【Dewspeak vol.05】ヒップホップシーンに絶大な影響力を持つ関西のカリスマHONGOU(HEXBEX)
遊びから生まれるクリエイティブ
TAKUYA
今まで話してきた内容からすると木を見て森を見ずじゃないけどダンサーはダンスだけ見過ぎだと。
HONGOU
めっちゃそう思いますね。
とにかく皆遊ばないかんすね。遊び知ってる男の人って、色気やったりとかダンスに出るじゃないですか?遊び知らん男はおもしろくないってよくいわれてますもんね(笑)。
東京のヒップホップはまだ新譜系のダンサーが多いから、渋谷ハーレムとか遊びに行ってると思うんすよね。
けどこっち(大阪)はそのシーンがないんですよね、バックダンサーのシーンとかそういうのがないし、新譜のかかるクラブで踊ってるダンサーがほとんどいないんですよね。
TAKUYA
そう考えるとHONGOU的には東京はまだそういうのがあるんだ。
HONGOU
それは東京のいいとこやと思うんですよね。フロアでいい感じで踊れるんと思うんですよね。東京ダンサーは。
大阪ではいないから、その形が作れてないんですよね。
振り付けで勝負するイベントよくやってるじゃないですか?
そういうのは大阪にもあるんですよね。振り付けして、舞台に出してあげるみたいな。
そんなんに新譜使ったりしてる人もいるんすけど、リアルにクラブに行って遊びに行って乗ってるかって言えばそうじゃないんですよね。
SONNY(PRIME TIME)君とかが大阪に遊びに来た時、遊んだりするんですが、クラブでノッてるとき、何かいいなって思うんすよね。この感じ大阪にはないなぁみたいな。遊ぶことができる人がいるから東京いいなとは思うんですよね。
TAKUYA
その意見はちょっと意外で面白いね。アンダーグラウンドな新譜でもない所謂ヒットチャートのところでしょ?
HONGOU
そうです、そうです。そっちもちゃんと見てるんすよね。やっぱり。そこも居ないと。
結構ヒップホップの新譜が掛かるイベントとかは行きますね。
TAKUYA
なるほどね。それでアンダーグラウンド的な新譜も好きなんでしょ?
HONGOU
もちろん好きです。
ヒップホップって新譜が出て、どうっていう絶対あるじゃないですか?それがファッションと音楽は並行してるとおもってるんです。そこを大阪のダンサーもやれば、 もっとおしゃれな遊べるダンサーが増えるかなって思うんですけど、いかんせんバックダンサーとかそういうシーンがないから。皆無に等しくて。そこは大阪から見て、思うですね。いいなぁって、純粋に。それがかっこいいかは人それぞれやと思うんですが、そういうシーンがあるのはいいなぁって。
自分は週にちょろちょろ新譜のかかるイベントには行きますね。 GEORGEが回してるのとかぼちぼちいきますね19のときから友達なんで。
遊ぶ日が大体、決まってますね。水曜日と週末金土日ぐらいなんですよ。それ以外は、次の日早かったり、打ち合わせとかあるから、なるべく避けてるんですけど。それ以外は結構、ハシゴしまくってますね。忙しい時は勿論行かないすけどね。
TAKUYA
そんな行くんだね。
あ、この内容さ、真面目に話してるんだけど、今の時代の若い子がこれ見たらただバカな大人だなぁって思われるだけな気も(笑)。遊んでるだけじゃん、みたいな(笑)。
HONGOU
(笑)。
TAKUYA
「クラブ行かねぇとダメだよ」みたいな話もパッと聞くともういいよ感満載で(笑)、、伝えづらいね。ちょっとダサい話にも聞こえるよね(笑)。でも一周して大事だよね。
HONGOU
そうですね、言いつくされてる感はありますけどね。
TAKUYA
元々クラブって新譜かかったり、要は新しい情報があったりとか知らない人と出会える場所だったり、サロン的な要素だったりする場所じゃん。多分、定義するとしたらそういう場所で、そういうのに行くっていうのが新しい刺激があるからインプットする場所として大事なんだよっていうことなんだよね。
HONGOU
行けばだいたい、誰かの紹介があったりするじゃないですか。その時点でひとつ友達が増えるじゃないですか。まあ、お酒の席やからしょーもない話する人もいますが、それはそれで。
どんどん広げていきたいですよね。
TAKUYA
HONGOUはダンサーのイメージをストリート的には確実に上げてくれてるのかもしれないね。それはプロップスっていうものだけじゃなく。ダンサーはアンテナ高くて、それらを形にしてビジネスにも出来て、みたいな才能ある人たちっていう。俺も自分でどこかそういう意識あるもんね。俺はこういうことやってるけどダンサーだよみたいな。
HONGOU
ありますね。
ダンサー代表じゃないけど、勝手にダンサー舐めんなよみたいな。
そういう意識は確実にあります。
TAKUYA
そういう事を形にしている数少ないダンサーだよね。
変な話今の時代オリジナルのTシャツ作るなんて誰だってできるようになったじゃん。
あとはそこをどのレベルでやるか、どこで誰に見せていくか等の美意識の高さな気がする。
ダンスもイベントも服作るにしてもパッと見解かりづらい細かいディティールやブランディングまで拘ってやっているかどうか。そこにはやはり裏付けがある。言われたくないかもだけどHONGOU真面目だなって思うよ。
HONGOU
まあそうですね。勢いあれど、細かくちゃんとやってるんすかね。
あとブランドとかに関しては相方のTAKENOが俺が見えてない所とか、そういうところ結構見てくれてるんですよ。 相方とは全てが両極端なんですよね。なのでそこがすごくいい関係なんで細かいとこまでやれてんすかね。
現在のシーンについて
TAKUYA
さっきも話に出た現在のシーンの一つとしてやはりバトルはあると思うんだけど、そこについても聞いてみたいね。今のシーンやあとそもそもバトルやりたいのやりたくないのとかさ。
HONGOU
バトルってまた昔の話になるんすけど、基本、クラブでっていう感じやったじゃないですか?「あいつらあそこのクラブによう顔出してるみたいやで、ちょっと見に行こうや」みたいな。
んでバチバチするんじゃないですか。でも今ってもう用意されてるじゃないですか、場所が。で、そこでバトルするじゃないですか。クラブでバトルになってないじゃないですか。セッションじゃないですか。
なんかね。そこでバトルするんやったら、クラブでそういう、なんかこうバトルがあってどうこうって、ドラマを作っていいと思うんすよね。ドラマというか絵というか、ストーリーというか。シーンに対して自分の流れを作るというか、そういうのが全くなくて。単なる競技のバトルでしかないじゃないですか、今。
でもバトルってあそこに負けたから、じゃあ次はあいつらを負かすためにどうかしようみたいな。そんなん考えてて、次クラブに行ったりするじゃないですか。 でもそういうのも全くないじゃないですか?だから最近、クラブで若い子が踊ってたら、ちょっかい出したりとかしてたんですけど、なんか違うなぁみ たいな。シーンってこう作っていく感じがあるじゃないですか。そのバトルの空気感とか。
TAKUYA
本来はね。
HONGOU
それが一番楽しいもんじゃないですか。
TAKUYA
じゃあ今の時代の用意されたバトルには自分は乗っかりたいと思わないみたいな?まあけど多少は出てた時期もあったじゃん?
「Juste Debout」もそうだしさ。
HONGOU
正直「Juste Debout」はoSaam(sucreamgoodman)が出ようって言ってくれてたってのもあって、じゃあ出ようかなみたいな。でもあれは正月にあって、なんかその気持ちがこう。のってこないというか。やりたい人居たらでますけど。。。。。
TAKUYA
(笑)。
じゃあ今、ヨーロッパ等のそういう「Juste Debout」とかに出てるようなダンサーたちはどう映ってんの?
HONGOU
たまに見ますけど見ても凄いすね。
ヨーロッパのバトルの映像は良く目につくんですが、ヨーロッパのHIPHOPシーンに絡んだ映像などあまり目にしないのは、少し気になりますね。
絶対居ると思うし。同じ考え持った人に会いたいです。
TAKUYA
確かに。バトルってそのダンサーの事把握しやすいような、しづらいようなって俺も最近思うよね。ショーの方がセンスが見えるじゃん。
HONGOU
全然、見えますよね。
TAKUYA
なんかバトルって音源用意してくれてさ、だからある程度トラックカッコよければカッコよく見えることも多くて。本当は・・・って思う時正直あるね。勝利追求に特化し過ぎて、実は自分で選曲させて自由に時間与えてみたら、、みたいな気が。
だから勿論バトルだけではそのダンサーに対してなんとも言えないよね。
HONGOU
全く言えないですね。
TAKUYA
じゃあ今はあまり影響受けて、動き取り入れたりとかは無いんだ?
HONGOU
そうですね。国内のしかも時代問わずでだったらAMURI(BUTTER)君とか結構見てたですけどね。
TAKUYA
最高だよね。
俺も大好きなんだけど。
HONGOU
あの音にハメにいかない感じカッコいいです。
ダンサー像について
TAKUYA
今日色々話聞いてきてHONGOUって色々やっていて、その中でのダンス、理想のダンサー像ってなんなんだろうって?
今更だけどダンス一本でやっていこうみたいな時期は無かったの?
HONGOU
インストラクターはじめた時は何にも考えてなかったすね。ズーーーッとダンスの事考えてたら確かに面白くないかもですね。ダンス一本でいったら。
TAKUYA
なんで面白くないんだろう?まあ俺も同意見なんだけど。けど紐解くなら。
HONGOU
ダンス一本で、将来を考えてる人と付き合えたら良いんですけどね。。。。。
同年代の女の人で、そこ皆無に等しいと思います。
TAKUYA
(笑)。
どういうことそれ?
HONGOU
将来とか、いろんなものを見られて、大人の女性は無理な気はするんですけどね。
俺やったらくっつかないですね。
ま、全員がそうでは無いとはおもいますけどね。。。
TAKUYA
(笑)。
斬新意見!ダンス一本でも勿論しっかりやれてる人はいるとは思うけどね、たぶん。ただ相対的にダンス一本よりも色んな事に携わっていろんな経験をダンスに活かしているダンサーの方が色んな意味で可能性感じる、みたいのは現実的にあるのかもね。面白さも含めて。
HONGOU自体は色々これからもやりたいの?
HONGOU
これからも、どんどん色々したいですね。
TAKUYA
なるほどね。逆に、ダンサーも絶対に続けたいみたいなのはある?
HONGOU
ダンサーも続けますね。やっぱ自分は、服がどうとかその前に結局ダンスが一番出せる。出せるというか、俺流な部分なんかなって思うんですけどね。
今までずっとそれでやってきて、ダンスではチームで「DANCE DELIGHT」で優勝したでもいいし、チームをそこまで持っていくその流れっていうのは人生においてもたぶん一緒だと思うんですよね。
チームの気持ちをまとめたりするとか生きていく上で、仕事をする上でたぶん、それができたら、なんかこう一緒やと思うんですよね。
メッセージ
TAKUYA
最後に言い残したこととかあれば。自分的にはどうしていきたいとかさ、こういう風な風潮が広がったら面白いのにとか。
HONGOU
シーン全体に言えることは皆仲良くしすぎんでいいと思うんですよね。感覚的に。もうちょっとこう、自分らのクルーが色づいてこっちのクルーとこっちのクルーとみたいな。
TAKUYA
いい意味でやりあっていけばいい。
HONGOU
そうそう。その方が絶対カッコよくもなるし。
TAKUYA
逆にいえば、今が皆が仲良く見えるってことね?
HONGOU
クルー感みたいの何もないですね。
ダンサー増えてんのに、そんなんがないとかさみしくないですか?
TAKUYA
俺もそれは思うなー。別に排他的にしていこうって意味じゃないけど、自分たちの色は出したいとかは思うね。
HONGOU
クルーの奴らが作った曲、まあ最終的には誰でも使っていいんですけど、その俺らのクルーの作ったトラックを他のクルーがすぐ使うみたいな。すぐ!みたいな。
絵描きの人たちにしても。マナーは大事。
TAKUYA
自分たちで色出してくれよと。
HONGOU
そう。
例えばあいつらはあそこら編のアーティストばっか使うから、俺らは使わないみたいな。なんかそういう感覚があったんですよね。
俺が使ったアーティストいいなぁって思ってすぐ使うとか、別のでいったほうが渋いよ。きっと。
TAKUYA
基本的なところね。基本すぎるけど確かに今はそこから足りてないかも。
ちなみに今ヒップホップ的に言うと当たり前の話してるじゃん、今。クルーにDJがいて絵描きがいて。
けどたぶんこれがもう、現代の世間的にはよく解からない話だよね。今の若者からしたら何言ってんの?みたいな。ダンスイベントでダンスしか見ない子達からしたらね。
HONGOU
そうですね。
TAKUYA
ダンスで完結してるからクルーにトラック作る奴?絵描き?みたいな。だから色々見れて知り合える現場を大人が作ってあげることはやはり重要なのかなと思うよね。そういう意味ではHONGOUこの前もダンスの発表会とかに韻シストとか呼んだりとかさ。
HONGOU
発表会とかは一般の普通の人が来てくれてるから、一個前はMABANUA、Kan Sano呼んだんですよ。
一緒にセッションしてもらったりとか、あとは鎮座ドープネス呼んだりとか。
あとは、PUNCH&MIGHTY、シンゴ君とか
やっぱそのラインで面白い人をちゃんと呼べば、反響はめちゃくちゃあるんですよね。
もっともっと、いろんなものを見てもらいたくて。そうですね。そこにお金をかけてますね、いつも。ダンスするうえでそういうの大事だと思うんで。
TAKUYA
そうだよね。それが俺からしたら面白いし、そういうの見せてあげることで例えばその子達が大きくなって自分でイベントやるんならカッコいいDJやデザイナー、ミュージシャンの知り合いも作っておきたい!とか言うダンサーも増えていく気がするしね。
HONGOU
面白いダンサー増えてほしいです!で俺はその中でとりあえず面白い異端児でいたいですね、ずっと。なんやこの人らみたいな。
それがどうであれ、なんやこの人らみたいな感じでいいかなみたいな。
TAKUYA
そうだね。このシーンにヤバい奴増えていくようにお互い頑張ろう。
今日はじっくり話せて良かったよ。公開できない話もいっぱいあるけどね(笑)
有難う!また遊ぼうー!
TAKUYA (SYMBOL-ISM / worcle co.,ltd) 90年代初頭ストリートダンスに触れ、様々なジャンルを模索、横断する。 その後ダンスチームSYMBOL-ISMを結成。ハウスを基盤にしつつも様々なスタイル、音楽性を 反映させた独自のスタイルを形成し、DANCE DELIGHT、DANCE@LIVE、JUSTE DEBOUTをはじめとする 様々なコンテストにて優勝、入賞多数、その他様々なステージを通し強烈なインパクトを残す。 そのスタイルは彼の拠点東京・代々木に因んで「代々木系」とも呼ばれる現象を起こし、 ダンスのスタイルのみならず音楽、ファッション、ライフスタイル、様々な切り口からあらゆるヘッズに影響を与えている。 またダンスプレイヤーと並行し2004年に起業。レンタルスタジオの先駆けとなったstudio worcleをはじめイベントスペースANCE、その他音楽バーshirokumaやレコードレーベルyygrec、セレクトショップCONTE-NU、等、これまでに無かったダンスやカルチャーに直結するコンセプチュアルなスペースやビジネスアイディアを数々生み出しダンサーのライフスタイルを変革させ続けているキーパーソンとしてもシーンに大きな影響力を持つ。 TAKUYA @takuya_symbolism ANCE @yoyogi_ance shirokuma @yoyogishirokuma CONTE-NU @conte_nu |
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