「重要なのは、ダンスの本質を活かすこと」KATSU1 & Hamdi スペシャル対談 後編

ストリートダンスをキーワードに活動するダンスカンパニー/ダンサーのアジア域内での交流と共同制作を支援するプロジェクト「ダンス・ダンス・アジア~クロッシング・ザ・ムーヴメンツ~」通称DDA
3月24、25日には東京公演が行われ、いよいよの開催となる。

今回Dewsでは、同団体のWEBサイトにて行われている企画「TALK LIKE DANCING! ―オドルヲカタル!―」と連動し、豪華ダンサーのインタビュー記事の一部掲載がスタート。

第3回は特別編として、ダンス・ダンス・アジア東京公演で演出・振付を務めるハムディ・ファバス氏とブレイクダンスのスペシャリストで、ワールドワイドに活動するダンサーKATSU1氏が対談形式で語り合う。

後編では、ストリートキッズ支援へのKATSU1氏の思いや、人との出会い、
新たな層にアピールすることがシーンに与える影響について熱のこもったトークが展開。
さらに2人の視点から見たダンス・ダンス・アジアというプロジェクトへの感想を語り合ってもらった。

——対談の前編では、KATSU1さんが会社を立ち上げた背景や、ユースオリンピックについての考えを話していただきました。それらの活動を通じてシーンを盛り上げていこうとするモチベーションは、どこにあるのでしょうか。——

KATSU1
いいシーンを作りたいと思うのは、自分が年齢を重ねてからも、そこにいたいから(笑)。そして、フィリピンやベトナムのストリートキッズを支援するプロジェクトに参加して思ったのは、彼らはよくも悪くも今いる世界しか知らないということでした。それがスタンダードだと思って生活しているわけですよね(編注・KATSU1氏のフィリピンでの、ダンスを通じたストリートキッズ支援「カパヤパンブロジェクト」の様子は、以下の動画でも紹介されている。

だから、日本と比べて勝手にかわいそうだと思っていたけれども、もしかすると僕たちよりも心の面では豊かなのかもしれない。だから「助けてあげよう」という上から目線ではなく、一緒に楽しむために支援をする、というふうに考えています。

 フィリピンでは、実際にストリートキッズとガチのバトルをしたんです。そのバトルの後で彼とハグしたら知らぬ間に涙があふれてきて……。10歳の少年だったんですけど、そこで彼の10年間と僕の36年間が繋がるような感覚がありました。
 普段、10歳の子供とケンカすることなんてないじゃないですか(笑)。年齢も性別も肌の色も、踊っている瞬間にはまったく関係ない。ダンスは改めてすごいと思いました。だから支援プロジェクトを続ける理由も、ダンスが好きなのはもちろんですが、そこを通じて人と出会えるからなんですよね。

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