響け!NO WAR〜マイナビハイダンLARGE2連覇の叡明高校、勝利の秘密をコーチが明かす!

ダンスク!より転載)

マイナビHIGH SCHOOL DANCE COMPETITION(マイナビハイダン)2022決勝大会

@両国国技館

ストリートダンスに特化した高校ダンス大会「ハイダン(HIGH SCHOOL DANCE COMPETITION)」の決勝大会が今年も開催された。

世界最大のダンスイベント「マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL」内で決勝大会が行われるので、その豪華さと本格度は高校ダンス部大会で随一。

まず結果から言うと、2名〜8名以下のSMALL部門の優勝は桜丘高校(愛知)。

そして、9名〜40名のLARGE部門は叡明高校(埼玉)が大会2連覇を達成!

少し前までは、決勝大会出場まで届かないチームだったが、コーチにストリートダンス界の実力振付師がついてから大躍進!

>>記事:叡明高校の躍進に見るダンス部大会「HIPHOPの逆襲」

昨年のハイダンで優勝、その年のダンススタジアムでは全国3位、そして今回の2連覇!

コーチで振付師のMAAさんに会う機会があったので、今年の作品の秘密を聞いてみた。

普通の人が楽しめるエンタメのHIPHOP作品を

元々は衣装のイメージがあって、イスラム系の人がああいう顔を覆うマスクのストリートファッションをしている画像を見たのがきっかけなんです

力強いヒップホップの上に、カルチャー感とトレンド、そしてファッション性をバランス良く構成するMAAさんの作品だが、今回の作品の着想が意外なところからだった。

そして全体は傭兵集団のようなイメージで、統制感とパワーで軍隊っぽいヒップホップにしようかと思って制作を進めていたら…、ロシアの侵攻が始まって“コレは誤解されてしまうぞ…”と

部全体のテンションもそれほど良くない上に、コロナ陽性者の発生による部活停止が重なり、作品作りはピンチに陥った。なんとか大会1週間前になって、急ピッチに作品を軌道修正し、部員のテンションも揃ってきたのだという。

そして、あの「NO WAR」のメッセージが、見た目や出だしからのギャップもあって会場の共感を呼んだ。

決勝はいろんなジャンルのチームがいた中で、ヒップホップのシンプルなパワー感で押していたことと、演出や構成、メッセージ性が評価されたのかもしれません。でも2連覇はたまたまです。プレッシャーもなかったし、その時のインスピレーションを大事に、多少のアクシデントも味方にしていたのが良かったのかも知れません

一見ゴリゴリのヒップホップ押しに見える叡明高校の作品だが、目指しているのはあくまでも「エンターテインメント」なのだと言う。

高校ダンス部の振り付けでは、それほどアンダーグラウンド押しはしてないです。例えば、登美丘高校のバブリーダンス。僕はあれが大好きだし、あそこを別のルートから目指したいんです。ダンスが好きな人が好きなダンスじゃなくて、普通の人がエンターテインメントとして楽しめるダンスを目指しています

たとえエンターテインメントを目指していたとしても、決して消えることのないヒップホップへの愛情とディティール。そのこだわりがサブリミナルに効いている、叡明高校のヒップホップ作品。
関東初のダンス巣スタジアム制覇を果たすのは、こんなダークホースなのかも知れない。

インタビュー&文=石原ヒサヨシ(ダンスク!)

決勝大会出場チーム

SMALL部門(2名〜8名)


大阪学院大学高等学校/LARK
ジャッジA:19
ジャッジB:22
ジャッジC:24
合計:65


大阪府立市岡高等学校/Mud Nuts
ジャッジA:15
ジャッジB:18
ジャッジC:24
合計:57


仙台城南高等学校/チーム城南
ジャッジA:21
ジャッジB:19
ジャッジC:25
合計:65


桜丘高等学校/Jack D 優勝
ジャッジA:23
ジャッジB:25
ジャッジC:27
合計:75


日本大学明誠高等学校/Elpis
ジャッジA:15
ジャッジB:18
ジャッジC:27
合計:60


大阪府立箕面高等学校/Bitter Scotch
ジャッジA:18
ジャッジB:21
ジャッジC:24
合計:63


二松學舍大学附属高等学校/Butterfly Effect
ジャッジA:22
ジャッジB:17
ジャッジC:24
合計:63

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