バレエ『海賊』を動画で解説!あらすじやストーリーも

数あるバレエ作品の中の1つ『海賊(かいぞく)』についてご紹介します! 1856年パリで初演された『海賊』にはどのような歴史があるのでしょうか? あらすじやストーリーからどんなダンスなのかを動画を交えて紹介いたします。

数あるバレエ作品の1つ『海賊(かいぞく)』を知っていますか?
バレエ経験者でも、大まかなストーリーやバリエーションは知っていても、元となる話や時代背景についてまでは理解していない方も多いのではないかと思います。

そこで今回は『海賊』のストーリーや歴史を詳しくご紹介します。
ストーリーや時代背景を理解して踊ることで、自身の持つ表現力に磨きをかけましょう!

バレエ作品『海賊』とは?

『海賊』は、1856年にパリで初演されたバレエ作品です。オリジナルの振り付けは『パキータ』の脚本で知られるジョセフ・マジリエですが、近年における舞台では1899年にマリウス・プティパにより振り付けられた改訂版をベースとすることが多くなっています。

海賊は、ギリシア独立戦争に参加したイギリスの詩人ジョージ・ゴードン・バイロンによるベストセラー長編物語詩が原作となっています。長編物語詩である「海賊」は、驚くことに発売初日で1万部を売り上げたという人気ぶりだったのだとか。

ストーリー

【第1幕】
地中海のイオニア海では、コンラッドと忠臣のアリ、コンラッドの友人のビルバンドの計3人の海賊たちを乗せた船が嵐で難破。そこへ娘メドゥーラが通りかかり、友人のギュリナーラと一緒に海賊たちを救い出します。メドゥーラとコンラッドは、一瞬にして恋に落ちました。

そこへ乱入したトルコ軍。メドゥーラとギュリナーラは捕えられ、奴隷商人のランケデムに引き渡されてしまいます。そこで、コンラッドたち3人は娘たちを救うことに。

奴隷市場に連れて行かれたメドゥーラとギュリナーラ。まず美しいギュリナーラが買われることになり、次にメドゥーラが買われようとした時に商人に変装したコンラッドたちが現れます。しかし、正体に気付かれてしまったコンラッドたちは、メドゥーラと奴隷商人を連れて逃げることに。

【第2幕】
海賊の洞窟。奴隷商人のランケデムは、コンラッドのやり方に不満を抱えていたコンラッドの忠臣アリと友人のビルバンドに、コンラッドへの反乱を持ちかけます。それに乗ったアリたちは、睡眠薬が染み込んだ花束でコンラッドを眠らせ、その隙にメドゥーラは連れ去られてしまいます…。

【第3幕】
ギュリナーラを買ったトルコ総督の屋敷。そこへランケデムがメドゥーラを連れて現れ、メドゥーラを気に入ったトルコ総督は買い取ることに決めました。うたた寝をしたトルコ総督は、着飾った娘たちが花園で踊っている夢を見ます。

眠りから覚めたトルコ総督。そこへコンラッドとアリが現れ、奴隷商人をこらしめた後にメドゥーラとギュリナーラを助けます。コンラッドたちは、2人の美女とともに海再び海に漕ぎ出していきました。

『海賊』の歴史

1856年にパリで初めて上演された海賊の歴史を紐解くカギは、音楽にあります。この作品の音楽は、上演毎に作曲・アレンジされるという少々複雑な経緯を辿っているため、1から順に説明していきたいと思います。

海賊のオリジナル音楽は『ジゼル』のバレエ音楽を手掛けたことで知られるアドルフ・アダンが担当しました。その後、上演を手掛けた際にチェーザレ・プーニが数曲を新たに作曲し、既存の音楽にも手を加えました。そして1867年にパリで再演された際には、レオ・ドリーブが3幕に「花の踊り」とヴァリアシオンの曲を書き下ろします。1868年にプティパが再演した際にはドリーブの音楽も取り入れられ、1899年にはリッカルド・ドリゴ、レオン・ミンクスの曲が加えられました。その後、アントワーヌ・シモン、オルデンブルク公爵などの曲が加わって、現在の『海賊』が完成したのです。

こうして幾度も最高の作品に仕上げるための挑戦を重ねた結果、世界中に愛されるバレエ作品である海賊が誕生したのですね!

『海賊』を動画でご紹介!

こんなにカッコイイ海賊なら、誰だって恋に落ちてしまいますよね。バレエ作品は、ドラマや映画を観るだけでは感じることのできない、あたかも自分が経験したような感覚を与えます。

熊川哲也さんの海賊

熊川哲也さんの海賊は、力強く、絶対にブレないところが素敵!熊川さんみたいに踊りたいとバレエを始める男子も、少なくはないでしょう。

まとめ

バレエ作品の『海賊』についてご紹介しました。いかがでしたか?

海賊は、分かりやすいストーリーと衣装やセットの豪華さ、ダンサーのキャラクターなどが、バレエに興味のない人にも届きやすい作品ではないかと思います。キャッチーな踊りをするためには、日々のレッスンで基礎を固める必要があるでしょう。

海賊に出演する際は、自分が出演する場面だけではなく、作品全体の流れを頭に入れておきましょう!

関連記事