「ドン・キホーテ」をバレエ経験者が解説!あらすじやストーリーも
バレエの『ドン・キホーテ』は少々滑稽な物語が、美しいバレエと相まってクスッ楽しませてくれる作品です。 今回は、『ドン・キホーテ』のあらすじやストーリーをバレエ経験者が解説いたします。
バレエ作品『ドン・キホーテ』とは?
スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスの小説が原作となっている『ドン・キホーテ』。17世紀初頭には、滑稽本として高い評価を受けたドン・キホーテを真似した人々がお祭りで笑いをとったという記録まで残っているのだとか。
そんなドン・キホーテ、実はクラシックバレエでは主役ではありません。ドン・キホーテはあくまでも脇役であり、物語はバジルとキトリの恋物語として進んでいきます。
ストーリーを教えて!
プロローグ
騎士物語を読みふけるドン・キホーテは、次第に現実と空想の区別がつかなくなってしまいました。そして、騎士物語に出てきたドルシネア姫に会うために旅に出ることに…。
【第1幕】
スペインの市場。床屋の息子バジルと宿屋の娘キトリの2人は恋人同士。しかし、キトリの父親はキトリをお金持ちのガマーシュと結婚させたいと考えており、バジルとキトリの結婚を許してはくれません。
そこへドン・キホーテが現れます。ドン・キホーテは、キトリをドルシネア姫だと思い込んでしまいます…。
【第2幕】
駆け落ちしたバジルとキトリ。ドン・キホーテもキトリを追いかけてやってきました。そこで行われていた人形劇と読みふけっていた騎士物語が混ざり、混乱したドン・キホーテは意識を失います。
舞台は再び居酒屋。どうしても結婚を認めてくれないキトリの父親に対し、バジルは自殺する振りをして父親を騙すことに。その結果、キトリの父親は2人の結婚を認めてくれたのでした。
【第3幕】
キトリとバジルの盛大な結婚式。ドン・キホーテはというと、再びドルシネア姫を探して旅に出るのでありました…。
どんな歴史があるの?
ドン・キホーテの音楽は、ロシアで活躍した作曲家レオン・ミンクスによって作曲されました。振り付けは、マリウス・プティパです。
ドン・キホーテは、前編が1605年に出版され、1615年には後編が出版されました。
『ドン・キホーテ』を動画でご紹介!
新国立劇場バレエ団のこの動画は、たった3分でドン・キホーテの内容が分かるというものです。滑稽な場面がうまく散りばめられており、バレエを知らない方でも楽しめる動画になっています。
日本を代表するバレエダンサー熊川哲也さん演じるドン・キホーテは、エネルギーに溢れています。確かな技術と豊かな表現力は、観る者の心を一瞬にして掴んでしまうほど。
まとめ
バレエ作品『ドン・キホーテ』をご紹介しましたがいかがでしょうか?
言葉のないバレエ作品は、内容やストーリーが分かりにくいと敬遠しがち。しかし実際は、バレエに興味のない方にも分かりやすく作られているため、下調べなしの状態で観劇しに行ったとしても楽しめると思います。
そんなバレエ作品の中でも、特にドン・キホーテは滑稽にも思える内容と登場人物の個性、美しいバレエが織りなす躍動感溢れる作品です。
あなたもドン・キホーテと一緒に、現実と空想の境を楽しんでみませんか?