迫る!DANCE DANCE ASIA 2019!リハーサルに潜入。KATSUYA、FISHBOYの舞台にかける想いとは。

イラスト:大暮維人

7/12(金)・13(土)・14(日)の3日間、東京芸術劇場シアターウエストで行われる「DANCE DANCE ASIA―Crossing the Movements 東京公演2019(以下DDA)」。今年で5年目を迎える本イベントは、ASIAから集まった48人の気鋭のダンサー・クリエイターたちによる豪華な舞台作品が5つ用意されている。育った国も文化も違うダンサー各々が熱意やアイデアを出し合い刺激しあってできた作品は、通常のストリートダンスのセオリーに捉われない作品ばかりだ。東南アジアとの文化・スポーツ交流や日本語普及事業を手がける国際交流基金アジアセンターが、東京ゲゲゲイやs**t kingzなどの才能をいち早く発掘・サポートし、舞台を提供してきたPARCOと共に贈る、ストリートダンス・舞台・世界を紡ぐ注目のイベントだ。
 Dewsでは特別にDDAの舞台稽古、リハーサルに潜入。それぞれ舞台製作にて重要な役割を果たすKATSUYA(The Floorriorz)、FISHBOY(Crazy Rollers)にインタビューをすることができた。イベント詳細は記事の最後にあるのでぜひ会場に足を運んでほしい。


B-BOYの表現の幅を広げる可能性を追究する3TとKATSUYAの挑戦

STAFF
  ベトナムのB-BOY、3Tが若手B-BOY達とのコラボで贈るメッセージ性の強い作品を見せていただきました。このB-BOYたちじゃないとできないスキルや世界観とメッセージ性にかなりワクワクしました。今回KATSUYAさんが振付・演出補佐として参加することになった経緯や手応えを教えてください。

KATSUYA
 DDAのプロデューサーから、3Tが振付、演出の補佐としてKATSUYAにぜひ参加してほしいと言っているけどどうする?とお話をいただきました。ありがたい提案で、タイミング的にも創る側に挑戦してみたいと思っていた時期でした。自分にできるかなという葛藤もありましたが、やってみないとわからないし、向いてないということがわかったらそれはそれで勉強だな、という意識でのチャレンジです。そしてDDAにはスタートから全て 何年 も関わらせていただいていて、縁を感じているし、協力できることがあれば、と思い提案を受けました。
今はやっと全景が見えて、ここからかなと思っています。95%くらいができていて、これから照明なども含めてどうやったらB-BOY一人一人の「個」を表現できるだろうか、そしてみんなが一緒に踊るときにどうしたら混ざり合うか、もっと色々できそうだなと思っています。

STAFF
 3Tの振り付けには自身の葛藤や社会批評的なメッセージも感じました。KATSUYAさんが作品を通じて伝えたい想いがあればお願いします。

KATSUYA
 まずダンサーには、B-BOYが作り上げている舞台作品に対して、B-BOYの表現の幅や可能性を感じてほしいです。考え方とか、(スタイルは)こうじゃなきゃいけない、というのも美学として大事ですけど、(B-BOYというスタンスの)許容範囲というか、『器』を広げられるような可能性を感じてほしいです。一般の人には単純にB-BOYのスキルとかパワーを感じてほしいですね。作品のメッセージ性については各々感じ取って帰ってもらえればと思っています。

 DDAは他の演目も含めて、まず日本では中々見られないメンバーが集結していると思いますし、年に一度しかない機会ですからいろんな人たちに見てほしいです。それにダンスを通じて、初めて会う人も含め他の国の人たちと交流ができるって素晴らしいことです。Nikiiチームともダンスから入ってダンスじゃない部分でコミュニケーションをしていて、人間的にも糧になる経験ができる場所です。子供たちが公演を見て、自分たちもこの舞台に立てればそんないい経験ができるかも、と思えるような舞台をつくっています。3日間お時間の合うときにぜひ観にきてくだい。

この舞台のためにアジア各国から集まり約6週間の練習を経たというリハーサルだったが、3Tは当日までにより多くの人に伝わる工夫をしたい、とまだまだ舞台を進化させる様子だ。そしてタイのNikiiとコンドルズのスズキ拓朗が演出する作品のリハーサルにも潜入、こちらも小道具を使ったクリエイティブな作品だが、それ以上にダンサー達のキャラクターや才能を見事に増幅させる舞台だった。

そして同日、今回Crazy Rollersとして振付・演出を行うFISHBOYが、舞台稽古後にインタビューに応じてくれた。ダンサーとしてだけでなく、RADIOFISHでの活動や舞台のプロデュース、歌作りまでこなしているというFISHBOY。そのセンスをDDAの舞台にどう還元していくのか話を伺った。

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