HANAI×YAZAKI 特別対談が実現!シーンを創り上げてきた二人が語る本音

STAFF
どこまでLOCKIN’って決めるのも難しいですよね。

HANAI
そのバランスはどうでもいいと俺は思うのよ。その人が大事にしてたらいいのよ。

YAZAKI
そうそうそう。

HANAI
それはLOCKIN’じゃないんじゃない?と俺らが思ってもそれは口に出さないし、楽しみ方は人それぞれやから、それをごり押ししてもあかんやろうし、エゴぶつけたら絶対あかんと思うから、自分の中にしまっておかなあかんけど、時として文句になるわけよ(笑)。なあICHI?

通りすがりのICHI(13-BOOGIE)
はい!

一同
(爆笑)

ICHI
ルールは大事!それをうまく使ってるやつはカッコいい!

YAZAKI
うん、かっこよければ俺はいいと思う。それだけじゃダメなのかもしれないけど(笑)。

HANAI
海外でも説明するのは、トランプ、持ち札の中で何持ってるわからない中でどれを切るかわからないってセンスやん、そこにUNO持ってこられても(笑)。平凡なの切るの?切るの?ってフェイクがあってそのカード持ってたんや!って切り方やん。LOCKIN’もPOPPIN’もそれが大事で、うわーって動いても極上のスクービードゥー見せられたらうわー!ってなるのよね。OLD SCHOOLってファンデーションとかベーシックって言われてるものが絶対必殺技になるのよね。

YAZAKI
そう!そうなのよ!それを今年東京のDELIGHT予選ですごく感じた。ダンス全般で、みんな変化球を無理に行こうとしてるのを感じてしまって、それでいいの?って。一緒にジャッジしてたMIZUEちゃんに聞いちゃったもん。関東ってこれが正解なの?みんなこんな感じなの?って言ったら違うと言われて。クリエイトする人たちもいていいと思うんだけど、ベーシックで踊れることのカッコよさというか、唸らせる程のカッコよさを見せることも必要なんじゃないかなと思ったんだよね。

HANAI
絶対そう。ロックとかオールドスクールについてはディティールのこだわりが少ないかなって気はするし、やっぱり難しいこと、テクニカルなことに走ってる。それがうまいってことにつながるんだけど、構築したものを分解したときに一個一個のパーツ達のディティールがよくないから、構成されたテクニックもよくないように見えちゃう。もちろん俺らがこだわってることだから全員にしろとは思わないし、自分たちの生徒や弟子とかにはこうしろとは言うけど、ジャッジも全員がそうしろってわけじゃないからね。

YAZAKI
十人十色でいいんだよね(笑)。

A-POPダンサーは輝いて見える。


STAFF
逆に最近のダンスシーンで注目していることはありますか?

YAZAKI
控室で話してたんだけど、エーバーサスやあきばっか〜のという(A-POPと呼ばれる)イベント。俺があきばっか〜のをジャッジして思ったのは、俺らが知ってる昔のダンスシーンがアニソンのダンス文化にはあって。

HANAI
音楽一個一個に反応して、下手くそでもいいからはずかしくない、って感じでがむしゃらに踊ってて。

ICHI
そんで音楽めっちゃ好きなんですよ、皆さん。

YAZAKI
そう、それが、ダンサーじゃない人たち。一般の人たちが音楽ありきで沸いてることがすごいよくて。

HANAI
それが、やっぱりかっこよく見えるのよね。輝いて見える。下手くそなんだけど、うわー!ってやってるのがかっこいいのよ。テクニックは練習したらなんとでもなるから練習しろ、って言えるけど、カッコよさは人となりだから、練習してもなんともならない、いろんな人と出会って背負っていくものだから。アニソンシーンは俺らよりは人と接してないと思うんだけど、そんなんどーでもいい、自分をうわー!ってやりながら人とコミュニケーション取ってるのがすごい。

YAZAKI
そう、ピュア!本当にいい意味で!これは初心に返るなー!と思った。

HANAI
あの子らがリアルなシーンのイベントに来た時に、静かですね、って言ってた。

YAZAKI
ショーケースだったりバトルもそうだけど、(お客さんが)変な意味でみんな審査員になってる。

HANAI
それはあるね。YAZAKI君も思ってることあるしみんな思ってることあると思うけど、どこにぶつけても変わらないのもわかってるんだよね。

YAZAKI
10年前にこうなるとは思ってなかったよね。アニソンもそうだけど。良くも悪くも今の中で着地点を見つけるしかないよね。

HANAI
アニソンはもう、予想外だったね(笑)。自分の中でイベントが静かな理由は、親御さんの盛り上がり方やねん。年代的には俺らと変わらへんで(笑)。キッズイベントが増えて、俺も教えてる子らも出てるから見に行ったりするけど、楽しみ方、イベントのスタンスが違くて。実際キッズのコンテストで「美術館来てるんですか?」って言ったことがある。静かなところで踊っても面白くないと思うのよ。子どもたちも面白いとは言うけど、うわーってなってるところで踊ったことがない、比較対象がないから面白さがわからないと思うのよ。海外とかいった子は、海外盛り上がるから、日本でどうやって踊ったらいいかわからないっていうのよ。心躍ってないのに踊ってる感じがするから、逆に盛り上がってる中では、思ってた通りに踊れなくても心が躍ってるわけよ。

STAFF
昔のイベントではヤジが飛んでたイメージありますね。

一同
あったね(爆笑)。

HANAI
ヤジはあったね(笑)。最近はシビアになりすぎて、負けに直結しそうでヤジできなくなった雰囲気はあるかもね。シビアでもちろんいいんだけど。

YAZAKI
この先の10年後も、どうなってるかわからないよね。

HANAI
だから好きなことやってる。イベント行ったり出たり。YAZAKI君も出てるやん。俺らもう年齢的にベテラン層でも上のほうやけど、出ることをやめたら感じなくなってくる。ただのイベンターになってしまうから、正解がわからなくなってしまう。そんなに頻繁には出られないけどバトルも出るしコンテストも出て、感じたことを反映させながらイベントするのよ。それが俺は正解だと思ってるし、俺の中でベストだと思ってるし、絶対楽しいと思ってるし、共感してくれる人が集まってくれたらいいと思ってるから。

STAFF
今日のイベントもショーケース後のDJタイム、出演者も含め最後まで残ってましたもんね。

YAZAKI
2人で久々にこういう光景を見たなって喜んでたよ。

HANAI
あれは…褒めたるわ(笑)。

一同
(爆笑)

HANAI
嘘々、上から目線は嘘やけど、ホント感心した。あれが理想やで。DJ入って音楽大きい音で出してくれてる環境で踊るのって気持ちいいもんね。ああいうの見てたら嬉しいよ。今日はちょっと嬉しかったね。

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