【iona】頭の中が空っぽになる瞬間を求めて【自主公演/ダンス部WS開催】

私を救ったノートの存在

 

自分は一体どんな人間であるか、何をするために生まれてきたのか——?

みんなも、部活期間を終えたり、進路を決めていったり、将来を考えるときなぢ、節目では一度は真剣に考えることだろう。
その答えは検索してもAIに聞いても出てこないし、家族や先生からの言葉も、あくまでアドバイスにしかならないはずだ。

プロダンサー「iona」もまた、そんな悩みを抱えながら踊り続けてきた1人だ。

iona>>Instagram

 

7歳でダンスを始め、世界大会などで活躍、Dリーグやチーム「Alternative」でも活動し、宇多田ヒカルや三浦大知はじめ一流アーティストのバックアップをこなす。

そしてこの9月には、初の単独自主公演「安心できない立方体」を開催する。
一見、華々しいキャリアのようだが、高校卒業後には人生やキャリアに悩んだ時期があり、その時に自分を救ったのは、とあるノートの存在だったという。

「悩んで悩み抜いて、どうにもならなくなって、自分が一旦死んだことにして(笑)、ノートをつけ始めたんです。生まれた時の記憶から、どんな出来事があったか、どんな気持ちだったか。何が好きで、何に悩んで、何を考えてきたか、などを思い出せるまま書いていった。その上でこれから自分はどんな生活をしたいか? もっと穏やかに暮らしたいとか、もっと本を読みたいとか…。意外にシンプルなことだなぁ、ってわかってきたり」

人生の節目で自分を振り返ってみる、それを可視化する彼女のノート。それはすでに何冊目かを超えているのだという。

「だから、自主公演で何をやるかって決める時、全然悩まなかったんですね! それこそ、1〜2時間で大体の構成ができあがった。自分がどんな人間で、何をしたいかをそのノートにすべて書いてきたから、それを思い出せば公演の内容は出来上がっていました」

自主公演は何をやるか、ではなく、自分が何であるかを表現する場所。
そして、重要だったのが一緒にステージに上がる仲間の存在だ。

「19歳の頃から自主公演をやりたいアイディアはあって、そのタイミングを待っていた感じがあるんですけど、踊り続けてきた間、本当に信頼できる仲間ができて、その人たちと一緒にステージにあがれば絶対に楽しいから、みんなに集まってもらうためにも私が自主公演をやろう!って思ったんです!」

 

ダンスは表現ではなく探求

 

 

ionaのダンスはヒップホップがベースだが、アニメーションからコンテンポラリーまで、変幻自在のスタイルを繰り出し、周囲の空気を捻じ曲げるような妖艶なムードを生み出す。ダンスというより「表現」という形容が似合うが…。

「う〜ん、表現というよりも、踊る時って自分の体の中を探求している感覚というか、どんどん深く潜っていって頭の中が空っぽになる瞬間を求めている感じです。何も考えなくても良い、瞑想に近い感覚というか。だから外に何かを出すという感覚ではないんですね」

内なる探求としてのダンス。10代の頃から、真剣に悩み、踊り続けてきらからこその境地だろうか。

「私はずーっと考えている人なんです。いろんなことを考えて考えて、悩んできたからこそ、頭が軽くなる瞬間が心地良いんですね。…結局は自分のためにしか踊っていなんですけど(笑)、それで喜んでくれる人がいたり、共感してくれる人がいれば嬉しいですね!」

 

インタビュー&文:石原ヒサヨシ(ダンスク!)


[iona]初単独公演
『安心できない立方体』〜the cube of disquiet

9月5日(金)、6日(土)、7日(日)
@下北沢・砂箱
*出演:iona
HaguriKosuke神崎憲人O B A
【TICKET SOLD OUT!!】


高校ダンス部向けにワークショップを開催!

 

ionaの変幻自在のスタイルと独特の世界観を吸収できるチャンス!

>>ジャンル:HIPHOP、ANIMATION、POP、etc.
>>エントリーはinfo@d-s-k.jpへメール、もしくはダンスク!のInstagramへDM
・高校名
・代表者名(顧問もしくは許可を取った者)
・参加人数
を明記して、エントリーしてください。日程は、講師とスケジュールをすり合わせの上決定していきます。

口コミを投稿する