IT企業がダンサーをサポートする意味とは?SHADE(ARIYA) × ネットビジョンシステムズ株式会社インタビュー

ダンサーの生活について

中塚
こういう話していいかわからないですけど、ダンサーさんは、活動費って大変ですよね。

SHADE
そうですね。
今回に限らず海外行くのにお金かかるっていうんで、ストリートダンスやってる人って、そんなにポンポン行けるってぐらい稼いでいるかっていうとそうじゃないですし。

中塚
その部分も気になりますね。
ダンサーは実際はどのように生活をしてるんですか?

SHADE
今自分の生活しているお金っていうのが、ダンスを教えるダンスインストラクターとしての仕事の収入がメイン。

中塚
沢山教えられてますもんね。

SHADE
基本的には、その収入しかないですね。あとダンスイベントの審査員とかの謝礼をもらったり、まあ優勝賞金って言っても、貰えて2万とか、1万とかのイベントとかもあるし、そうすると自分は群馬から東京のイベントに行くんで交通費往復でまあ5000~6000円かかって、エントリーに2000~3000円かかるとしたらプラス1000円2000円です。
優勝してそれですからね。

STAFF
ダンサーとしては、大会に出るって稼ぎに行ってるって感覚ではないですよね。

神澤
SHADEは群馬でインストラクターが出来てるけどそうじゃない人もたくさんいそうですよね。

SHADE
企業で働いてダンスやってるって人も全然います。
まだ俺は恵まれてる方だとは思うんですよね。ダンスだけで生活できているので。

STAFF
この業界全体の発展させるにはその辺も一つ課題ですよね。
現実問題生活できないと。

SHADE
子供にダンス教えてるんですけど、夢を与えるという部分で、まだ大会に出て勝ってるっていう所しか見せられない。

中塚
私野球好きなんですけど、プロ野球で言ったらね、年俸何億円とかね。

神澤
いい車乗りたいもんね。

SHADE
そうですね。ファミリーカー乗ってる場合じゃないです(笑)。

STAFF
逆に良い車に乗るにはダンサーは何をする必要がありますか?

SHADE
みんなダンスはがんばるんですけど、自分を売り込むっていうのをなかなかしないですよね。
他のスポーツとかになってくるとマネージャーとかいるのかもしれないですけど、

中塚
やっぱお金を集めるんだったら企業さんとかの力が必要ですよね。
そういう活動も必要かもしれないですね。

STAFF
言えるところまででいいのですが、今の契約体系っていうのはどうなっているんですか?

中塚
えっとまあ基本的には年間契約、毎月スポンサー料っていう、そんな大きな金額をお世話してるわけではないんですけど。
それ以外にも、コラボTシャツとコラボLINEスタンプ。などを制作しています。
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LINEスタンプ(PC)
http://line.me/S/sticker/1306230

LINEスタンプ(スマートフォン)
line://shop/detail/1306230

そういう所で売り上げを応援でバックしようかって。
今回のイギリスの方の旅費みたいのもそういう中から捻出して当てようかなっていうのは思っているので。契約は契約であるんですけどそれ以外で出来ることは随時やっていくっていう。

STAFF
なるほど。

神澤
SHADEには月に2,3回大会でTシャツ着てもらってそれをInstagramなりSNSにアップしてもらうっていう形で協力していただいてますね。

SHADE
今はそれぐらいしか出来ていないですね。

STAFF
サポートされる側は結果を残すことに力を注ぐべきですもんね。

中塚
そうですね。それでもっとみんなに買っていただけるように。

一同
(笑)。

神澤
でも、イベントで子供がうちの会社のTシャツをいきなり着てて、びっくりしました。
お母さんが熱狂的なファンなんでしたっけ?

SHADE
そうですね。

神澤
そういう広がりを見るとうれしいですよね。身内だけでやっていても結局、限界っていう言い方はあれですけど、広がりが少ないというか。野球のスタジアムに応援に来るのが野球のリトルリーグの子供たちだけだともったいないと思っていて、そうじゃない一般の人たちにもっときてほしいですよね。
ダンサーとダンスをやっていない人に対して、接点を作っていくのが課題だと思っていて。イベントをやっても応援に来るのはダンサーかそのご両親であったりするので、キッズ向けの働きかけは現状色々あるんですけども、じゃあダンスと普段かかわりのない人に伝えるのはどうするのと考えています。その部分はまだまだ弱いなって思っているので、そこをこう、契約している間にいろいろ考えられたらって思っています。

SHADE
もっとイケメンだったらなあ。

中塚
いやいや十分ですよ!
コラボの映像とかめっちゃかっこいいって評判ですよ。

STAFF
例えば、同じ業界だけで集まるイベントみたいなのはないんですか?

神澤
IT系だけの交流会みたいなことですかね?

STAFF
はい。そういう所で場所をお借りして、これウチのサポートダンサーですみたいなアピールが出来たら面白いですよね。
IT業界のサポートダンサー同士のバトルとか。

神澤
それはおもしろいですね。

中塚
おもしろいですね。

神澤
ダンサーがものすごい努力家であることだったり、まじめであることを知ったら興味持って「ウチも是非お話を!」って企業が出てくると思うので、同じ業界内でのコミュニケーションをとっていくってことも必要な気がします。
あそこがあれやったらしいってなったら、こっちもじゃあっていろいろアイデアが出てくる。
それで、実際サポートしているダンサーが活躍していて、日本から世界に行っているって知ったら、そりゃあもう皆飛びつくんじゃないですかね。
なのでもっとダンサー側も、一般の人たちや企業に対してアピールしていったほうがいいと思います。

今後の展望

STAFF
今後こういうの一緒にやっていきたいっていうのありますか?

神澤
自分が考えている企画が一個あって、SHADEや、ARIYAさんのワークショップに帯同させてもらって、ダンスワークショップの前後で企業ワークショップの時間をもらいたいなと。大学生・高校生が受けにくることが多いので、なぜ我々がこういうスポンサード契約をしているのかっていうのを、ワークショップを受けに来た人たちに、ダンス以外の選択肢を与えるきっかけにもなればと。
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今はダンスを一生懸命やっているけど、社会に出たときにダンス一本で食べていけるのか、それとも副業でやっていくのか、趣味の範囲に落とすのか。ダンサーの共通の悩みだと思っていて。
やっぱりダンス始めて楽しさを知ったからには、社会人になったときにダンスに関わって欲しくて、どういう形かにして続けていくために、ちょっとでも将来のことを考えるきっかけになると、WIN-WINかなって思ったりもするので。

私がもともとbboyだったので社会に出てそういったことを考えたんですけど、弊社は通信の会社なので、ダンサーをはじめとした表現する人をサポートしていきたいですね。
最近IoT(Internet of Things)とかウェアラブルの技術が発達してきています。SHADEにそういうのつけてもらって遠隔から健康状態を計測するようなものを作ったり、ウェアラブル機器との通信環境を整えて行きたいです。
あと、AR、VRなどの拡張現実技術があるので、そういうの再現する環境とかをウチできますよ、みたいな技術を磨いていきたいなと考えていますね。

STAFF
VR生放送とかやったらめちゃくちゃ面白いですよね。外国人のバトラーが近づいてくるみたいな。

神澤
その迫力は中々味わえないですね。

中塚
自分が一緒にダンスしてるみたいな感覚を味わえそうですね。

SHADE
確かにバトルの空気とかも、独特ですもんね。

神澤
小型カメラ内蔵の眼鏡をSHADEがつけて会場の外からイベントの様子を撮影して、バトルの時とかは外して足元においておけばバトルの臨場感も伝わるし。
それをうちの通信技術で生放送で世界に向けて配信したりして。

SHADE
女の子みてたら大変ですね(笑)。
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一同
(笑)。

中塚
けどそういうのも面白いですよね。やりたいですよね。

神澤
通信環境整えるのが我が社の使命ですからね。

STAFF
SHADEはなにかありますか?

SHADE
自分はできることって言ったら踊ることしかできないんで。
何かつけてとかでいいんならば全然つけますけど、そのほか何かできるかはまだわからないですね。

STAFF
やっぱり大会での活躍ですね!
では「DANCE ALIVE」の意気込みもお聞かせ下さい。

SHADE
前回出たときは準決勝でIsseiに負けたので、今年も一回戦勝ってIsseiも上がれば、準決勝であたるのでリベンジを果たしたいですね。
今、一番日本のBBOYで乗ってるやつなんで。

神澤
確か一勝一敗だよね?

SHADE
関東予選で一度勝ってるんですけど、やっぱり会場の雰囲気とかもあるじゃないですか。両国のような大きな会場で自分のムーヴがどこまで通用するかっていうのが。やることは変わらないですけど。

中塚
会場によって変わるんですか?緊張したりとか。

SHADE
そういうのはないですけど、動き的に派手な動きが多い人や細かいのが多い人とかもいるんで、俺は結構細かいことが得意なタイプなんでして、予選は広い会場じゃなくて、自分の近くで見てる感じだったんです。
世界大会で活躍するとなったら広い会場が多いと思うんでそういうところでもこなせるように今練習はしてます。
あとは一戦一戦ちゃんと勝ち上がってっていう感じですね。あまり先見すぎると、変な感じで負けちゃうことも多いんで。

STAFF
一回戦の予選は前日予選優勝者ですよね?

SHADE
そうですね。けど知らないやつの方がやりやすいかな?変に考えすぎずに。大体ファイナルに残っている人って普段からバトルしている人たち多いんで、大体何やってくるかわかるので色々考えちゃうと変な感じになっちゃうんです。

STAFF
なるほど。そういう意味では前日予選でよかったとも捉えられますね。
あとは「DANCE ALIVE」は複数のジャンルの審査員が審査しますからそれも特徴ですよね。

SHADE
そうですね。音楽ありきの部分、ダンスがあるんで、音にちゃんとノリにいかなければならない。
けど俺が思っているのがブレイクダンスって、音もあるんですけど、音を超えるものがあるんですよ。その動きのスピードとか動き自体のすごさだったりとか。
そういう部分が他のジャンルの人に伝わればいいなっていうか。

中塚
音楽を超える感覚を。深いですね。

一同
(笑)。

STAFF
自分のここを見てほしいみたいなのがあると思うんですけど、やっぱダンス全く知らない人に、ここ見たら面白いよみたいな。
自分を含めてBBOYのここを見て、その前情報を持って見に行ったら楽しめるよみたいな。

中塚
それは私としても聞いてみたいですね。

SHADE
やっぱりバトル慣れしてるのってBBOYが一番慣れていると思うので、動きとか踊りもそうなんですけど、そのほかの表情だったりとか、なんかジェスチャーだったりとか、踊ってる方と逆の待ってる方だったりとか、待ち時間とかそういうのを見ていると面白いかもしれないですね。結構ジェスチャーとか失敗するとウワーとか派手にやる人もいるし。俺はあんまりそういうのしないタイプなんですけど。

中塚
待っている方も茶化したりなんかして?

SHADE
そうですね。コミュニケーションとってるのを見るのも面白いかなと。

STAFF
やりづらい相手とかはいますか?

SHADE
やりづらい相手は・・・オラオラ系です(笑)。

STAFF
ちなみにSHADEが今までで一番印象に残っているバトルは?

SHADE
一番は初めて海外に行ったときに台湾のバトルだったんですけど、予選上がって一回戦勝って、二回戦目にエルニーニョ(EL Nino)っていうアメリカの有名なB-BOYがいるんですけど、そいつとバトルしたのがすごい、印象的ですね。初めて海外の有名な奴とバトルしたのが初めてだったので。

STAFF
有名な人と戦ったということ以外に、何か感じたことがあったんですか?

SHADE
ワンムーブ目終わった時に、これイケるんじゃないかって思いました。ツームーブ目に自分がミスってしまいましたが、ワンムーブ目だけだったら全然イケるなって。

STAFF
そういうのは今も見返したりするんですか?

SHADE
たまに見ますね。昔の方が面白いことをやっていたっていうのがあるかもしれないので。今使っていない動きとかもあるし。そういうのを引っ張り出して来たりっていうのするので。昔の自分の練習動画だったり、見たりしますね。

スポンサードされるために必要なこと

STAFF
逆に企業側にとって、こういうダンサーだったらスポンサーしたいとか、ダンサーはどうやったらこういう道に進めるのか気になると思います。
本当にSHADEのパターンは極稀なパターンだと思うんですよ。ダンサーの中にはアルバイトをしているダンサーも山ほどいて、大変な状況の中、企業さんにサポートいただけるって本当にありがたいことです。
どういうダンサーさんだったらスポンサードしたいと思いますか?

中塚
ご縁なんですよね、やっぱり。
難しいところではあるけど、決め手は人柄がすごく謙虚で頑張り屋さんなので、そういう所で個人として純粋に応援したいなっていう思いがあったので。

神澤
企業側の仕事の理解をしてもらうとありがたいですね。ITってなにじゃなくて、どんな会社なのか理解して貰うのと、自分はこんなダンサーですっていう理解を求めるのと、相互の歩み寄りが出来たから今回はよかったのかなって。

STAFF
一か月ですもんね。思った以上にすんなり決まるというか、繋がり次第で。やっぱさっきSHADEが言っていた、自分を発信していくとかが大事になるんですかね。

中塚
地道に活動していくしかないかもしれない。

STAFF
企業からしたらダンサーのことを、知らないわけですもんね。

神澤
結構大学生ダンサー多いじゃないですか。サークルの後輩やがんばっているダンサーを応援したいって思ってる元ダンサーとか、そういう繋がりが大事かもしれないですね。

STAFF
もしかしたらこの記事を見たダンサーから電話がくるかもしれません(笑)。

一同
(笑)。

中塚
自分の近くの企業に自分で話を持ち掛けてアタックするのもいいかもしれないですよね。

神澤
思っている以上に柔軟に話を聞いていただけると思うんですよね。だめでもそれでなにかあるわけでもないし。

SHADE
そういうのは今後、新しい動き方かもしれないですね。

中塚
そうですね。そういうアイデアをどんどん若手の社員に出してきて、そういう風通しのいい会社に入りたいっていう若者も増えてくるだろうって思うし、そういう会社に入りたい、面白い事やりたいって思う人も多いと思いますね。
企業としても採用が難しくなってきているので、面白い事やってる会社だなーって思われることは企業側にもメリットがあるからね。ぜひダンサーの方からもアクションかけて欲しいです。

STAFF
そうですね。繋がりを作りやすい時代だからこそ、ダンサー自身もアプローチの仕方を考えるべきですね。
本日はダンサーにとっても何かヒントを得るインタビューになったかと思います。
ありがとうございました。

一同
ありがとうございました。

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