れて没頭させてくれるのがダンスでした。ダンスは怒りをぶつけさせてくれたので。だから今も続けているんだと思います。

だーよし
なんか…深いなあ…確かに書けないねこれ…笑。今度別枠で設けて貰おうか、Dewsさんに(笑)では関根さん!行ってみよう!

関根 アヤノ
私は、お母さんがダンスのインストラクターをやっていて、完全にそこへの憧れでやり始めました。それで小学生の時に始めて出た発表会で一気に世界が広がって、自分がダンスを踊る事で見ている人が喜んでくれる感覚が忘れられなくなりました。そこからそれをずっと追い求めて踊っている感じです。やっぱり舞台に立つって、日常生活じゃ味わえない、出た人にしかわからない快感がありますよね。ああでもないこうでも無いとか、紆余曲折あってやっと皆で一つの舞台で発表するって凄い素敵だと思います。

YU-YA
いやー本当にそうですよねー。あの快感は本当に僕も好きです。逆にだーよしくんはどうなんですか?

だーよし
俺かー。えーっと、なんだろうな…笑。まずやっぱり目立ちたいから舞台に立つっていうのは大前提であるよね。ただ、話はそれるかも知れないけど最近思うのが、人の前で何かパフォーマンスをするってことは、何かのメッセージを見ている人に伝える物だと思っていて、例えば自分達がチーム(TRIQSTAR)のショーで和服を着たパフォーマンスをインターナショナルなテレビ番組で披露する事があって、その時は自分達から出て来るものだけじゃない何かが本当に背中を押してくれた瞬間があって…。もちろん自分達が表現したい物を皆で考えて出すんだけど、外国人に囲まれながら生活していると自分は日本人だということを彼らから再認識させられる事が凄く多いんですよね。和服を着ていたりすると特に。日本人だから「親切だ」「約束を守る」とかって言われるのは、自分だけが作っている印象ではなくて名前も知らない不特定多数の日本人、祖先達が作って来たイメージじゃないですか。そう思った時に、自分達が着ている和服もそうだよなと思って。だから本当にそのテレビ番組のファイナルで踊ったときは、「自分達がゼロから作った物で目立って人気者になりたいから」という想いの他に、勝手にですけど日本っていう物を背負って、自分達の背景に「日本」「日本人」を見てもらえる様に心がけました。多分お芝居や舞台の「作品を活かす」「役を憑依させる」みたいな形と近いんだと思います。

RICKY
だーよしさんて、色々やるじゃないですか?バンドとか、イベントのMCとかも。何で最終的にダンスだったんですか?

だーよし
うーん…笑。特に理由は無いんだよね…元々バンドをやっていて、最終的に一番しっくり来たと言うか、形になったのがダンスだったっていう。まあ、正確に言うと形にしてもらったって言った方が良いかな、俺の場合は。まあ、そんな話はさておき笑、太一さんにお聞きしたいんですけど、太一さんは何で舞台に立っていて、立ち続ける理由ってなんなんでしょうか?

劇団EXILE・松組「刀舞鬼」にて共演。早乙女 太一スペシャル対談

早乙女 太一
俺は物凄く簡単に言うと、そこに生まれたからですね笑。生まれて気付いたらもうやっちゃってましたから笑。自分の意志とは関係無かったですね。毎日二公演、週に休みは一回。でも休みの日は移動ですから、次の現場に着いたらまた準備をして一日二公演。という日々でした。所謂「普通の生活」というものを知らなかったので、それが普通なんだと思って当たり前の様にやってましたね。自分だけの時間という物は全くなくて、常に劇団の皆と一緒で。

だーよし
なるほど…では、その中で、太一さんが幼少から習って来た、舞や殺陣意外の他の要素はどうやって取り入れて行ったんですか?例えばタップダンスとか。お話を聞くと何か他の事をやる時間が無かった様に思えるのですが…

早乙女 太一
タップに関しては9歳の時に北野 武監督の「座頭市」に出たのがキッカケで武さんの家で武さんと軍団の方と練習する様になった感じですね。HIDEBOHさんのDVDを見ながら皆で練習してました。それで公演でも振り付けして頂いてやるようになって行きました。

だーよし
え、ご本人がもちろんいらっしゃるんですよね?本当に素人みたいなこと言いますけど「太一バカヤロッ!」みたいなこと言われる訳ですよね?う、羨まし過ぎる…

一同:(笑)

だーよし
失礼しました…今回の舞台公演中に楽屋かどこかで見せて頂いた太一さんの動画で、ストリートダンスっぽい動きもあるじゃないですか?そういうダンスはどこで勉強したんですか?

早乙女 太一
舞台に必要な、というか取り入れたい物を自分から学びたいと思ってやり始めたのは、実は19歳か20歳位の時からで、子供の時は正直本当に全てが嫌でした。凄く厳しかったので。芸に対しても人としても凄く厳しかったです。でも今思うと父親が言っていた「人に怒られるのは嫌だから自分で率先して厳しくやれ」と言っていた理由がわかりますね。自分も4歳から舞台に立っているので、当時は泣いても怒られるし、振り付けを間違ったりするとお尻を棒で叩かれたりしました笑。その時代、何かしら感情を出すと怒られてしまうので、自分で感情を閉じてしまったんです。そんな全てが本当に嫌で仕方がなかった中で女形をやったりもしていたので、観に来て下さるお客さんにも一時期良く無い思いを抱いてた事がありますね笑。何でこんな苦しい事をさせられてる俺を観てこの人達は喜んでいるんだろうって。15歳位の時に女形が評価されてテレビに出る機会があって…当時はテレビに出た直後一週間は劇場が満員になるんですけど、その後はすぐにもとの状態に戻るっていうのが繰り返された時期があって…その辺りで全国ツアーに行ったんですが、もの凄く嫌でした笑。
それで17歳位の時なんですけど、当時の事務所に「もう辞めたいです。頑張れません。お客さんが3人とかでも良いから自分が頑張りたいと思える環境に戻りたいです」という相談をしたんです。で、結局事務所を辞めさせて貰った結果、少しだけ自分を見いだす事が出来ました。結局はその当時は女形が評価されていただけで、そこにしか大した価値がない事に気付いたんです。女形は元々好きじゃなかったので、他に頑張ろうと思ってやったのが殺陣ですね。もともと興味はあったし、これが上手になれば男役が出来る様になるので。そんな時に劇団 新感線の舞台に感動して、殺陣にのめり込んで行く様になりました。それまでは、全く自分の人生に意味を見いだせていなかったんですが、そういう事とか結婚とかを機に「俺にはこれ(舞台)しかないんだ」と思える様になりました。あれだけ嫌っていた物だったのに、冷静に考えれる様になると自分にはそれしかないんだと。色々考えてみて、さっきの質問の答えに戻すと、自分にはこれしかないからこれを極めようと思ってやっています。でも本当はバンドをやりたかったりする自分も居たりします。

劇団EXILE・松組「刀舞鬼」にて共演。早乙女 太一スペシャル対談

だーよし
バンドの方は、何か楽器を習ってたりするんですか?

早乙女 太一
ギターは前習ってましたが、今はやってないですね…

だーよし
そうなんですね。何か機会があればそんな事をやってる太一さんも観てみたいですね。

YU-YA
本当そうですね。なんか、良い話聞けたなー。ありがとうございます!

だーよし
ちなみになんですが、太一さんは今までストリートダンサーを何かのメディアで見てチェックしてた、とか気になっていたダンサーって居たりしますか?誰かをご自分の舞台に呼ぼうと思ったとか…

早乙女 太一
そうですね…タップダンスのSARO(サーロ)さんですね。元々僕の趣味と言うか好き嫌いの問題なんですけど、よく、「うわーーーーーーー!!!」って自分をアピールする人ってあまり好きじゃないんですよ。

一同:YU-YAを見て沈黙…爆笑

早乙女 太一
いやいやいや(笑)舞台上では僕もそういう時がもちろんあるのであれなんですが、普段の人間性の問題ですね。一見目立ちたく無いんだけどって感じでやってる人の方がその人に興味が出る傾向にあるんです。そのSAROさんという方が凄く魅力的なのは…なんですかね?とても変な方で、普段ずっと体を掻いてるんです。クセで。それでキズだらけなんです笑。

一同:えーーーーー(笑)

早乙女 太一
何かを考える時に掻くクセがあるみたいなんですね。でも舞台に立ってタップをすると、本当に人が変わるんですよ。その人の中身がブワッと出て来る様な。なんかそれって、その人がアピールしようとしてやっているというより、その人から自然と出て来ちゃっているような感じなんです。それを見た時に凄い感動しました。それが所謂ダンサーさんを見て最初に感動した時かも知れないです。だから自分も常に何かを出すというよりは、内に貯めた物をいっぱい持っていて、舞台に立った時にそれが出てしまう。みたいな人でありたいと思っています。あくまで傾向なので、自分もそういう風に役作りをする時もありますし、アピールするタイプの方がやるお芝居や殺陣が勉強になる事も沢山あるので。「この人、どんだけ自分の事が好きなんだろう?」って突っ走るタイプの方を見るのも好きではあります笑。

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