東京バレエ団にs**t kingzに東京ゲゲゲイと超豪華プログラム続く!「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018」レポート

8月より、横浜の街全域で行われている「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018」の東京バレエ団による「横浜ベイサイドバレエ」、s**t kingzが登場しライブをみせた「横浜ダンスパラダイス」、東京ゲゲゲイとフランスの日仏コラボとなる「トリプルビル」をレポート!


photo Kota Sugawara

横浜で3年に1度、横浜の街全域、横浜の“街”そのものを舞台に行われる日本最大級のダンスフェス「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018」。
8月よりスタートした同イベントは、様々なダンスコンテンツで、各地を盛り上げています。
今回Dewsでは、約230ものプログラムの中から、東京バレエ団による「横浜ベイサイドバレエ」、s**t kingzが登場しパフォーマンスを行った「横浜ダンスパラダイス」、東京ゲゲゲイとフランスの日仏コラボとなる「トリプルビル」に出向き、レポートをお届けします。

横浜港の夜景を背景に、十全十美なステージを織りなした東京バレエ団

8月4日には象の鼻パーク特設ステージにて東京バレエ団による公演が行われました。
野外バレエというあまり耳馴染みのない試みはベイブリッジを背景にしたステージを舞台に、劇場とはまた違う非日常感を与えてくれます。
海沿いの心地よい夕涼みの風が吹く中公演は始まり、3演目が上演されました。

圧巻の群舞でみせる「タムタム」


photo Kiyonori Hasegawa

最初の演目は「タムタム」。
演奏者が登場し、不可思議ながら規則的なビートを奏で始めると、ダンサーがソロで踊り始めます。
変則的な三拍子の音楽をしっかり捉えながら、ボディラインを崩さない高い身体性と、会場に問いかけるような指先も印象的でした。抽象的な踊りが特徴の本作品、ソロが終わるとコミカルな動きの4名の女性が登場し舞台を横断していきます。
人数がどんどん増えたかと思うと群舞が始まり、コンビネーションと世界観はどんどん積み上がり、表情も振付によって変え、その世界観や迫力が客席に迫ってきました。
そして二人のダンサーが登場し演奏者が移動して生演奏が始まると、ダンサー達はお互いに体重を預け合うような高度で複雑なコンビネーションを展開。
最後は圧巻の群舞で締めました。

華やかに魅了する「ドン・キホーテ 第3幕より」


photo Kiyonori Hasegawa

2つ目の演目「ドン・キホーテ 第3幕より」では華やかな衣装に身を包んだダンサー達のキャラクター豊かなダンスが繰り広げられます。
スペインを舞台にした人気の喜劇舞台から、華やかな結婚式のシーンが披露されました。
この作品では超絶技巧と称される技たちも見所で、身体を持ち上げるリフトは高く華やかで、ソロでは連続ターンが華麗に決められ、多彩なジャンプで舞台を縦横無尽に動き回り、拍手が何度も沸き起こりました。
ソロやデュオの最中は、そのダンスを見てうっとりする演技やこだわりもしっかり伝わり、どこの誰を見ても生き生きとした空間に引き込まれる舞台となりました。

photo Kiyonori Hasegawa

また、汽笛が鳴る屋外ステージならではの演出でも楽しませてくれました。

不思議な世界観に釘付け!「ボレロ」


photo Kiyonori Hasegawa

3つめの演目「ボレロ」では、中央に赤い円形の台座が置かれ、ソリスト上野水香に向けてスポットライトが照らされます。
ダンサーたちが車座でその台座を見つめる中、ライトが頭から下半身にかけてゆっくり移動すると、ボレロの音楽に合わせてリズムキープが始まります。
上半身で表現をし、下半身でリズムキープしながら踊る。その儀式のような、生命の躍動のような不思議な世界観のダンスに徐々に引き込まれていきました。車座になっていたダンサーたちも徐々に立ち上がり、踊りに参加します。
クライマックスに向かうにつれ、壮大さを増し最後の演目にふさわしいラストを迎えました。

5階の客まで虜にしたs**t kingzのハイスキル、ハイプレシャスなライブとトークショー


(c)oono ryusuke

8月18日(土)にはランドマークプラザ内特設ステージにてs**t kingz(シットキングス)のスペシャルライブが行われました。
s**t kingzは、ダンサーとして世界的なコンテストの優勝を2度経験し、三浦大知など実力派アーティストとのコラボも話題となり、現在はラジオパーソナリティとしても人気の多才な4人組です。
才能溢れるアーティストのパフォーマンスを一目見ようと、ステージ脇の階段、吹抜けの5階まで埋め尽くすほどの人が集まりました。

選曲もクラブミュージックだけにこだわらない彼らですが、今回は日本のアーティストの楽曲でのダンスを披露しました。新鋭R&Bシンガー向井太一の曲に合わせてのパフォーマンスが始まります。目に見えないボールをパスしていくソロ回し、音が分厚く見えるようなターンや、スタイリッシュなボディウェーブ、セクシーなヒールなど、おしゃれな曲に合わせて表情と音取りにこだわった存在感のある表現をみせます。

ダンス後のトークショーでは結成10周年記念の新作公演「The Library」についての話題を中心にインタビューが行われました。
NOPPOが舞台の見どころをきかれると「僕はあまり喋らないんですが今日は(トークを)頑張ります!横浜赤レンガ倉庫の公演では通常の公演とは違い360度ステージでパフォーマンスをします。ドタバタなコメディをストレスなく見てもらえるようリハーサルを行っています。見終わった後、腹筋が18個位に割れる位笑ってもらえると嬉しいです。」と答え、会場からは応援の声が響いていました。

FMヨコハマで月曜深夜に4人がパーソナリティを務めている番組「踊る門には福来たる」について聞かれると、再びNOPPOにマイクが渡されPRタイム。「踊らなやってらんねえ」という人気コーナーではリスナーからメールで寄せられたエピソードに対しておすすめの踊れる楽曲を紹介しているのでぜひ楽しんで聞いてほしいとメッセージを語っていました。

そして楽曲『The Library/s**t kingz × starRo feat.Duckwrth」に合わせて本を使ったパフォーマンスを行います。本を投げては受け取り、華麗にステップし、一糸乱れぬルーティンをきめ、本を落としそうで落とさないバランス感覚と見事な構成に、観客はみな感嘆の声を上げていました。

(c)oono ryusuke

会場ではその後も八木莉可子と横浜市在中の中高生がポカリガチダンスを踊るステージ発表もあり、ヨコハマの街がダンスに包まれ多くの笑顔が生まれた一日となりました。

(c)oono ryusuke

WRITER : Showgo

ブレイキン×コンテンポラリーの創造力、東京ゲゲゲイがみせる独創力

9月2~5日は、横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホールにて、日仏のコラボの「トリプルビル」が行われました。
4日は台風21号が関東に向かっている真っ只中であいにくの天気ではありましたが、当日会場に空席はほとんどありませんでした。
客席は階段式でステージを見下ろす構図になっており、ステージ上には正方形の白いフロアが一枚敷かれているだけで特に特殊な舞台装置は見当たらず「この舞台で2時間近く観客を魅了できるのか」と疑問に思ったのが第一印象です。

「床から頭を離さないで踊る」!?ブレイキンの新たな可能性


photo Kota Sugawara
早速一つ目の演目、ジャンヌ・ガロワ(Jann Gallois)の「リバース」がスタート。
今作の注目ポイントはなんと言っても「ダンサーの頭を床から一時も離さない」という部分です。
ダンスをやっている人はもちろんダンス未経験者ですら「床から頭を離さないで踊る」ということがどれだけ困難なことかを想像するのは容易でしょう。
この「頭を下にして歩く」という表現はフランス語で「理性を失った行動をする」という意味があるそうです。

本作には、世界でも活躍をみせるTAKASHI J/B、Katsuya(THE FLOORRIORZ)をはじめ、Hayate、JONA、SakyoとスキルフルなBBOYが出演。
冒頭は白いフロアに正座で佇み、和を彷彿とさせる世界観でスタートします。
そこからニット帽を被ったダンサーが頭を付けたまま、5人が前後左右に這いつくばるように移動を繰り広げるのです。
質の高いブレイキンの技とコンテンポラリー的な柔軟性のある動きが一つのスタイルであるかのように混ざり合い、ランダムに動いているようでどこか規則性を感じ、所々でギミカルに合体していく振付は、とても不思議で今までに見たことのないものでした。

photo Kota Sugawara
ダンス経験者であれば、どうやって振付を合わせているのか、どうやって作っていくのか、そんな疑問が何個も浮かぶレベルの高い作品です。

哲学的表現が直感的に伝わる現代的ブレイキン


photo Kota Sugawara
二作目は、フランスのラ・ロシェル国立振付センターのディレクターを務めるカデル・アトゥ(Kader Attou)の新作「YŌSO(要素)」。
このタイトルは、あらゆる世界を構成する地、火、水、風、空の五大要素のことを指した哲学的な表現で、それらを想像させる風や波のような音がミックスされた音楽を使用していました。
そして、一作目の白いフロアが取り払われ、まるでステージを組む前かのような質素な状態になりました。
しかし横から刺す照明が絶妙な世界観を醸し出し、世界を構成する要素を表現しているというのが直感的に伝わってきます。
一曲目は、滑走感溢れる音楽にのせてみせる怒涛のブレイキンで、一作目では物足りなかった出演陣の豪快なスキルがここで堪能できます。
ソロはもちろん、スペシャルなメンバーでみせる一糸乱れぬルーティンも高い仕上がりをみせていました。

photo Kota Sugawara
後半は突如として音楽が変わり、川辺のようなヒーリングミュージックで柔軟な動きをみせます。
「ここは水のパートかな」と作品のテーマと照らし合わせる楽しさに気づきます。
その他にも急に走り回ったり、ムーブが重なり合ったり、ただのダンスショーとは違い、何を表現しているのかを考えるのも舞台の醍醐味ですね。
ラストは音がフェードアウトしていく中で、ソロをひたすら踊り続けるというインパクト抜群なフィニッシュで二作目が終了しました。

一気にキテレツメンタルワールドに突入!


photo Kota Sugawara
そしていよいよ三作目は東京ゲゲゲイ。
真っ暗の状態から歌声が聞こえ、明点とともにメンバーが登場。
原点である女子高生テーマの衣装から椅子、机など小道具で、一気にキテレツメンタルワールドに突入します。
彼女らを見るために訪れた来客者が如何に多いかが、客席の反応でしっかり伝わってきました。
そこからこの作品のために書き下ろされた2曲を披露。個性あふれるメンバーのソロや前衛的でありながら昭和歌謡曲のような懐かしさも感じる楽曲は一度聞いたらしばらく耳から離れない絶妙な作品となっていました。
途中MCをはさみ、一、二作目と舞台作品で緊迫していた雰囲気が一気に和やかになり、ライブ感を感じさせてくれます。

photo Kota Sugawara

ラストの曲への想いをメンバーが一人づつマイクリレーで語り、人気曲である「ズットスキナヒト」がスタート。
想いのこもったこの曲に、涙する方もいたほどで、ダンスだけではなく、歌のメッセージ性や表現力もさらに高まり、アーティストとして確立してきているのを肌で感じました。
同じパフォーマンスをフランスで披露すると言っていましたが、日本が生んだ超個性派アーティストはフランスの方々の目にどのように映るのでしょうか?
あちらでの評判も非常に楽しみですね。

「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018」はまだまだ続く!

今回Dewsでは、「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018」から横浜ベイサイドバレエ、横浜ダンスパラダイス、トリプルビルをお届けしましたが同フェスティバルは、9月30日に行われる観客参加型ビッグイベント「フィナーレスペシャルプログラム」まで続きます。
まだまだダンスファンにはたまらないコンテンツが沢山あるので詳しくはぜひサイトをチェックしてみてください!

DDD公式サイト

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