【ダンサー × ミズノ社員】会社員でありながらROCK STEADY CREWとして活躍するBBOY 2ucci

例えばリズムをとったらバストが揺れるから、それを繰り返すとバストの形を保つクーパー靭帯にダメージを与えることがある。
だったらスポーツブラちゃんとしましょうよだとか。
何十年たった時に、「ああしとけば良かった」ってなるのだったら、初めからちゃんと言ってあげるべきだし、「選ぶ」「選ばない」は本人次第、もしくは近くで教育している人次第で、気付きはちゃんと与えるべき。
ダンス向きのシューズって話が色々なところで出てくるけど、やっぱりダンサーはみんな好きなものを着たい、与えられたものをベースにしながら、自分なりの何かを探すっていう、それもカルチャーとしての根本がある。
そうなってくると、「これを履くといいですよ」ということもできるかもしれないですが、衣装だったりもあるので、常にそのシューズを履くとは限らない。
そんな中、衝撃も強いから膝や腰に大きな負担がかかる。捻挫も非常に多いです。
強豪の高校ダンス部などは週6日練習で、腰痛で1日接骨院みたいな女子高生もいたりするんですよね。

STAFF
そうなんですね。

2ucci
それをどう支えてあげられるか、靴が無理なら見えないところで靴下。
足裏のアーチ(土踏まず)には、衝撃吸収をしてくれる役割があるけど、疲労すると段々アーチが下がってきて、衝撃を吸収してくれなくなってしまう。
その時思いっきり衝撃吸収してくれる靴を履いてればいいけど、そうじゃない靴を履いてることが多い現状。
それに対してどうしたらいいか。アーチをグッと上げてくれる機能があるような靴下を履いていればアーチが長持ちするから、長い間練習してても足首膝腰に負担が掛かりにくいんですね。

アーチハンモック足首サポートソックス
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又、横にガッとステップを踏んだ時に、その動作に対応出来てない靴だったら、どうしても靴が横に歪みやすい。
なので、その中で靴下に滑り止めがついていれば足はズレにくくなるし、足首をサポートする機能が靴下についていれば、グッとズレた時に捻挫を抑えられるかもしれない。
それをスポーツメーカーのミズノとしての品質で実現する。もちろん耐久性もあります。

STAFF
なるほど。スポーツ的な観点が強いですね。すごく納得できます。

2ucci
もちろんお洒落なソックスもあるけど、ソックスなら陰ながら支えているっていう位置づけで衣装に影響させなく履いてもらうことも出来るはず。
なので、見える部分は全部真っ黒にしていて、あえて見えるところにはロゴも入れてないんです。

STAFF
確かにダンサーとしては衣装に影響しないって一番嬉しいかもしれないです。

2ucci
何かロゴやデザインが入ってた方が可愛い、かっこいいっていう意見もあるけど、そうしちゃうと履けない時が出てくる。体を気づかいたい時には可愛い、かっこいいではなくて、守ってくれるものが大事。
衣装的にダメ、とならないように考えたらやっぱり黒ですし、今後は色も増やしたいですが、一番初めの切り口はそっちに振りきっています。

STAFF
ダンサー向けという商品で変に派手にしすぎて、逆にダンサーに受けないというパターンはよくありますもんね。
ダンス経験者ならではの商品ですね。
衣装として格好いいから使って欲しいっていうよりは、本当に体を守るためにできてるから使ってほしいっていう感覚ですね。

2ucci
それを理解してもらうことも大切で、だから伝えていかなきゃならないし、特に環境が整っていないダンス部活で言えば顧問の先生とかコーチの人に理解してもらうことも重要です。
ただモノ作りだけで、それが一概に売れるかっていったらそうでもないので、地道にでも活動していかなきゃいけないんです。

社会人から見たダンスシーン

STAFF
ありがとうございます。
長年シーンを見ているツッチーさんから見て、ダンスシーンを見ていてどうですか?
今がよく見えるのか昔の方がよく見えるのかその辺もお聞かせ下さい。

2ucci
今も昔もいいなぁと思っています。
今は、単純に人口も増えたし、若い子も増えたし、市民権も得たし、会社にいれば、「うちの息子娘ダンスやってるんだ」という上司や、同僚がいて、良いイメージで見てくれるようなっていると思います。
昔は昔で、もっとバックグラウンドのカルチャーから様々なことを感じ、ライフスタイルに取り入れることが出来ました。
ダンスが様々なビジネスを通して社会システムの中の一つのものとして多くの人に認識されてきて、ダンスシーンが日本の社会に貢献するところまでになったんだなと思います。
さっき言ったように、バトルも昔はサイファーがメインだったけど、今は審査員がいてコンペティション形式のバトルが多い。
なので、入りやすい人たちは増えるし、それでどんどん面白くなっていって、見る人も増える。今の時代の皆がそれをやりたいと思うなら、少しずつ形を増やしながら時代に合わせて世界を広げるっていう意味ではいいことですよね。未来をつくるのがヒップホップカルチャーですから。

STAFF
良くなったように見えるってことですね。

2ucci
良くなったっていうか、違う見方が増えたというイメージですね。
同じダンスを見てても、ダンスシーンとみるか、カルチャーシーンとみるか、いい意味で見え方が違うし、得られるものも違う。
そしてどちらも、社会的な価値がある。
ただ、新しい見方が増える分、さっきのサイファーとか、元々のコミュニケーションカルチャーという本質的な良さも上手く残して伝えなきゃいけません。極端に言ったら、ただ競い合うだけのロボットみたいなダンサーばかりになってしまうのは違うと思います。
そして、まだまだ閉鎖的な感じはしていて、さっき言ったように、「ダンス流行ってるよね」「うちの息子もやってます」というようななんとなく知ってる人がダンスバトルを見たときに、どっちが勝ったのか何がすごいのかわからない部分は残っていますよね。

STAFF
そうですね。

2ucci
それが故に、まだプレーヤー中心みたいな所があって、もしかしてそこで色んな方法で分かりやすい何かを作り上げれれば、もっと広がる、そうなると見る人はもっと楽しい。社会人的にみるとそういうふうなイメージですね。

STAFF
スポーツとかビジネスの方で考えると、もっと勝敗とかわかりやすい方が応援もしやすいということでしょうね。

2ucci
スポーツ=勝敗、だけではありませんが、完全にわかりやすい勝敗システムを作ることが世界を広げる一つの方法なのかもしれない。けど、BBOYだったらヒップホップカルチャー、ワックだったらワック、ジャズだったらジャズとそれぞれのバッググラウンドカルチャーを理解していれば、もっと楽しめる人がいるかもしれないとも思うんです。
もしかしたら今の学校教育の中で、カルチャーとしてのバッググランドを教えてあげた方が、将来的には理解して見る人が増えるかもしれない。
何かを伝えたいことがあって踊ってるっていうことを知ってる人がいたら「あぁ、あの人たち伝えようとしてやってる」って視点で楽しんだり、何かを感じる人がいるだろうし。美術に似たイメージですよね。
また、舞台とかになるとステージ作品として完成されているので観やすいですしね。

STAFF
そっちの方が観やすいですよね。

2ucci
そうですね。スターみたいなBBOY、BGIRLがちょっとずつ増えてきて、世界が広がっているような感じはありつつも、若い子が何年か続けていったときに、その先どうなるか自分的には気になります。
やめてほしくないなとか、せっかくやったんだったら、そこから何を吸収していってくれるのか、そういうのを考えるとBBOYってやっぱり自分らしさとかがすごく重要だなって思っています。

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