第一生命 D.LEAGUE 23-24 ROUND.4!Legitが開幕4連勝の快進撃。KDが2度目のスウィープで追随!今シーズン初勝利と共にMVDを手にしたのはTAKI

KD今シーズン2度目のスウィープ勝利。隠されていた伏線とは?

ROUND.4はValuence INFINITIESによる「破壊」をテーマに掲げたショーで開幕したが、どのチームもまさに定石を破壊するようなショーの連続であった。2nd Match、FULLCAST RAISERZ VS KADOKAWA DREAMSはまさにそれを象徴する対戦カードとなる。

RAISERZは今回「脳内」をテーマにした精神世界を表現した。ネオンカラーのグローブやシルバーの衣装だけでなく、メイクも顔だけでなく舌まで塗るといったこだわりだ。

想像力を掻き立てる世界観、音の響きやフローを身体で表現していくアプローチとコンビネーションなど、コンテンポラリー性の高さを感じた。一見大人しく見えても、感情の内なる爆発や筋肉を活かした場面も見てとれ、腕組みで足場を作る技や綺麗なアクロバットも見事に成功させていた。

対 RAISERZ にあたりKDが用意したのは作品の完成度だけではなかった。赤い帽子をかぶりメイクをし入場曲はクリスマスバージョンで登場。昨シーズンのROUND.4もRAISERZとの対戦であり、昨年と同じ登場を用意することで因縁を感じさせる演出だ。

ROUND.1でKDは作品を急遽変更したと語っていたが、今回その時の作品を起用したという。元々男女ミックスで作られた筋力の必要なダンスを、女性ダンサーのみで再構成した方が面白いというディレクターの意向で作り変え、男性的なパワーを武器とするRAISERZとの対戦に当てたという采配だ。

逆再生で歩くシーンから小道具である木の板にぶら下がりヒットを入れていく斬新なプロローグ。昨シーズンのチャンピオンシップで披露した作品「SPACE TRAVELERS」を越えるべく用意された楽曲「WORLD TRAVEL」に合わせ、自分たちが弱点と考えている小道具を使った作品作りに挑戦したという。

KDらしいスロー・ファストからカポエイラやアフリカン、パワームーブが並び、照明と音楽が転換と共にKISAが板にぶら下がり持ち上げられる「木登り」のシーンで会場は大いに湧き上がる。エレクトロに合わせたアクロバットルーティーン、指揮によるボディコントロール、クランプのような振り付けと、最後まで見所のフルコースだ。

昨シーズンやROUND.1をはじめ、多くの出来事を伏線として回収し、エンターテイメントに昇華したKDの総合力によるスウィープ勝利となったのではないだろうか。

新境地に立つ力、苦難を物語にする力?

4th Matchにて、SEGA SAMMY LUX が dip BATTLESとの対戦で勝利し、今シーズン初の勝利を収めた。新境地と言える作品を見せてきLUXだが、自分たちの得意としている古いNYのHIPHOPと、クラシックをモチーフにした楽曲、ダンスを掛け合わせることで、原点回帰できた結果が出たのではないかと語る。勝利の瞬間、メンバーは肩を抱き合い涙を流した。

どのチームもプロとして常に新境地を開拓しながらも、自分たちの良さを最大限活かす作品づくりが必要だ。avex ROYALBRATS は今回NY在住のダンサーKenichi Kasamatsu氏の振付での勝負に臨んだ。

KOSÉ 8ROCKSはSPIRITというテーマで、アフリカンやカポエイラを取り込んだ作品を作った。カポエイラはHIPHOPという言葉が生まれる前の、奴隷船に乗せられた人々から生まれたダンスでありアーツだ。そんなルーツから音楽とダンスによる「自由への意志」を表現したのではないだろうか。

dip BATTLESはまだ今シーズン勝利を収めておらず、この苦難をどう乗り切るのかに注目が集まる。また、Benefit one MONOLIZ VS Medical Concierge I’moonの対戦では、 I’moonがSP DANCERにディレクターのMIZUEが登場するも、結果はDRAW。I’moonは2試合連続の DRAWとなった。

どのチームも1勝に賭ける想いは強い。作品のジャンルや密度、コンディションやストーリー、対戦相手の分析と対策、ジャッジの観点など、どこかでピタッとピースがハマるいわゆる「神回」が現れ、一気に流れが変わる。勝敗をはじめとした苦難はその伏線でしかないはずだ。どのラウンドで何が伏線となるのか、そのドラマを是非見つけて発信してほしい。

そして最後にD.LEAGUE 24-25シーズンに向け、新規参画チーム企業の募集が発表された。D .LEAGUEから大きな伏線がここに用意された。

注目の集まるダンス業界において、プロモーションだけでなく、テクノロジー開発の分野までコラボレーションが進み、新境地が開拓されている。オーナー企業、そして協賛企業としてどんな企業が名乗りを上げるのか、続報を待ちたい。

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