三代目、小林直己&ELLYとカリスマカンタローがダンスシーンについて徹底討論！後編

俺らもすごい悩んでいて、DANCE@LIVEって名のもとバトルっていうシェアの文化を広げている訳だけど、例えばだけどK-1とかみたいに全国的に知られたか、というとそうでもない。未だに凄くクローズドなマーケットであることは間違いないから、例えば直己とかELLYとか、ダンスシーンから飛び出てるダンサーが、難しいかもだけどアライブのイベントアンバサダーとかになって広めてくれたりしたら、面白いのではないかなあとか考えてる。
もしそういうことを頼めるのだったら正式にオファーもしたほうがいいかと思うけども、「こういうバトルシーンが日本には、ダンスシーンにはあるんだよ！」というのを、しっかりとテレビやマスメディアが取り上げてくれて、世界に発信してもらえたらと思う。ダンサーから発信するのは勿論当たり前だけどね。

ただ、実は前にテレビの取材の連絡が会社に来て、アライブの優勝者に『例えば演歌で踊ってもらってもいいですか？』みたいなことを言ってきた事があったんだ。「なんでですか？」と聞いたら「『演歌とかで踊れるんだよ！』とかなると、面白くないですか？」って言われて、「うわーｗ。もうダメだな・・・」って。「どうしようもないなあっ」て思ったんだけど、そのくらいの一般層に伝わるフックがないと、一人よがりになっちゃうって事を先方から言われて・・・。

ELLY
でも、オレもそう思いますね。
なんでも踊れるのがダンサーだと思うから、そういうのをやった時に面白さが絶対生まれるかなって。
しゃべくりでそういうの一回やったんですよ。

カリスマカンタロー
うん。

ELLY
例えば、ボーカルがアカペラをやるのと同じ。
この音にメロディや歌詞つけてよ！ってのに近いかな、あの瞬間が。
だからそうゆうのにも応えられた方がダンスの価値も上がっていくだろうなと思いました！

カリスマカンタロー
うん。今ではそういうので知ってもらった後にでも、個人にフォーカスされていったりされたらいいのかもな、って思うことも多くなってきた。年齢で、じゃないけど変わるよね。

ELLY
この先、演歌にバックダンサーが普通にいるかもしれないですね。

カリスマカンタロー
うんうん。
昔、香田晋さんだったかな？
誰かが演歌のPVでビルの屋上でめっちゃHIPHOPダンサーを従えてるPVがあって！衝撃だったな、あれは。
あれは誰がプロデュースしていたんだろう。
YouTubeとかに落ちてないんだけど、そういうギャップというか、面白い話だよね。

小林直己
だからその、やっぱり自分で追及する。本物は本物で追及するのは表現者として絶対必要なことで、何があってもそこさえブレなければ、後ははどういうことをしたいか。多くに知られたいのか、自分が知ってもらいたい人だけに知ってもらいたいのか。そういうところが一番大事なのではと。

お茶の間でダンスバトルを見る時代に！？

カリスマカンタロー
今のストリートダンスシーンはいい意味でも悪い意味でもクローズドであり、現状ダンサーと一部のダンスファンしか喜ばない世界であること。マニアックな話、例えばだけどバトルとかで見せるコブラのエグさがわかるのはダンサーだけで、「めっちゃエグい！！あの動きー！！ｗ」とか、一般の人はわからないよね。でも、この「エグいのが凄い！！」というのを伝えたかったり、そういう部分をもっと広げられないかな？という所で、実は悩んでいる。10年今のスタンスで来たしね。
俺はみんながお茶の間でも、ダンスバトルを見る事が出来る環境を創っていきたいとずっと思っている。
例えばだけどチャンプルみたく、今ならテレビとかでゴールデン企画でダンスバトルを始めてみたりさ。
ダンスやってるならダンサーも芸能人もアーティストも一般も出場できるような。
それこそ勝ち上がってきた決勝が小林直己 vs ELLYとなると、夢の三代目対決！など各種メディアでも盛り上がって、お茶の間も「うわーっ！」ってなるに決まっている。
他にも海外だとLes Twinsだとか世界的なダンススターだったり、今いる日本のスーパーダンサーとか出てきたりさ。
お茶の間がそうやって初めてダンスバトルを知ったり、バトルに出てみたいと思うきっかけになるだろうな〜って想像したりね。そんな中でストリートの世界でトップの実力派と呼ばれてるダンサーが出てきたりとか、ピックアップされるとか。
そういう文化が生まれたら面白いのかなあ、なんて考えたりね。
10年進化させつつも同じことをやって来ているから、次の10年って考えた時に同じ10年じゃないよね、とはすごい思っていて。

ELLY
その時本物が必要となるというか、本物のモノがそこにないとな〜って、すごく思いますね。
まあオリンピックが来るまでになんですけど、外国の方が沢山見に来るので、自分の中ではオリンピックが来るまでにダンスがアートになっていればいいと今一番思っている。究極、色々広げて色々なモノを見た時にアートという所はカリスマさんがやったほうがいいなと思うし、僕たちが一緒にやれることがあったら一緒にやったほうがいいと思うし、アートが一番究極のダンスの表現の所でいきるかなと思いますね。自分達はLDHとかEXILEとか名前があるからこうやって活動出来てるけど、本当のダンスシーンをアートにしちゃったら一番早いかなとかって思ったりしていて。
例えば顔にプロジェクターが映るテクノロジーとか。あれだけで世界反響凄いじゃないじゃないですか。人の顔にデジタルのアートが重なっていく。そのダンス版じゃないですけど何か面白いことってありそうな気がするんですよね。

カリスマカンタロー
ダンスとテクノロジーって凄く相性いいしね。

小林直己
テクノロジー分野の人の創作意欲を湧かせるようなものが出来たらいいかなって自分も思います。
あくまでダンスアライブの魅力って、生での、即興の凄さだと思うのですが、それをできるだけ純度高めて消化して、演出や振付けに落とし込み作品になれば、ダンスの可能性が生まれると思います。Memorable Momentとかすごく好きなのですが、近いイメージです。

そういうところを融合させる場所があったら、それは例えばヨーロッパでバレエが生まれたように、例えばニューヨークで「ストンプ」というショーがオフ・ブロードウェイにあるように、日本でそんなエンターテイメントが生まれたら面白いなと。

ELLY
レッキン（※WRECK’IN CREW ORCHESTRA)がやっているのは凄く魅力がある。
やばいなあって！ああいう作品は一瞬で世界的に見て広がる。
華のあるダンサーで、自ら進んでテクノロジー入れて、っていうタイプはそんなに多くないから、そういうのを集めてカンタローさんがやったらまた新しい爆発的なモノが生まれるのかなとか。オリンピック来た時にもっとこういうアートが日本から出ているような。
俺らも曲とかの部分でもっといいのを出したりとか。

カリスマカンタロー
そういう所で融合とか出来たら面白いかなあって思うね。
さっきのアライブのもちょっと考えたりしていたし、機会があれば正式に話とかしてみたいね。

小林直己
EXILEチームでもダンスに恩返しというのがあって、ダンスのイベントとかはLDHでも考えているんですね。だから何かで共にやっていけたら可能だと思いますね。

小林直己、ELLYからのメッセージ

カリスマカンタロー
いやー、今日の時間はあっという間だったなあ(笑)。
じゃあ最後に、この記事を読んでくれた方達へ是非一言ずつ。

小林直己
自分は特にカンタローさんとアライブっていうきっかけというか、すごい繋がってる感覚があるので、やはりそこで得たものは本物感であったりとか、本気でいる気持ち、年齢に関係なく本気でぶつかり合う。
よければ認めるし悪ければ認めないみたいな、でもそれがさっきからずっと話しているストリートダンスって言っていることなのかなって思うんです。
更にそこに自分はKRUMPとEXILE魂、J-SOUL魂が全部繋がっている。
本当に心が動いたらいいと思うし、そのために日々努力している。というような事を今やっている最中で。
そういう意味では変わっていないなって思っていて、見ている皆さんにいつまでもカッコいいと言われるように気合い入れていきたいと思います。
ありがとうございました。