【基礎知識】結局サイファーってなに?どういうもの?セッションとの違いも

ヒップホップ、ストリートダンスの核心、サイファーの魅力と文化的背景を解析。アーティストたちの即興の競演と、その歴史的重要性を深掘りします。

ヒップホップやストリートダンスにおいて、アーティストたちが自己表現の場として集まる「サイファー」。輪になったアーティストたちが中央で一人ずつ、即興で自分の才能を披露する伝統的カルチャーです。

ラッパーはその場で思いついたラップを、ダンサーは感じたその瞬間の動きを見せることで、互いの技術や感情を競い合います。

本記事では、このサイファーの文化的背景、魅力、そしてセッションとの違いなどについて深掘りしていきます。サイファーがどのようにしてダンスやヒップホップ文化において重要な要素となったのか、その歴史とともに探求していきましょう。

  1. ストリートカルチャーでよく聞く”サイファー”とは?セッションとの意味の違い
    1. サイファーって何?
    2. セッションって何?
    3. サイファーとセッションの違いは?
  2. サイファーの由来や歴史
  3. サイファーの面白さはどんなところ?どういうところを見るべき?
  4. オーバーグラウンドでも認知されてきているサイファーコンテンツ!
    1. 【サイファー】Rofuがラップ Zeebraがビート披露 KEN THE 390 / Rude-α / FORK (ICE BAHN)【session ③/3】
    2. #11 (D.U.N.K.) SOTA&RIEHATAコラボトーク&サイファー DAY2
    3. 【Dリーグ】D.LEAGUE CYPHER Vol.3
  5. ストリートシーンのサイファーもご紹介
    1. Hiphop JAPAN ALLSTARS at SHIROFES 2021 //Cypher Session │ SHIROFES.2021 │ FEworks
    2. Break Free 2013 Cypher battle: Sweet Tech, Flipside, Boogie Brats vs Jungle Bros, HZK, Sole Power
    3. Wu Tang Clan Street Cypher
  6. まとめ

ストリートカルチャーでよく聞く”サイファー”とは?セッションとの意味の違い

ストリートカルチャー、特にヒップホップでは、「サイファー」と「セッション」という言葉がよく出てきます。二つは、アーティストたちが集まって、自分たちの才能を見せ合う場ですが、ちょっとした違いがあります。

また、「サークル」や「回す」といった、似た意味で使われる言葉もあります。

サイファーって何?

サイファーは、アーティストたちが輪になって、中央で一人ずつ自分の才能を披露する場です。即興で行われることが多く、ラッパーならその場で思いついたラップを、ダンサーならその瞬間の感じた動きを見せます。

セッションって何?

セッションは、サイファーよりも少し緩い感じで、新しいことを試したり、技術を磨いたりする場です。目的は人それぞれで、練習だったり、ただ楽しむためだったりします。

サイファーとセッションの違いは?

サイファーとセッションの違いは、その「目的」にあります。サイファーは、即興で互いの才能を見せ合い、引き立て合うことにフォーカスされたもの。一方、セッションは「引き立て合う」という意味において似ていますが、新しいことを試したり、技術を練習したりなど、もう少し広い幅で使われる言葉です。

どちらも、ストリートカルチャーで重要な役割を果たしており、アーティストたちが自分の才能を磨き、他の人たちと共有する場を提供しています。

サイファーの由来や歴史

「サイファー」という言葉は、1960年代中期のニューヨークのハーレムで形成された、イスラムの影響を受けた黒人民族主義運動である「Five-Percent Nation(ファイブ・パーセント・ネーション)」に由来を持っているとされています。

サイファーは、「教えが広められる人々の輪」を指す言葉として使用され、アーティストが自己表現の場を持ち、才能を披露する機会を与える場として発展してきました。

また、サークル文化(サイファーやセッションなども含む)は、ヒップホップ起源の一つ「ブロックパーティ(屋外で行われた音楽とダンスの集会)」や、アフリカの伝統的な参加型ダンスや音楽が影響しているとも言われています。

サイファーの面白さはどんなところ?どういうところを見るべき?

ヒップホップやダンスのサイファーは、即興的なセッションを通して生まれる一体感や、参加者それぞれの個性が光る表現の場として、独特の魅力があります。以下に見どころをまとめてみました。

一体感と高揚感が生まれる

音楽と動きが織りなすグルーヴに乗せ、参加者たちが互いに刺激し合いながら表現していく様子は、言葉で言い表せないほどの高揚感を与えてくれます。

個性と創造性のぶつかり合いがエネルギッシュ

サイファーでは、決まった振り付けやテーマがない中で、それぞれが独自のスタイルで表現するので、個性と創造性が爆発します。実際の現場では、そのエネルギーは凄まじいものがあります!

コミュニティとしての側面もある

サイファーは、スキルを競う場だけでなく、仲間と繋がり、交流する場としても重要です。互いを尊重し、鼓舞し合うことで、ヒップホップやダンスコミュニティの絆が深まります。

オーバーグラウンドでも認知されてきているサイファーコンテンツ!

【サイファー】Rofuがラップ Zeebraがビート披露 KEN THE 390 / Rude-α / FORK (ICE BAHN)【session ③/3】

アーティストたちの才能を開放する音楽チャンネル「OPEN MIC by JIM BEAM」による、ラッパーたちのサイファーです。ヒューマンビートボックスのアジア王者であるRofuのビートに乗せ、MCたちの型にハマらないマイクリレーが堪能できます。

#11 (D.U.N.K.) SOTA&RIEHATAコラボトーク&サイファー DAY2

ラッパーのSKY-HI ✕ 日本テレビが手掛ける大型プロジェクト「D.U.N.K. -DANCE UNIVERSE NEVER KILLED-」のサイファー。

BE:FIRST、Travis Japan、MAZZEL、THE JET BOY BANGERZ、RIEHATAさんやRhtのメンバーなどなど、今最前線で活躍するボーイズグループのダンサーが一堂に会し、熱いサイファーを繰り広げます。

このプロジェクトD.U.N.K.では、他にもLDH vs BMSGのダンスバトルなどもあり、アイドルの概念を大きく覆すようなダンスコンテンツがみられるのも特徴です。

【Dリーグ】D.LEAGUE CYPHER Vol.3

ダンスのプロリーグ「Dリーグ」の選手たちによるサイファー「D.LEAGUE CYPHER」。こちらはメジャーダンスシーンの最前線で奮闘しているプロフェッショナルダンサーたちのサイファーなので、スキル・パッションともに最高峰のぶつかり合いがみられます!

ストリートシーンのサイファーもご紹介

Hiphop JAPAN ALLSTARS at SHIROFES 2021 //Cypher Session │ SHIROFES.2021 │ FEworks

日本最大級のダンスイベントSHIROFESでの一幕。ダンスバトルシーンのトップランカーたちのサイファーです。

Break Free 2013 Cypher battle: Sweet Tech, Flipside, Boogie Brats vs Jungle Bros, HZK, Sole Power

DJ TIMEなどで行われるサイファーは、このくらい密集した空間で見せ合う事もよくあります。この空気感だけでストリートの熱量が伝わりますね!

Wu Tang Clan Street Cypher

USのレジェンド的ヒップホップクルー、Wu Tang Clanのストリートサイファー。元々、ヒップホップのサイファーは動画のように、街角でゲリラ的にフリースタイルが行われていました。

まとめ

以上、サイファーの基礎知識やセッションとの違いについてご紹介しました。

「サイファー」は即興での才能の披露・ぶつけ合い、「セッション」は技術の練習や共有に焦点を当てているとご説明させていただきましたが、境界線が曖昧な点も合わせてご承知おきいただければと思います。

また、どちらもストリートカルチャーにおいてアーティストたちが互いに刺激を受け成長するための大切な場です。この記事が、それぞれの特徴や意義を理解する手助けになれば幸いです。

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