【世界的ダンサーのお仕事についてほんの少しだけ聞いてみた】
だーよしさんは世界レベルで活躍するダンサー・パフォーマーということで、多くのダンサーがお手本にしていると思います。今日はダンサーの仕事についての苦労や故障の経験についてお伺いしていきたいと思います。
よろしくお願いします。
まずは最近の活動について教えて下さい。
TRIQSTARでのショーや裏方の仕事を請け負っています。最近のわかりやすい仕事ですと、パラリンピックでのショーに出演させていただきました。それから他にもinstagramのリールに投稿した動画が、運よくドカっと再生されて、テレビにも出演させていただきました。
コロナ以降、現場でのショーケースが少なくなってしまったのですが、レッスンは週に1本変わらず続けており、週何日かは株式会社アノマリーのお手伝いもさせていただいています。
コロナ以前のレッスンやショーなど、どれくらいの頻度で行われていましたか?
レッスンは以前から週1でしたが、ショーは単価を上げてからは、月に数本といった感じです。それからコロナ直前まで、海外でのイベント出演も決まっていました。ロシア、タイ、シンガポール、ドバイなどにいく予定でしたが、全てキャンセルとなってしまいました。
基本的にイベントが中止になっても、保障が出ないことの方が多いので大変です。何より現地の熱量に触れに行きたかったですね。
パラリンピックに出演された経緯を教えてください
嵐などの振付をしている元HidaliのTAKEさん(梨本威温)とメンバーが仲良くて、その繋がりでお声がけいただきました。ダンサーとしての何かを見せにいくというよりは、障害を持っているダンサー、パフォーマーの手助けということで参加させていただきました。
4月位から始めて週1〜2回、通常より早くから始めました。通常のダンサーは一回に半日など、長い時間休憩なしでリハーサルをして踊り込みますが、パラの方々は、30分やって休憩というペースで進めていかなければならないので長いスパンで取り組みました。
その時は何か苦労などはありましたか?
パラの稽古中に、ぎっくり腰になりました。治るのに10日程度かかりました。最初に腰にピリッときたのですが、動けるからいいか、と稽古に取り組んでいました。帰り道に痛みが襲ってきて、動けなくなってきて、一晩寝て翌朝目覚めたらダメでしたね。例えば多少の足の怪我であれば、買い物などもできますが、一人暮らしのぎっくり腰は、さっきまで動いていたものが動かない、という不安、体が物体になったままこれからどうなるのか、という感覚で怖いですね。痛みの種類は、ずっと腰の筋肉がつってる感じで、動けないのでUber Eatsに頼ってました。玄関の前に取りに行くのも一苦労なので、メッセージで「ドアノブにかけてください」と、極力しゃがまないで済むようにお願いしました。そもそもぎっくり腰は5年ぶりくらいの再発でした。その時の方が度合いは重かったですね。
5年前のお話も詳しくお聞きしていいですか?
(ぎっくり腰になったのは)僕の出身である仙台で、パフォーマー仲間とパフォーマンスを作ろうよという話になり、仕事をしていた時です。リハーサルスタジオに竹光(模造刀)が3本あって、「三刀流!」などと切る遊びをしていた時でした。よく「遊びの最中にアイデアが出る」という話がありますが、僕の場合は遊びに飽きて真面目にやり始めた時にアイデアが出てくることが多いです。遊びはそのためのリフレッシュですね。ですが、そのリフレッシュの時間に腰を痛めてしまいました。
その時は具体的にどんな対応をされましたか?
5年前の時は、丸々二週間は動けませんでした。たまたま現場仕事はなかったのでよかったですが、出演契約書があるようなイベントだと補償金を求められるかもしれないですから運がよかったです。レッスンだけは代行にしました。その頃からいろんな不安について考え始めました。会社組織に属しているわけではないので、自転車操業で不安定な状態です。若い頃の勢いで大丈夫でしょ。という気持ちでいられないなと感じ始めました。その時はなんとかご飯をとりに行けましたが、例えば両手を骨折したらご飯も食えない。仕事をしていてお金についての不安ももちろんありますが、それ以上に命の危険にも晒されるんだなと思いました。さらに40代は過労死の話も聞きますからね。
事務所などの福利厚生はあるのでしょうか。
事務所はワタナベエンターテイメントに所属して4年目です。芸能事務所はいろいろあるのですが、エージェンシーに近い契約をしています。福利厚生としては健康診断などを受けさせてくれます。仕事は歩合制ですし、会社員のように労災などの制度もないので、パフォーマーの契約は難しいですね。お仕事が欲しい時や、なかなか人に言えない相談をしたい時はかなり頼りになります。
レッスンやショーの練習など、日常でされているケアなどありますか?
必ずやる練習は週1回と決まっていて、あとはお仕事があるときに集まる感じです。僕らの世代は怪我してもおかしくない頻度とペースで練習して育ってきました。今でも楽しくしようと心がけていますが、楽しいだけじゃ行かない時もあります。怪我は気を抜いた瞬間にきます。そのため、不定期ですが整体に通ったり、踊る前は最低限のストレッチなどを行なっています。また、誰かが怪我をしたときもショーなどができるように仲間とイニシアチブ(主導権)を分散するようにしています。以前メンバーが膝を怪我して、しばらくチームの活動を休止してしまいました。2〜3ヶ月間だったと思います。その時も、企業さんに依頼されたショーなどに出演できなくなったとい経験があります。
怪我や病気に関して、保険などに加入はされていますか?
今はいいやつではないですが、入っています。やはり先ほどの怪我がきっかけで考えるようになりました。また、健康診断でも肥満の肥の字を使った「肥り気味」と書かれました(笑)。動く量も食べる量も変わってないのに年齢に伴って代謝が下がっているのかなと思います。加入は36、7歳くらいの頃でしょうか。航空会社系のカードを持っているのですが、その会社から保険の案内がきて、入会金無料という言葉に誘われて入りました。怪我、入院、成人病などを対象にした保険です。不思議なことに、入ると世話になることも少ないのですが、困ったときに日常の暮らしを担保してくれるものがあるのはいいことだなと思います。
保険も含めこんな制度があったらいいなというのがあれば教えてください。
人間誰も怪我をしたくて怪我をする人はいないし、私生活でもそうですけど、保険はわかりやすくお金があれば社会生活を保障してくれるものなんで、安心できます。ダンサーの活躍するフィールドが増えていますから、多くの人が安心して踊れる仕組みが増えればいいなと思っています。
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だーよしprofile
〈ダンサープロフィール〉
ダンスチーム「TRIQSTAR」のリーダーであり、自身としては過去に「はむつんサーブ」として数々のCM、TV番組に出演。また、2008年には日本人として初めてMADONNAに見初められ彼女のミュージックビデオ、ワールドツアーに同行。2015年、Asia’s Got Talentにて日本人で唯一決勝まで進出、海外からの評価も高く、様々な国で自身のショーを披露。また近日では2020TOKYOパラリンピックにおいて開会セレモニーにダンサーとして出演。日本を代表するアニメーションダンサーの一人。