第一生命 D.LEAGUE 23-24 ROUND.7!Valuence INFINITIESがサイファーラウンド優勝!RAISERZが3位に躍進!MVDはKILLA TWIGGZに!

I’moonはSPダンサーにMIKUMIKUを、ALT-RHYTHMはSPダンサーにRYO-TAを迎え、同じWAACKを主軸にしたジャンルにも関わらず印象の全く違うパフォーマンスを披露した。特にRYO-TAは情熱が暴走したような表現のゾーンに入っており、会場を震撼させ、Taich&YU-KIの幼馴染で構成された相性抜群火力抜群の8ROCKSと、負けず劣らずの同率一位となった。

期待に応え、期待を裏切り、ひっくり返す

今シーズンはパフォーマンスの持ち時間はカウント制から1分という時間制に変更され、より自由なアプローチが可能となった。
一方で13チーム13分の長丁場となり、山場の作り方によっては、オーディエンスが退屈や疲労を感じてしまうリスクもある。

試合後のインタビューで「長丁場、どうしたら退屈せずにお客さんに楽しんでもらえるかを考え抜いた」とMAKOが語った通り、爆発的に会場を沸かせたのは4th CYPHER「TRIO」でのValuence INFINITIESだ。

昨シーズンのTRIOでもINFINITIESは勝利しており、最後にMAKOを抱き抱えて終わるという斬新なパフォーマンスで会場を沸かせた。そして今シーズンはMAKO以外のメンバーを入れ替え若手のRYOGAとNAOKIを起用した。MAKOを二人が抱き抱え、昨シーズンのコンセプトを匂わせながらの入場に会場の期待値は高まる。

パフォーマンスでは、MAKOが二人へ飛び込み昨シーズン同様にキャッチされるかと思いきや盛大なドロップ。そしてそれぞれの強烈なキャラクターを活かしたルーティーン、ソロではエアーから滑らかにコンビネーションに繋ぎ、疾走感のあるダンスをキープ。最後は3人で足を掴んでドロップダウンするという技を見せ会場を大いに沸かせ続け、見事2年連続のTRIOでの勝利を手にした。

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ラウンド最高得点56pt、CanDooの運すらも引き寄せる力。

HIPHOPのバトルは、暴力が当たり前の世界を前提に、「アート」で争うことで血を流さずお互いを認め合うという文化、歴史を作り上げてきた。多くのチームが文化としてのHIPHOPをコアに持ち、その成り立ちを踏まえてあえてアティチュード(態度)を悪役のように演じることもある。

3rd CYPHERのKILLA TWIGGZとYOUTEE、5th CYPHERのAITOなど、バトルスイッチを入れることで普段と違う性格が現れ、ステージ全体の熱が一段上がっているのに気づいただろうか。そしてそのアティチュードに対し、握手をしてバトルを始めたピースフルなアティチュードの地獄が拍手を送っている。

相手を馬鹿にするような振る舞いが苦手な人もいるかもしれないが、Dリーガー同氏は、あえてアティチュードをわかりやすくすることでステージ全体の感情のボルテージを高め、いつもより高い自分やダンスが出てくることを知っている。また、その駆け引き自体がダンスに引用され、盛り上がりにつながることも理解している。

特に5th CYPHERでは圧倒的なスキルや実績を持つダンサーが並び、様々な部分でそうしたアティチュードが見られた。

AITOがステージ上のダンサーに殴りかかり、JUMPEIの首に切りつけ、KTRの顔を隠したパフォーマンスをオマージュし、挑発を続ける。次に続くYukicheruが手で追い払いながら登場することで、登場から輝きが増幅されたように感じた。そうして視線に関するジェスチャーでenaをステージに引き込むことにより、その輝きはリレーしていく。

そうしてラストを飾ったCanDooまでリレーされた熱は、彼の卓越したバトル経験により一気に爆発する。CanDooスタイル全開で踊りきり、ラウンド最高得点を叩き出した。CanDooが何をオマージュし、どんなアティチュードで踊り切ったのか、ぜひ考察して欲しいところだ。

SD .LEAGUEも始動し、全国の隠れた逸材が集い、D.LEAGUEと交錯する。次なる触発の連鎖が起きる準備も整った。ラウンドを重ねるごとに楽しむ視点をファンたちがどんどん発掘し増やしてくれれば、Dリーガーたちも目の肥えたファン向けの複雑な作品づくりにも挑戦できる。

後半戦が始まり、サイファーラウンドで見せたスキルや進化がショーにどう活かされていくのか、楽しみに待っていて欲しい。

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