第一生命 D.LEAGUE 23-24 ROUND.1開幕!

Valuence INFINITIESによるアブストラクトなHIPHOPに合わせた粘り腰の振り付け、それぞれの武器であるソロと、足腰のフィジカルの強さがないとできない動きが多用されている。SEIYAのソロから、RYOGAが螺旋状にメンバーの背中を蹴り上げ、メンバーの背中でフリーズを決めた瞬間、会場が爆発的に湧き上がった。

ブレイキンをメインとしてきたダンサーが多くいる中、対戦相手を意識しボディコントロールで攻める場面を構成に入れたのもニクい演出だ。新メンバーが加入することで更にスキルの融合によりどんな新しいスタイルが出てくるのかに注目だ。

対するCyberAgent Legitは「MORE THAN DIAMOND」をテーマに、ミラーボール(ダイヤモンド)を持ち上げハートに埋め込むモーションからダンスが始まる。楽曲としては一つ一つの音が際立つシンプルなダブステップから、明るいファンクに転調させる展開。動画をコマ送りで見て調整したという精密なユニゾン力と、一つひとつ音のテクスチャ(質感)を変幻自在に扱い、対戦相手に対抗するようなブレイキンの振り付けも取り入れた。

昨シーズンからスキルシェアを行い、今シーズンは全員がブレイキンにも挑戦しているというCyberAgent Legit。「ロッキンのベーシックは極めると必殺技となる」という言葉通り、enaのソロのパワーロッキンから全員でのポイントが決まった瞬間、まさにスキルシェアの成果を感じ鳥肌が立ってしまった。

また、元DリーガーのKEINがValuence INFINITIESに、そして1chが2年ぶりにホームチームであるCyberAgent Legitに復帰した。移籍も含め、契約を満期終了した実力のあるDリーガーがをまたこのステージに立つこと、さまざまな化学反応が起きることへの期待とワクワクは止められない。

ミュージアムVSミュージカル、嬉しくも辛いドローという結果。

2nd MATCHはBenefit one MONOLIZ VS LIFULL ALT-RHYTHM。ともに空間づくりや小道具の使い方など作品性の高いステージングに長けたチームだ。今シーズンどのチームも大幅にメンバーを増やしている。ダンスの価値が社会的に認められ、D .LEAGUEへの予算がふえ、より良いショーを作るための環境が整ってきたように感じる。

アメリカから帰ってきたNonoka Sudoが新リーダーとなり新メンバーが6人加入した新生Benefit one MONOLIZ。ウェディングドレスで登場し、ベールを脱ぎ真紅の手袋を身につけた衣装。世界観の完成度が高まるだけでなく、アームをくっきりと強調させるこだわりは流石だ。

ストリングヒットの印象的な音楽に合わせ、タットをベースにした腕の振り付けから始まる。リフトやアクロバット、小道具を使った立体感のある演出も流石だがそれ以上に照明へのこだわりと、ベースとなる人体の曲線美、シルエットの出し方が見事。昨シーズンで掲げた美術館というコンセプトは消えておらず、総合芸術と呼べるような感動を味わうことができた。

LIFULL ALT-RHYTHMは社会課題を根底に敷いた作品を作ってきた。今シーズンもその方針に揺らぎはないようだ。
雨の中、目の前を通過した車によってずぶ濡れになったことから始まるストーリー。スタチューイングやパペットスタイルなど大道芸でも見られる表現やコミカルな振付をどんどん取り入れている。

ゴミ箱やバッグから人が出てくる大道具の使い方、ミュージカル仕立ての振り付け、アクロバットなど、チームの強みを出し惜しみせずはっきした上、SPダンサー松井英理による脚の高い綺麗な連続ターン、そして超柔軟リフトは息を呑むクオリティであった。

どちらが勝っても不思議ではない名勝負、結果としては3-3のドローとなった。両チームを応援しているファンにとっては喜ばしいが、ドローの場合CSP(チャンピオンシップへ進むためのポイント)が1ポイントとなり、勝利した場合の3ポイントに対し3分の1となる。今回はオーディエンス票をBenefit one MONOLIZが獲ったが、3-2でジャッジが別れた時、改めてファンの応援、オーディエンス一票の重みを再確認する結果となった。

コンテンツ、アーティスト、そして新たなテクノロジーとのコラボ

今シーズンでは、パートナー企業も益々パワーアップし、D.LEAGUEの可能性はどこまでも広がっていく。何よりパートナー企業とのコラボレーションにも注目することで、次世代のスタンダードが見えてくるかもしれない。

SoftBankとのコラボレーションとして、ピクセルアートになったDリーガーのNFTが販売される。NFTは暗号通貨の技術を使った唯一無二のデジタルデータだ。デジタルマーケットで交換はできるものの、自分だけが所有できるコレクターグッズとなる。応援グッズとしてだけでなく、将来的にDリーガーの人気が高まればコレクターアイテムとしての価値も高まるかもしれない。

また、他にも人気コンテンツ「デジモン」とコラボし、会場にはブイモンが登場。アニメの主題歌の振付をKENSEIが担当した。世界的にも人気な日本のアニメコンテンツとコラボすることで、D.LEAGUEから生まれたダンスを世界中の人が踊る日が来るかもしれない。

ハーフタイムショーでは今シーズンのアンバサダーを務めるFANTASTICSと韓国のグループEPEXのコラボが実現。人気のアーティストたちが会場内外から応援を寄せ、エンターテイメントの垣根を超え、開幕の日を祝う祝祭空間ができていた。今シーズンの更なる仕掛けに期待したい。

ROUND.1の様子は日本有数の動画配信プラットフォームにて生配信されたほか、今シーズンからYouTubeをはじめとした各種SNSでも配信される。見逃し配信を行う動画配信プラットフォームもあるため、改めて開幕戦の見どころやD.LEAGUEの魅力について再発見してほしい。

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