第一生命 D.LEAGUE 23-24 ROUND.13!!CyberAgent Legitがレギュラーシーズン2連覇確定!CS進出も3チーム確定!I’moonがスウィープで今シーズン初勝利のドラマも!MVDはKaren。
Legitに勝利しCS進出を決めた8ROCKSの「継承の精神」
D.LEAGUEは全14回のレギュラーシーズンで勝敗に応じたポイントが与えられ、上位6チームがCS(チャンピオンシップ)に進出する。そしていち早くCS進出を確定させ、首位独走のポイント差でレギュラーシーズンウィナーが確定したのがCyberAgent Legitだ。
今回のラウンドでは1st MatchのaRBの勝敗が多くのチームのCS進出確定に影響し、3rd MatchのRAISERZの得点もしくは6th MatchのLegitの戦績で優勝が決まる。そうして2位のRAISERZの勝敗によりLegitのシーズン優勝が確定したものの、6th MatchではKOSÉ 8ROCKS と対決し惜敗、負けなしだった今シーズン初の黒星をつけることとなった。
8ROCKSは「SIGNATURE」をテーマとした。直訳すると署名、サインすることを表す言葉だが「とっておき」や「存在証明」などのニュアンスも含まれる。
ディレクターKAKUの所属するクルー、MORTAL COMBATのシグネチャームーブを取り入れ、進化させるという。メンバーそれぞれが特定の分野に特化し、20年を超える活動の中若手メンバーも加入し、日本一を決めるコンテストで何度も優勝し、進化するアートと言わしめたMORTAL COMBAT。そんなクルーからSPダンサーRINを招き、8ROCKSが苦渋を飲まされた首位Legitにリベンジを仕掛ける。
カウントダウンの時から板付きの状態で逆立ちを長時間維持し、照明を使った演出、スピード感のあるルーティーンへと続く。ルーティーンの中で相手の体に触れることはコンタクトワークと呼ばれるが、Taichiによる背中を使ったロンダート、プッシュされるバク転とリスクの高い技を安定して見せていく。
ドルフィンでのカノンからRINの倒立移動からソロ、COCOAのヘッドスピンを両サイドから二人が片手でもち、ラビットしながら回転移動。三点倒立を潜り抜け飛び越えアクロバットも飛び出しスピード感を上げていく。
MORTAL COMBATを知るダンサーたちからすればついつい笑顔が溢れてしまうハイスキルな技の波状攻撃だ。耐久エアチェアーからパワーだけでなく軟体を活かしたルーティンを交互に繰り出し、最後は九州男児のシグネチャームーブも飛び出し、会場からの歓声は鳴り止まなかった。
対するLegitはTAKE IT EASYをコンセプトに、今シーズン幾度も大きな場面での勝利に貢献したakihic☆彡のディレクションを再度起用。今回で5作目だという。
ATOの着衣から椅子に腰掛けたメンバーのルーティーンとソロが始まる。NEO SOULやR&Bを取り入れたハウスミュージックに合わせ、グルーブだけでなくスタイリッシュさと小道具の並びを揃えるなど、高いテクニックが求められる作品だ。
音のないところで椅子と照明を使って音を作り出すカノン、ロッキンのルーティーンではかなり高いキックアウト、Legitのお家芸となった空間を歪めるようなスロールーティーンに、追い込みで一列に並びステップを中心としたルーティーン。最後のATOの鍵盤に合わせたソロと照明に合わせた追加点までニクい構成だ。
結果は4−2の僅差で8ROCKSの勝利。今シーズン無敗のLegitは初めての敗北を経験した。
ブレイキンではバイト(噛み付く)、と呼ばれ、シグネチャーと呼べるレベルのオリジナリティの高いムーブは真似してはいけないという美徳があるが、逆にKAKUたちMORTAL COMBATはディクショナリー(教科書)として次の世代へ自分たちのシグネチャーを”継承”することを選び、8ROCKSはそれをしっかりとサンプリングし進化させた。
勝利が決まった瞬間、舞台袖のメンバーと喜びを分かち合い、そしてジャッジ席の横で見ていたKAKUに対して「KAKUちゃんありがとう!」と叫び喜びを表現したTaichiの姿が印象的だった。
試合後のインタビューでは「Legitは質の高い合わせと作品力が武器のチームです。僕らはシグネチャーをテーマに一人一人の個性に(焦点を当て)MORTAL COMBATさんのルーティーンとソロを全開に出した作品で勝負しました。率直にCS進出は嬉しいです。ラストラウンドを残して(進出が)確定したのは初めて。余裕を持って行けることに安心しています。次回のラウンドの結果で、CSで戦う試合数が変わる大事な一戦となるためこのいい流れで頑張ります」と、CSというハードな舞台への意気込みも語ってくれた。