踊りだけじゃない!ストーリーも楽しめるバレエ映画9選

美しくて歴史の長いバレエは、これまでに様々な映画の題材となり人気作品を生み出してきました。 今回はバレエ未経験者でもきっと楽しめる至極のバレエ映画9選ご紹介します。

何故、人は、バレエに魅了されてしまうのでしょうか。
バレエを少しでも経験したことがある人は、バレエが美しいだけではないことを知っています。その美を得る為には、肉体的にも精神的にも、辛さや苦しみを味わう必要があるのです。
辛く苦しい思いをしても、その美を手に入れられないこともあります。
それでも人は、バレエを求め続けてしまいます。ここでは、人がバレエに魅了されてしまう理由がわかる映画を、厳選してご紹介します。
もちろん、バレエシーンをたっぷり堪能できるものを選んでいます。

バレエ経験者が選ぶオススメのバレエ映画

ブラック・スワン

内気で目立たないバレリーナが大役に抜擢され、その重圧から心のバランスを崩してしまう様子を描いたサイコスリラー。
ダンスシーンはもちろんのこと、観た後に色々と考えさせられる心理描写は見るものを魅了します。
内気なバレリーナはナタリー・ポートマンが演じており、素晴らしい演技が賞賛されています。

Maiko ふたたびの白鳥 (2016年公開)

30代以上の女性が直面する問題は、バレエダンサーにも降りかかります。そんな当たり前のことを美しい映像とともに痛感させてくれます。15歳でたった1人でノルウェーに渡り、ノルウェー国立バレエのプリシンパルとなった西野麻衣子のドキュメンタリー。ノルウェーで作られたからか、ドキュメンタリーとは思えない美しく冷ややかな映像と、詩的なカットが散りばめられています。生きること、踊り続けることの厳しさと美しさを、突きつけられる作品です。

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣(2017年公開)

苦悩する必要を全く感じないセルゲイ・ポルーニンが、踊るということに魅せられたせいで悩み続ける姿が、描かれています。たった19歳で、英国ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリシンパルとなったポルーニンは、たった2年で英国ロイヤルバレエ団を退団してしまいます。彼にとって踊るとはどういうことなのか。美しすぎて言葉を失うポルーニンの映像とともに、彼の家族や彼自身の言葉から、バレエやダンスというものの真髄に、触れられる作品です。

バレエ・カンパニー(2004年公開)

これは、バレエ・カンパニーであるジョフリー・バレエ・オブ・シカゴのダンサーたちの、日常が描かれた作品です。身体が資本であるバレエを職業とすることの厳しさや、プライベートを犠牲にしてでも踊り続ける辛さがとてもリアルに描かれています。そして、そんな現実的な有り様を一瞬にして忘れさせるバレエシーンは圧巻で、心うたれない人はいないでしょう。

ファーストポジション(2012年公開)

コンクールなどで上位に入賞する10代のバレエダンサーたちが、大人びている理由のよく分かる作品です。彼らは、もう既に、バレエという芸術に身を捧げる覚悟をしているのです。沢山の子どもたちが登場し、彼らには「何故バレエをするの?」という難しい質問が投げかけられます。でも、誰1人として、言葉を濁す者はいません。彼らの答えこそが、バレエというものの魅力を物語るものです。インスタグラムなどでも話題となったミコ・フォーガティも登場します。

センター・ステージ(2000年公開)

この作品は、夢を追うことを前向きに捉えた青春映画です。でも、それだけではありません。バレエリーナ体型を維持するために食事制限をすること、アンディオールがなかなか出来ないこと、バレエ以外のものに興味を持ってしまうこと…バレエダンサーにならなかったバレエ経験者が、あるある!と思ってしまう登場人物たちの苦悩が、この作品に厚みをもたらしています。そして何と言ってもAmerican Ballet Theatreのイーサン・スティーフェルのバレエシーンの美しさ!他の登場人物のバレエシーンにはあまり感動できませんが、彼のバレエが全てを帳消しにしてくれます。

オーロラ(2006年公開)

禁止されても、踊ることと愛することはやめられない…と教えてくれるファンタジー作品です。ファンタジー作品とはいえ、パリオペラ座のバレエダンサーたちがたくさん出演しているので、バレエシーンは本格的に美しく見応えがあります。踊ることを禁じられた国の王女オーロラは、踊ることを愛し、彼女を描いた画家を愛してしまいます。禁じられたものを全て破ろうとするオーロラの姿に勇気をもらう人も多いようです。

ポリーナ、私を踊る(2016年公開)

クラシックバレエを踊るということ、コンテンポラリーを踊るということについて考えさせられる作品です。クラシックバレエを極めてしまった人が、その先の、その次の段階の表現として、コンテンポラリーを選択するのかもしれません。「私を踊る」ことの難しさが、フランス映画らしい暗くてオシャレな映像とともに表現されています。ダンスシーンは間違いなく美しく、主人公の感情とリンクしているのも、この作品の魅力です。

Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち(2012年公開)

踊るということが、恐ろしくなってしまうかもしれない作品です。踊ることは、魂を捧げ、命を削ること。だから美しいのだと、ピナ・バウシュは、言葉を使わずに教えてくれます。クラシックバレエを見慣れている人には、衝撃的かもしれないダンスシーンが満載ですが、衝撃を受けつつも、きっと、目を離せなくなるはず。

まとめ

バレエ映画には、バレエの華やかで美しい側面を押し出すものと、その華やかさを生み出す苦悩を描くものがあります。今回は、苦悩を描いたものを多くご紹介しましたが、苦悩の先の美しさに心を揺さぶられる経験ができる作品ばかりです。是非、お気に入りを見つけて下さい。また、バレエ以外のダンス映画の記事を載せておきますので、そちらも是非ご覧下さい。

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