日本が世界に誇るヒップホップのパイオニア・DJ KRUSHを紹介

世界的にも有名なヒップホップのパイオニアDJ KRUSHを紹介いたします。プロフィール、経歴、近年リリースされたアルバム4作品など、幅広く紹介いたします。

DJ KRUSHの近年の作品を紹介

9thアルバム『Butterfly Effect』


2015年10月30日リリース。2004年の8thアルバム『寂 -jaku-』から約11年の静寂を打ち破った一作で、ファン待望の一枚となったのが『Butterfly Effect』。アルバムのゲストには新垣隆、Free the Robots、Divine Styler、Crosby Bolani、Yasmine Hamdan、tha BOSS(THA BLUE HERB)らのアーティストが参加しています。

この「Butterfly Effect」という言葉は、 “非常に小さな事象が因果関係の末に大きな結果につながるという考え方を意味する“言葉であり、このアルバムには、

ほんのちょっとしたきっかけで、その先の道がガラリと変わる事があるじゃないですか。3.11の事もそうだし、自分がDJを始めて人生が変わった事もそう。結局いつ何が起こるかわからない中で僕たちは生きているっていう事を冷静に考えられる年齢になったんですよね。本当に何が起こるか解らない中、未来に向かって「今、何をしたらいいんだい?」っていう事が大元のテーマになっていると思います。HMV&BOOKS online:【インタビュー】 DJ KRUSH 『Butterfly Effect』

と、根底にあるテーマを本人も語っておられます。

10thアルバム『軌跡』


2017年6月7日リリース。ソロ活動25周年という節目にリリースされたアルバムで、「キャリア初のラップ・アルバム」という内容となっており、全曲においてラッパーがフィーチャーされた話題の一作。
参加アーティストには、

5lack 、Meiso、R-指定、志人、チプルソ、RINO LATINA II、OMSB、呂布カルマ

といった日本を代表するラッパー達が勢ぞろいしています。

「軌跡」というタイトルは、参加ラッパー達へ投げかけたアルバムのテーマワードであるとされていて、

「僕は80年代、90年代をリアルに生きた人間なんで、デジタルっぽくないブレイクビーツ主体の荒い音をぶつけたかった。各々がイメージの湧くオケを作れてるかってことと、そこにDJ KRUSHって個性を入れることにはいままでにない難しさとプレッシャーを感じたけど、俺が描く世界にみんな対峙して、寄り添ってくれたかな」。Mikiki:DJ KRUSH『軌跡』 たった一人で世界へ飛び出して25年、現役のレジェンドが初の日本語ラップ・アルバムに挑んだ理由とは?

とインタビューでは語られていて、DJ KRUSH × ラッパーの化学反応が堪能できる一枚となっています。また、本作のInstrumental版もリリースされているので、是非チェックしておきたいところです。

11thアルバム『Cosmic Yard』


2018年03月21日リリース。タイトルの如く「宇宙」をテーマに、前作とは打って変わりDJ KRUSHの神髄ともいえる完全インスト盤となっている一作です。アルバムには、

・尺八演奏家・森田柊山
・ギタリスト・渥美幸裕
・トランペッター・近藤等則

らが参加しており、これらの参加ゲストに関しては、

「やりたい人に声をかけて。他にも何人かいたんだけど、スケジュールが合わなかったり。あと、海外行けば行くほど、やればやるほど結局日本人だな!みたいなところがあって、それを自然に出すことが別に恥ずかしくなくなったので今回は宇宙がテーマというのはありつつも、和の視点からというのもありかなと。そしたら、以前もいっしょにやらせていただいた尺八の森田柊山先生、近藤等則さんに共感する部分があって。近藤さんは、一人で山のてっぺんで吹いたり、地球を相手に吹いているんですよね。地球を共振させて何が得られるかって。世界中でそれやっているんですよ。尺八も色々考えたんですよね。尺八でJAZZが吹けたりとか臨機応変な方たちもいるんですが、でも今回はそうじゃなくて揺るがない音が欲しかったので、森田先生に頼みました」encore:DJ KRUSH『COSMIC YARD』インタビュー(前編)――自分が通ってきたストリートの質感を

と語られています。

最新アルバム『TRICKSTER』


2020年3月18日リリース。前作から約2年ぶりとなった今作は、2019年に12か月連続でデジタルリリースされた12曲のリマスターバージョンと、新曲である「Hidden Shadow」と「Signs of Recovery」の全14トラックの構成からなる一作です。

このアルバムタイトルについては、

この世に混乱と破壊を引き起こすと同時に、しばしば混乱のなかから未知の文化要素を生み出し、破壊の後に再び新しい秩序をもたらすという文化英雄的役割も果たしている。TRICKSTERは、神と人間、天と地、秩序と混沌、自然と文化の間を行き来し、その境界で活躍する両義的存在である。

という説明がなされていて、これらの両義(2つの解釈)をビートで描くという革新的なアルバムとなっています。

おわりに

DJ KRUSHについてお送りしました。新型コロナウイルスの影響により多くの困難があらゆる人に降りかかっていて、そんななかDJ KRUSH氏もメッセージをポストしています。

一刻も早い収束を願うばかりです。

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