Choreo Cookiesの唯一の国際メンバーであり、日米エンタメ界の架け橋的存在であるEri Chikusaとは、また今後の活動予定は
世界最高峰のコンペティション、Vibe Dance CompetitionやBody Rock、Arena Dance Competitionnの優勝で”Choreo Cookies” という名を見ている人も多いのではないだろうか。圧巻のユニゾンはもちろんのこと、人も思い付かぬようなテーマ性で観客を魅せ、数々のコンペティションで優勝を飾ってきた有名チーム、Choreo Cookies には実は日本人メンバーが存在する。
Eri Chikusa、彼女はChoreo Cookiesにおいて前代未聞の初の日本人メンバーだけではなく、初のインターナショナルメンバーだ。メンバーとなる道のりはけして甘くはなかったそう。
「日本にいる時に当時のメンバーであったKeone and Mari Madridに出会い、彼らのダンスや考え方を目の当たりにした時、Cookiesに入る!という思いが芽生えました。その後彼らがメンバーから抜けるというニュースを耳にした時、日本にいたらいつまでも自分の目標は達成できない、と思い、その半年後には渡米しました。」
思い立ったらすぐ行動、というその決断が渡米後一年半で当時のディレクターCarlo Darangがらスカウトされ、3週間にわたるリハーサルトレーニングを経てChoreo Cookiesの一員という大きな目標を成し遂げるという結果につながった彼女。ダンサーとしてのスキルはもちろんのこと、彼女の惜しみない努力や行動力が認められ、2017年12月にメンバーとして加入。当時の新規メンバーは彼女を含め3人。「スカウトされるまでは、どうしたら一員になることができるか、ということで頭がいっぱいでした。けれど、自分のダンサーとしての夢はCookiesに入ることじゃなくて、一ダンサーとして地に足をつけて、ひたすら自分を磨いていくことだって気づいた時、色々なドアが自分の前に開かれました。」と語る。
メンバー加入後すぐにVibe Dance Competitionで2位入賞、シンガポールのダンスキャンプ、Summer Jamにてゲスト講師、World Of Dance Finalでの2位入賞から始まり、翌年も振付、パフォーマンスを含め、チームの優勝に貢献してきたEri Chikusa。ディレクター陣から彼女の惜しみない努力や、これまで培ってきたトレーニング実績、ユニークな世界観を買われ、これまで色々な作品に貢献、チームをリードするポジションに置かれていたそう。そこで止まらず、アメリカのカレッジをGPA 4.0という好成績で卒業した彼女は、その後数々の有名ダンサーが所属するGo 2 Talent Agencyへ所属し、有名アーティスト、Daddy Yankee ミュージックビデオに出演、また、Latin Music Awardにバックダンサーとして出演。また、ビバリーヒルズで行われたアジア人俳優、アーティストが参加する、Unforgettable Galaにて元 f(x)メンバー Amber Liu のバックダンサーを務めるなど、メディアでの仕事もこなしていく。
現在は日本に一時的に帰国し、コレオグラファー、インストラクターとして都内で活躍。5年間の渡米経験が日本で光り、ユニークな振り付けで、日本のダンスコミュニティーに新たな風を吹かせている。海外では “Choreography”というジャンルで呼ばれている彼女のスタイル。
「私のコレオが日本で見たことのない振りと生徒の子達や、他のコレオグラファーからのポジディブなフィードバックを頂けるのは、渡米の際に得た感性、今まで、ジャンルに囚われず行ってきたトレーニング、自分の英語力(歌詞を汲み取る力)、かつ、ダンス以外から得ている感覚の集合体みたいな感じだからだと思います。
自分の周りで活躍している海外の同世代のコレオグラファーは常に自分の感性に対して挑戦し続けている。他からの評価を期待するのではなく、自分が納得いくかどうか、楽しめるかどうか。そういうダンサーが周りに多かったので、自分にはその感覚が備わっています。よりオリジナリティーに、自分の感覚を体現することによって、”uniqueness”につながっているんだと思います。」
自分の世界観を持ち合わせている彼女は、ただのコレオグラファーとしてではなく、マインドセットの部分で言葉にしていき、生徒に伝えていく。日本には珍しいティーチングスタイルが、海外を夢見る次世代ダンサーや、アメリカでも彼女から学びたいダンサーが多く、今でも海外からのzoom上でのワークショップのブッキングがくるほどだそう。また、アメリカ留学を行い、WORDORU INCを介し、現地に拠点を置くHDI Collegeで新たなダンサーの教育機関でも在米講師として春学期から講師を務める予定だ。こういった教育機関の存在は大変珍しいかつ、ダンサー育成の最先端をいく中、彼女の持つ知識を習得できる場は、次世代ダンサーにとってこれからのダンス界には欠かせない経験になるのではないだろうか。HDI CollegeにはAriana Grandeのダンサーを務めるJoesar AlvaやMao Kawakamiを初め、Karon Lynn、 Kenny Wormald など、数々の在米有名ダンサーが講師を務める。
またネイティブレベルの英語を話し、海外コレオグラファー陣からの信頼も厚い彼女は、海外コレオグラファーから日本のアーティストへの橋渡し、そこからのアーティストとの仕事も尽きない。昨日ロサンゼルスで行われた World of Danceのコンペティション部門で3位入賞したジャニーズ事務所のTravis Japanを知らない人は少ないだろう。アーティストの常識も変化して行く中、Travis Japanは+81 StudioでGANMIを初めとする数々の日本人コレオグラファーとコラボレーションをしているほどだ。
今回のWorld of Danceのパフォーマンスのうちの1曲の”Party Up Like Crazy”のメインコレオグラファーは現在かの有名なダンスチーム、KinjazのリーダーであるVinh Nguyen。そこに彼女も加わり共同製作した作品だ。
【映像リンクはこちら▼】
Travis Japan I 3rd Place Team Division | Frontrow I Orange County 2022
振り落とし、通訳までこなすマルチな才能をもつ彼女は次世代のダンサーたちにこう語る。
「私、バックダンサーになりたいです、振付がしたいです、っていうダンサーは今の時代たくさんいる中で、自分がどういうスーパーパワーを持っているか、ということを理解することがとても重要だと思います。そのスーパーパワーをどう生かすか。他ダンサーと違う何かをどうプレゼンしていくか。これからはそういう部分が問われてくると思います。バックダンサーだけしかできません、っていう時代は終わったので、ダンスとプラスワンで何か持っている人が残っていくと思います。その何かを見つけることが鍵なのではないでしょうか。」
彼女は今後もアメリカを拠点に彼女自身のキャリアの幅を広げてゆき、次世代ダンサーを導いていけるようなプレイヤーでありたいと語った。現在は日本に一時帰国中だが、彼らを初めとする、有名アーティストからのオファーや、ダンサーとしてパフォーマンスはもちろん、コレオグラファー、有名スタジオ(Off StageやStudio FX)のインストラクターとしてもロサンゼルスを中心に活動予定だ。
今後も彼女の活動に我々も注目していきたい。