【ダンサー × ミズノ社員】会社員でありながらROCK STEADY CREWとして活躍するBBOY 2ucci

STAFF
ゆるそうな名前ですね(笑)。
それはなんですか?

2ucci
そうですね。
教室をクラブみたいにして、さっき言ったように仲間にDJがいるからDJが音楽をかけて、MCがライブをやり、そこで僕も初めてのダンスのショーをやりました。
ダンスだけという切り口ではなくて、みんなでヒップホップという感覚がすごく強かったですね。
そして、そのときのサークル、今で言うサイファーで踊っていた他校のBBOYに感化されてブレイキンを始めたんです。

STAFF
素敵な学校ですね。
仲間もたくさんいて、すごくいいヒップホップとの出会いですよね。
その後は、コペルニクスというチームでも活動されてましたよね?

2ucci
そうですね。
しかし。コペルニクスって言ってもみんな分からないと思います(笑)。

STAFF
自分はすごくショーケースがかっこよかった印象があります。
あれはいつごろですか?

2ucci
2000年前後くらいですね。

STAFF
なるほど。確かに10年以上も前ですから若いダンサーで知ってる人は少ないかもしれないですね。
あのチームはどういう集まりだったんですか?

2ucci
学習院大学に進学しダンスサークルに入り、目白を拠点として活動をしていたのですが、先輩のBBOYもいなく、クルーにも属していないところで活動をしていました。
それもあってか珍しいスタイルで踊っているのもあり、色んな人から声をかけてもらったりする中でコペルニクスのメンバーと出会いました。
コペルニクスは元々、早稲田大学系列のチームで自分は元々そこにはいなかったのですが、ディライトに出るタイミングで「一緒に頑張らない?」と声をかけてくれて加わりました。

STAFF
確かディライトでもファイナリストでしたよね?

2ucci
1999年と2001年にディライトでファイナルにいきました。
ステージで踊るショーケースでは見てくれた人に何かを与えることを目指していました。
だから構成や振り付けに拘っていたブレイキンのチームで、一般の人が見ても単純に楽しめることを意識していたのが良かったのかもしれません。

STAFF
2000年くらいは、シーン的には盛り上がっていましたか?

2ucci
ダンスのシーン的には、ダンススクールやダンスコンテストが増え、コンペティションバトルイベントも少しずつ開催され始めて、シーンが盛り上がり始めた頃でした。今ほどの規模ではないですが、勢いは感じていました。
アメリカで一番初めのブームが70年代中盤からNYで始まり、80年代に入るとブームが一度去っていったんです。
その後、90年代初頭にROCK STEADY CREWが勢力的に活動を再開して再び世界中に広めていきました。その数年後なので、またブレイキンのシーンが盛り上がってきたときです。

STAFF
そこから大学を出て、プロダンサーを目指した時期もあったんですか?

プロは目指さずIT企業へ

2ucci
プロは目指さなかったです。
実は、左足が変形性股関節症といって関節の骨が変形していて、左脚が30度くらいしか開かなくて、長さも2センチくらい短くて、稼動範囲がとても狭いんです。

STAFF
今もですか?

2ucci
はい。生まれつきずっと。
ヘッドスピンをやっていた時期は無理くり足を開いてやったりしていましたが、回転している時の遠心力で引っ張られてたうちに、痛みで歩けなくなったのことが大学三年ぐらいの時にあったんです。
それでプロは身体的に向いてないなと思いました。
その影響もあってか、自分よりも体が硬いダンサーとは出会ったことがないです。

STAFF
元々ハンデを抱えていたのですね。

2ucci
いっても昔は、日本でプロのストリートダンサーというイメージもそんなになく、それに加え自分の体がうまくコントロール出来ないってなってきたら、もっと他に社会の役に立てる仕事があるんじゃないかなと思いました。
でも、ハンデという認識は当時はなかったです。自分の特徴、だから上手く活かせばいい。というヒップホップ的な考え方は、BBOYだったから自然と持っていた感じがします。

STAFF
なるほど。時代もありますよね。
それからすぐにミズノに就職されたんですか?

2ucci
いえ、最初は、日本ユニシスっていう、IT業界の会社に入ってシステムエンジニア(以下SE)として働いていました。

STAFF
また全く違う業種ですね。

2ucci
当時勢いがある業界がITでした。
元々、数学とか理系みたいなのが好きだから、ITだったらこれからの社会で何か役に立っていきそうだなと思い受けたのですが、大学は文系でパソコンは理系出身者ほど得意じゃなかったので、かなり苦労しました。

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