みんなにバレエを届ける!創立50周年の「東京シティバレエ団」とは?
コロナ禍において、多くのバレエ団が公演を中止発表し、「バレエは芸術は不要不急の長物でしかないのか」と怒りや悲しみをあらわにする人々が多い中、東京シティバレエ団は「みんなにバレエを」の精神を抱き続けたまま粛々と発信し続けています。どんなバレエ団なのかこの記事を機にぜひ興味を持ってください!
長い歴史を持つ東京シティバレエ団は何と、もうすぐ創立50周年!
1912年にはじまった日本のバレエ教育は、戦争により一時中断されてしまうのですが、終戦後またその勢いを取り戻します。
そして、そのころに結成されたのが東京シティバレエ団なのです。
こちらではその長い歴史の中で脈々と受け継がれてきた「Ballet for Everyone」の精神とともにこのバレエ団がどのように活躍してきたのか、そして今はどのような活動を行っているのか?をお伝えしてまいります。
東京シティバレエ団とは?
日本初の合議制バレエ団として設立されたこちらのバレエ団は、その名の通り、複数の人の合議によって事を決定しながら運営されてきたバレエ団です。
有馬五郎、石田種生、内田道生、橋本洋、野口辰雄の五人が、古典バレエと創作バレエを両輪に110を超える上演作品と自主公演に学校公演、海外公演、オペラ助演などの1500以上のステージ数で日本中にバレエを普及してきました。
1994年、日本で初めて、バレエ団として東京都江東区(自治体)と芸術提携を結び、ティアラこうとう(江東公会堂)での定期公演の他、区内外学校等での公演や同じ芸術提携団体の東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団との教育プログラム、地域の商店と協働した『まち・くるみフェスティバル』等にも力を入れています。
2011年には若手作家の育成と新たな観客との交流のために『シティ・バレエ・サロン』という活動も開始しています。
東京シティバレエ団の歴史
1968年:6月3日に有馬五郎、石田種生、内田道生、橋本洋、野口辰雄が発起人となり設立
1969年:11月に第一回自主公演『ジゼル』これが初公演となり、この後毎年自主公演を行う
1973年:イタリアの歌劇団にバレエで参加団。「ノルマ」「トゥーランドット」「リゴレット」などを踊る
1974年:6月に日韓親善公演「眠れる森の美女」を行う
1976年:第1回アジア芸術祭(香港市政庁主催)<バレエ・コンサート>「おしどり」「お夏・清十郎」
「白鳥䛾湖(第2幕)」に出演
1977年 :第2回アジア芸術祭(香港市政庁主催)「白鳥䛾湖(全幕)」「オフ・バロック」「綾䛾鼓」
「オーロラ䛾結婚」に出演
1981年:都民芸術フェスティバルに参加/台北市芸術祭(台北市政府主催)にも参加
都民芸術フェスティバルにはこの後毎年参加
この頃、のちの代表作ともなる落語との異色タッグ「鶴の池」と「白鳥の湖」も上演するようになります。
1987年 :第16回自主公演「石井清子舞踊生活50周年記念公演」/東京芸大創立100周年記念事業オペラ公演「オルフェオとエウリディーチェ」に参加
1994年:日本のバレエ団として初めて自治体と芸術提携を締結
2009年:一般財団法人化
2014年:「東京シティ・バレエ団全国バレエコンペティション」開催 以降毎年開催されている
2016年:7月に公益財団法人化
東京シティ・バレエ団出身の有名バレリーナ
橘るみさん
レッスン着でもわかる華やかさを持つ橘るみさんは、今や指導者としても評価の高いバレエダンサー。細くしなやかな手足と、小さすぎるお顔はまさにバレリーナで、華奢なのにエネルギッシュなのも魅力的ですね。
1997年に牧阿佐美バレヱ団へ入団後、現役プリンシパルとして活躍しながら2003年文化庁新進芸術家国内研修員を経て、橘るみバレエスクールを開校された彼女は、「踊ること」「伝えること」はの情熱がとても強い女性。2007年には日本初のスクール専属オーケストラである橘るみフィルハーモニックオーケストラを結成し、同じ年に東京シティ・バレエ団のプリンシパルとなられました。
志賀育恵さん
伸びやかなジャンプが美しい志賀育恵さんは1998年に東京シティバレエ団に入団されたプリンシパル。国立オーストラリアバレエ団などでの研修経験なども経てダイナミックで美しいバレエが魅力です。
東京シティバレエ団の魅力
1、コールドの実力
東京シティバレエ団の魅力は、なんといってもコールドの美しく整ったさま!しかも一人一人の実力がかなりあるダンサーたちがコールドとして大勢で踊るので、その迫力と美しさは圧巻のもの。
リハーサル映像をみるだけでもワクワクしますね!
2、多くの人にバレエを届けようという理念
バレエが身近に感じられるような経験を届けてくれるなんて、本当に素敵なバレエ団ですね!
まとめ
東京シティバレエ団は、コロナ禍においても「Ballet for Everyone」の精神を曲げずSNSなどでレッスン映像やダンサー同士の対談を発信し続けていらっしゃいます。常に魅力的で、伝統を守りながらも進化を続けていくその姿は、今こそ多くの人の心に勇気の火をともしてくれるのです。