バレエ作品『海賊』の歴史、ストーリー・作品内容をわかりやすく解説

今回は、数あるバレエ作品の1つ『海賊(かいぞく)』についての解説です。 1856年パリで初演された『海賊』にはどのような歴史があるのでしょうか? ストーリーから作品内容、どんなダンスなのかを動画を交えて紹介いたします。


数あるバレエ作品の1つ『海賊(かいぞく)』を知っていますか?
バレエ経験者でも、大まかなストーリーやバリエーションは知っていても、元となる話や時代背景についてまでは理解していない方も多いのではないかと思います。

そこで今回は『海賊』のストーリーや歴史を詳しくご紹介します。
ストーリーや時代背景を理解して踊ることで、自身の持つ表現力に磨きをかけましょう!

バレエ作品『海賊』とは?

ストーリー

【第1幕】
舞台は、ギリシャに面した地中海のイオニア海。首領コンラッドとその友人ビルバンド、コンラッドの忠臣アリの3人の海賊たちを乗せた船が嵐で難破し、海辺に打ち上げられます。そこへギリシャの娘メドゥーラ(メドーラ)が通りかかり、友人のギュリナーラ(グリナーラ)と一緒に海賊たちを救い出します。メドゥーラは、海賊の首領コンラッドと一瞬にして恋に落ちました。

すると、そこへ突然トルコ軍が乱入します。メドゥーラたちは捕えられ、奴隷商人ランケデムに引き渡されてしまいます。コンラッド・ビルバンド・アリの3人は、娘たちを救うことを誓います。

奴隷市場に連れて行かれたメドゥーラたちは、トルコ総督パシャの見る前で売りに出され、まず美しいギュリナーラが買われることに。メドゥーラが競売にかけられたとき、奴隷を買いにきた商人に変装した海賊たちが現れ、メドゥーラを高値で引き取ろうとします。しかし、トルコ総督が異変に気付いたため、海賊たちは正体を現します。海賊たちは、間一髪のところでメドゥーラと奴隷商人を連れて逃げることに成功します。

【第2幕】
海賊の洞窟で宴会が開かれる中、コンラッドの仲間ビルバントが奴隷商人ランケデムを味方に引き入れ、反乱を起こします。ビルバンドは睡眠薬をふりかけたバラを用意し、メドゥーラに届けました。罠とも知らずに、メドゥーラはコンラッドにバラを捧げ、コンラッドは眠りに落ちます。そこへ、ビルバンドや奴隷商人ランケデムが現れ、メドゥーラを奪って逃げました。騒ぎを聞きつけたアリが駆けつけましたが、すでにメドゥーラは連れ去られた後だったのです…。

【第3幕】
場面は変わって、奴隷商人ランケデムからギュリナーラを買ったトルコ総督パシャの屋敷のハーレムにある花園。パシャはギュリナーラの踊りを見て満足するが、他の娘たちの踊りは気に入らない様子。そこへ、ランケデムがメドゥーラを連れて現れたため、パシャは早速買い取ることに。パシャは娘たちの衣装を着替えさせている間、うたた寝をします。

夢の国では、着飾った娘たちが花輪を持って花園で踊り、ギュリナーラとメドゥーラが美しい踊りを披露しています。

眠りから覚めると、早速宴を始めるパシャ。そこへ巡礼者を装った海賊コンラッドとアリが現れ、祈りを捧げるフリをしながら頃合いをみて正体を現します。メドゥーラとギュリナーラを助け、奴隷商人をこらしめた後、2人の美女とともに海賊コンラッドたちは再び海に漕ぎ出していくのでありました。

1856年にパリで初めて上演された海賊の歴史を紐解くカギは、音楽にあります。この作品の音楽は、上演毎に作曲・アレンジされるという少々複雑な経緯を辿っているため、1から順に説明していきたいと思います。

海賊のオリジナル音楽は『ジゼル』のバレエ音楽を手掛けたことで知られるアドルフ・アダンが担当しました。その後、上演を手掛けた際にチェーザレ・プーニが数曲を新たに作曲し、既存の音楽にも手を加えました。そして1867年にパリで再演された際には、レオ・ドリーブが3幕に「花の踊り」とヴァリアシオンの曲を書き下ろします。1868年にプティパが再演した際にはドリーブの音楽も取り入れられ、1899年にはリッカルド・ドリゴ、レオン・ミンクスの曲が加えられました。その後、アントワーヌ・シモン、オルデンブルク公爵などの曲が加わって、現在の『海賊』が完成したのです。

こうして幾度も最高の作品に仕上げるための挑戦を重ねた結果、世界中に愛されるバレエ作品である海賊が誕生したのですね!

『海賊』を動画でご紹介!

こんなにカッコイイ海賊なら、誰だって恋に落ちてしまいますよね。バレエ作品は、ドラマや映画を観るだけでは感じることのできない、あたかも自分が経験したような感覚を与えます。

熊川哲也さんの海賊は、力強く、絶対にブレないところが素敵!熊川さんみたいに踊りたいとバレエを始める男子も、少なくはないでしょう。

こちらは、第3幕の花園のシーンですね。こんなに美しい世界があるのだと、何度も繰り返し見てしまいました。

まとめ

バレエ作品の『海賊』についてご紹介しました。いかがでしたか?

海賊は、分かりやすいストーリーと衣装やセットの豪華さ、ダンサーのキャラクターなどが、バレエに興味のない人にも届きやすい作品ではないかと思います。キャッチーな踊りをするためには、日々のレッスンで基礎を固める必要があるでしょう。

海賊に出演する際は、自分が出演する場面だけではなく、作品全体の流れを頭に入れておきましょう!

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