「今は人やカルチャーのために踊る。欲を乗り越えた時に結果はついてくる。」/【FINALIST INTERVIEW oSaam編】マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

 『アライブ』の名で親しまれ、今年で17年目を迎える「マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL」。ストリートダンス界最強ヒーローを決めるダンスイベントとして、数多くのダンサーたちのドラマと才能を花開かせてきた。毎分毎秒が歴史の転換点となるこの日に向けて、多くの新世代ダンサー達が過酷な予選に挑戦し、ファイナル出場を勝ち獲った。令和ジェネレーションとも呼ぶべきファイナリストたちは、何を思いあの舞台へ上がるのか。

今回はSEED DANCERとしてHIPHOP SIDEの舞台に立つoSaam(sucreamgoodman)にインタビュー。ダンスアライブFINALで4度の優勝という脅威的な記録を始め、国内外のバトル・コンテストで輝かしい成績を収め、未だなお現役としてバトルやコンテストに挑戦し続けるその理由と心境の変化に迫る。

過去に4回優勝を経験していますが、今回招待ダンサーのオファーを受け出場を決めた想いを教えてください

アライブは、すごく、とてつもないエネルギーが舞台に集まるイベントで、話をもらった時、シンプルにあの舞台に立ちたいなと思っているタイミングでした。アライブにはしばらく出場していませんでしたが、今回は本当に良いタイミングでした。

多くの実績をお持ちだと思うのですが、現在もバトルやコンテストに挑み続けている理由を教えてください

20歳からチームコンテスト、30歳からはバトルというタイミングで、人生のほとんどをそれに没頭してきました。ダンスが上手くなりたい、名前をあげたい、チームで何かしたいなど、昔はそういうことばかり考えて自分のためにずっと踊ってきましたが、だんだん得られるものが面白くないなと思うようになってきました。今は人とかカルチャーのために何かしたいなと思うようになってきていて、自分達が踊ることで伝えられることや貢献できることがある、それが挑戦し続ける原動力になってきている感じです。ろくに社会に出ずに好き放題生きてきたからこその気持ちだなと思います。若い頃はいろんな人を傷つけてきたと思うし、歳をとって自然と、してはいけないことに気づいたからこそ、今の姿勢があります。反動がすごいですね(笑)。自分以外のために踊るという姿勢はこれからも続けていくと思いますし、人の気持ちで、変わらないものはないんだなと思いますね。

アライブに限らず自分の価値観や姿勢が変わるきっかけになったバトルなどあれば教えてください

自分がバトルに負けた時は、必ず発見があります。アライブで言ったら、最初にファイナルに出た時、ベスト8の1回戦で負けてしまいました。大阪から来てホテルに泊まって、ここまできて、1回踊っただけで終わり。努力とか準備の足りなさを実感して悔しすぎて、負けた瞬間に、来年絶対優勝しようと決めました。それまで精一杯やっていましたが、足りてなかったなという気づきがありました。翌日から無理なトレーニングをして熱を出したりもしました(笑)。アメリカやヨーロッパで負けてしまった時も同様でした。飛行機に乗ってここまで来て、予選や1回戦で負けて悔しい、と言った経験は何度もあります。土地土地のダンサーにコミュニティがあって、そこの噂で彼らは「バトルに対してゲーム感覚で挑戦している。」と聞きました。でも実際僕から見たら、皆命をかけて踊っていたし、そんなことも想像できていなかった。はっきりいうと自分の力を過信していたと思うんです。いけるやろ、と楽観していた分、負けたことが悔しくて。普段はそういう競争心、負けず嫌いな性格は持っていないんですが、ダンスの時だけは人一番出てしまうのかな。そして、勝つ時はそういう気持ちを超越している状態で、相手ともしっかり向き合えているし、謙虚な感情でいることができた時だなと思います。勝った時、納得感や満足感はなくて、逆にありがとうという気持ちになっていることに気づきました。自分のために頑張るんですが、優勝できる時は、いつの間にか気持ちが人のためになっていることに後になって気づきます。勝って100万!と思うと勝てたことないです。どうでも良くなって、欲を乗り越えた時に結果がついてきたなと思います。

KENTARO!!さんに師事していたという記事を拝見したのですが、KENTARO!!さんとの出会った経緯やエピソードなどがあれば教えてください

初めてKENTARO!!を見たのが、復活ダンス甲子園という番組で、テレビに映ったKENTARO!!という、当時15歳で僕と同い年の少年がかっこよく見えました。それが自分がダンスを始めたきっかけと言ってもいい位です。それから海外のダンスを見たり、いろんな刺激を受けて、彼のことは記憶の奥に忘れていました。RAVE2001が放送されていた時期に東京に下宿していて、クラブで彼を見かけました。その時、ダンスを始めたての頃に見て衝撃を受けた人だ!と記憶が蘇ってきました。声をかけて、実際にダンスは習ったことないんですけど、勝手に師匠という存在にして3〜4年追いかけていました(笑)。2000年頃だったと思いますが、彼がLOCKIN’ONというチームで活動していた時期、彼のやっていたダンス、編集、ファッション、音楽、サイジング、活動すべてに影響されていました。それから人の真似をしている自分が嫌になって、自分と向き合っていくようになりましたが今でも憧れのすごい人だと思います。意外と言われますが、僕が初めて入ったチームはロックのチームでした。なんでもいいから踊らせて!と友達伝いに入れてもらいました。思い返すと楽しかったですね。ジャンルなどがあるのも知らなくて、ダンスを真似して学校で見せて、という時代でした。それがロックというジャンルだと分かったのは後のことでしたね。他にもJAZZをやっていた時期もあるんですが、それも今になって自分のダンスに活きているなと思いますね。

奈良をレペゼンされてると聞きましたが、地元シーンへの想いなどありますか?

一番近くにいる人には一番(いろんなことを)伝えたいなと思っています。東京や大阪と比べ、奈良はシーンとしてはかなり小さいです。僕はレッスンをしているだけで、関わる人も限られるんですが、その分イベントをして交流を深めていて、今の奈良は濃い人間が少なからずいる地域だと思っています。
自分が生まれ育ったところだから好き、という理由しかないですし、前まで「奈良です!」「奈良のために!」とアピールし続けていた時期もありました。固執しすぎてもよくないなと気づき最近はマイペースに関わっていくようにしています。どこの地域もしがらみがあると思いますが、自分が先輩としてしがらみになりたくない、後輩を囲うのではなく、羽をつけてあげたいと思うようになりましたね。

今回のアライブのファイナリストを見て感じることはありますか?

MOCCHIN(D’OAM/BULLET BOYZ/FDC)君は同じ地元、天理の出身で、僕が高校生の頃から、壁に隠れて見てた憧れの存在です。今は一緒に仕事をする仲ですが、背中を借りるつもりでいつも接しています。ファイナルが決まった時は僕も喜んでいて、もし当たれば笑って踊り合える気がしますね。彼の心の色はどんな色よりもカラフルに見えます。とても素敵な方で、楽しみにしてます。また、CanDoo(SEGA SAMMY LUX/NewSchoolOrder)についても、猫対犬の対決と思ってください(笑)。僕が猫、彼が犬、あのステージでバトルできるのが楽しみですね。

最後に、ファイナルに向けての意気込みをお願いします

バトルを通して、伝えたいことは、自分の尊敬する人間にだけは、負けたくないということです。矛盾しますけど、その誰かに思い切り負ける経験もしたいと思っています。自分もこれからずっと最大限の成長と進化をしていくので、その自分を最高のセンスと努力で打ち負かしてください、高め合っていきたいという気持ちです。そのために、気持ちと体が続く限り出続けるので、4月17日は楽しい気持ちで迎えたいと思っています。

マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 FINALは2022年4月17日(日)!

ダンスバトルの他にも、豪華なゲストダンサー、ダンススタジオ/高校ダンス部/ダンス専門学校/大学生・社会人ダンスサークルによるショーケース、さらには高校ダンス部の頂点を決めるダンスコンテストなども同時開催。世界最大規模のダンスフェス「マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL」、今後も続々と更新される出演者情報をチェック!

名称:マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL
開催日:2022年4月17日(日)
会場:両国国技館(東京都墨田区横網1丁目3番28号)
開催時間:OPEN 11:00 / START 11:30
主催:株式会社アノマリー
特別協賛:株式会社マイナビ

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