2021年関東ダンス部躍進の秘密#1 〜 マイナビハイダン関東予選に見る代表ダンス部とその特徴

ダンスク!より転載/文:石原ヒサヨシ

2021年は関東のダンス部が活躍した年だった。
DCCでの山村国際の完璧な演舞、ダンスタなどで台頭してきた叡明高校や日体大桜華、そして千葉敬愛や狛江、百合丘などの古豪も地力の強さを見せた。

これまで、ダンス力や表現力の面で強い関西勢に押されてきた傾向があったが、ここに来て全国上位に関東勢が食い込んでくる状況。

本当に関東のダンス部は強くなったのか——?

その秘密を探るために、11月13日に江戸川区総合文化センターで行なわれた「マイナビハイダン EAST vol.2」を覗いてみた。

当日の結果はコチラ

出場チームは、先に挙げた強豪校・新鋭校がズラリ。

まずは、その特徴をまとめてみよう。

群馬県立安中総合学園高等学校

ジャズからクランプまで多様なジャンルを踊る群馬の強豪チーム。コンセプトやストーリーも明確で印象に残る作品も多いが、年によってややクオリティにバラつきがある。学校は群馬の郊外にあり、情熱的な顧問の指導のもと専用のダンス練習場で気合の入った練習を続けている。

専修大学附属高等学校(東京)

徹底してハウスにこだわる、全国でも珍しいダンス部。ハウスはコンセプトや衣装などの演出面では勝負しにくいジャンルのため、ストリートダンスらしいグルーヴとフレーバーを追求する姿勢が清々しい。玄人好みの王道スタイルだ。

埼玉県立杉戸高等学校

スタイリッシュにフロウする新旧織り交ぜたHIPHOPスタイルに、顧問の得意ジャンルであるPOPがアクセントに入る。毎年平均的に良いパフォーマンスを続けているだけに、もう一つ実績や武器を確立すれば、1段階ステイタスを上げていく可能性も充分にある。

二松學舍大学附属高等学校(東京)

関東では異色のPOPを主武器にしたチーム。毎年、個性的なメンバーが揃っており、個の力の集合体としてのチーム感がストリートっぽい。ストリートダンサーである顧問の指導のもと毎年のバージョンアップが楽しみなチームだ。

さいたま市立大宮北高等学校

大阪や名古屋と同じように、大宮や川崎には伝統的にHIPHOPチームが多い。HIPHOPの音楽シーンが根付いているからだろう。古くからダンス部シーンで活躍する大宮北は、力強いアタックとグルーヴをベースにしたダンス力が伝統の1つだ。

日本体育大学桜華高等学校(東京)

3年前からダンスパフォーマンス専攻が創設され、専門コーチが授業から徹底的に部員を鍛える。振り付けやコンセプトも面白い作品があるが、基本はダンス勝負。シンプルな動きだからこそ、強いフィジカルが映える。体力も技術のうちなのだと実感する。

千葉敬愛高等学校

R&Bやソウルのスタイルをベースに、ワックと円形フォーメーションでアクセントを加える作風が定着している。部員による振り付けが伝統で、部は関東に珍しい体育会系気質。ある意味で関西のダンス部的な雰囲気がある。

山村国際高等学校(埼玉)

高い技術に加え、関東らしい華やかさとバランスの良さが、一級のエンターテインメントを作っている。ダンス技術、女性らしさ、規律とチームワークなどの面で関東ダンス部の規範と言える存在だ。

叡明高等学校(埼玉)

ストリートシーンで実績のある振り付け師によって生まれ変わり、2021年はいきなり日本一に手が届くまでの飛躍を見せた。特筆すべきはバランスの良さ。ダンス、曲、衣装、カルチャー感すべてが水準以上のレベルで揃い、ストリートダンスらしさに加え高い大衆性を持っている。

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ここに挙げた他にも、特徴的な関東のダンス部を列記していこう。

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