基礎練・ジャンル練・応用練・振り付け練〜ダンス部の練習「4STEP」
振り付け練
「揃える」ことと「感じること」のバランス
ほとんどのダンス部で、基礎練のあと練習の最後に行なわれるのが振り付け練習。ダンサーにとって一番楽しい時間であり、大会やイベント前は、基礎練の時間を短縮して行なう場合も多い。
内容は、振付師による「振りうつし」から始まり、細かい「チェック」、各メンバーの「揃え」、そして最後の「踊り込み」へと進んでいくことが通常だろう。
「振りうつし」では、まず8カウントごとに行ない、途中から曲を入れていく形だろうが、動きを擬音で表わしたり、曲のメロディや主音を歌って動きを伝えていく方法も考えたい(海外の振り付け師はこの方法が多い)。
「チェック」「揃え」ではより細かい動きや揃いを確認していく。少人数に分けたり、一人一人をチェックしたり、実物や映像を見ながら繰り返す。ここでは基本スキルが足りないと感じるならば、もう一度基礎練に立ち返っても良いだろう。
大人数での群舞を特徴とするダンス部は時に、「揃える」ことに意識を向けすぎる場合もある。そこで逆に疎かにされるのが、個々のグルーヴや音感、表現などの観点だ。プロのダンスチームを見るとわかるが、(基本スキルがある中で)音への感じ方や感情が共有されていれば多少のズレは気にならないもの。チームとしての「揃え」と個々の「感じ方」のバランスを取りながら、踊り込みを進めていくのが理想だ。
作品制作としては、最後に衣装やメイクをしての練習をして完成させるだろうが、 ほとんどのダンス部作品に足りないのが「仕上げ」の段階であり、成績を残していく ダンス部はこの意識が高い。一度できたものを見直す・疑う・再構築する勇気や執念が最高の作品を生み出すのだ。事実、何度 も日本一に輝いている同志社香里高校は、大会前日ギリギリまで作品を見直し、修正し、仕上げていくのだという。
最後に大事にすべきは振り付け師の苦労でも、それまでの練習量でもない。一番大事なのは、曲であ り作品。最後の最後まで、無私無偏、神は細部に宿る——そことしっかり向き合えたダンスであるかを真摯に見るべきなのだ。
▲大会直前、会場での最終チェックに余念がない同志社香里高校。
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以上『ダンスク!』35号より転載(文:ダンスク!石原ヒサヨシ)