“元ダンス部”のダンス部顧問〜二松學舍・京都文教・初芝立命館・関西大倉
初芝立命館高校 / 小坂谷ゆき乃先生
「ダンス部で学んだことを恩返ししていきたい」
ダンススタジアムは今年で16回目となるが、当然その出場経験のある高校生が、ダンス部顧問となるケースも出てきている。一昨年のダンススタジアムSMALL CLASSの覇者である初芝立命館の顧問・小坂谷先生は、樟蔭高校のメンバーとしてダンスタ出場経験を持つ。
「それまで創作ダンスの大会に出ていた樟蔭が初めてダンスタに出た7年前の部員でした。ダンス部の作品を創作する経験もそですが、学校の身体表現コースでもたくさんのことを学びました。何かを表現することや、人と何かを作り上げること、自分の役割以外も意識してチームとして動くこと…、生きていく中での〝可動域〞が広がったような気がします」
大学卒業後は、募集のあった初芝立命館大学高校の体育教諭に。日本一になった翌年にダンス部の顧問としての重責を担うことになる。
「私が学んだことをどこかで恩返ししたいなと思っていました。ダンスを通じて、人が何を求めているか?ということを学んできたので、それは大会で審査員の評価を得ることと同じだと思っています」
生徒と歳が近いせいもあって、より身近に寄り添える存在である小坂谷先生。
「あまり先生だと思われてないかもしれないですけど(笑)、壁もなく風通しよく話も聞けて、生徒と同じ目線で一緒に頑張っていこうという関係性は、私が元ダンス部員だからこそだと思います」
生徒と顧問、一丸となって挑む今年の大会でも、初芝立命館のフレッシュなパワーから目が離せない。
▲部のムードの良さが伝わってくる初芝立命館の練習レポート動画。
関西大倉高校 / 木下ひなた先生
「仲間が愛おしくて一番の宝物だと思える部活に」
昨年のダンススタジアムBIG CLASS2度目の出場での準優勝という快挙を成し遂げた関西大倉高校。その立役者は、顧問就任2年目、元帝塚山学院ダンス部出身の木下先生だ。
「私が帝塚山の時にはダンススタジアムは出ていなくて、バブリーダンスが話題になっている時期でした。その後、出場するようになって優勝した時は嬉しかったですね」
3歳からバレエを始め、高校時代は「口で言うより行動で示す」タイプの熱血部長。その後、筑波大学へ推薦入学し、ダンス技術だけでなく体の仕組みについて、そしてさまざまな芸術作品に触れていく。
「私はダンスというより表現世界みたいな芸術に惹かれていました。大学でも、新しい表現を作ることを追求していましたし、いざ私が振り付けしてもやはりそういう作品になりますね」
その関西大倉の準優勝作品はまさに圧巻だった。独創的な振り付けと選曲、抽象的な表現による多層的な世界観。ダンス部大会を新しい地平へ誘うものでありながら、同時にアンチテーゼのような存在感を放っていた。
「終わってすぐに拍手が出ない作品。見ている人に余韻が残るような、問いかけるような作品が私は好きなんです」
木下先生が就任する前の関西大倉はいわゆる普通のダンス部だった。それを短期間で、しかも1日1時間という練習時間で指導し、基礎力の向上ともにチームの活気も急上昇。作品の力と成功体験が、生徒のやる気と自主性をグンと引き出し、今年は本気で日本一を獲りにいくという。
「顧問に就任した当時、もっとみんなで何かを作り上げる喜びを味わって欲しかった。だから最初は厳しくしました。そして引退する時には、仲間が愛おしくて一番の宝物だと思える部活にしてほしいですね」
ダンス部界の若いチカラ、木下先生と関西大倉は猛スピードで今日も進化を続けている。
※関西大倉高校の練習レポート動画は近日公開!
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