バレエ『ジゼル』のあらすじや特徴をバレエ経験者が解説!

バレエ作品『ジゼル』は、ロマンティックバレエの代表作のひとつ。そこで今回は、バレエ経験者がジゼルのあらすじや特徴を解説します。可愛らしくも切ないジゼルを、あなたはどう解釈しますか?


バレエ作品『ジゼル』は、バレエの発表会やコンクールなどで踊られることの多い作品です。バレエに興味のある方なら、きっとジゼルという作品名は聞いたことがあるでしょう。しかし、その内容や特徴まで理解している方は少ないのではないでしょうか?

そこで今回は、ロマンティックバレエの代表作のひとつ『ジゼル』のあらすじや特徴を解説します。恋の苦悩や切なさをひしひしと感じられるはず!

  1. ジゼルとは?
  2. ジゼルがすぐにわかる動画

バレエ作品『ジゼル』とは?

『ジゼル』は、フランスの作曲家アドルフ・アダン作曲によるバレエ作品です。1841年にパリ・オペラ座で初演され、後の改訂時にヨハン・ブルグミュラーとレオン・ミンクスが曲を追加しました。

ジゼルは、ドイツの詩人ハイネによって紹介されたオーストリア地方の伝説に着想を得て作られたといわれており、初演時の題名は『ジゼル、またはウィリたち』。そこから大規模な改訂を経て、今日でも頻繁に上演されています。

ジゼルは『ラ・シルフィード』『白鳥の湖』とともに「三大バレエ・ブラン」のひとつに数えられるロマンティックバレエの代表作であり、第1幕の昼間の森の場面と、第2幕の夜の場面の対照が印象的。主人公が死装束で踊る唯一のバレエ作品といわれています。

ジゼルのあらすじ

【第1幕】
ジゼルは、身体は弱いが笑顔を絶やさない踊り好きな娘だった。アルブレヒトは貴族である身分を隠し、名をロイスと偽って彼女に近づく。二人は想いを通わせるが、ジゼルに恋する村の青年ヒラリオンには面白くない。彼はアルブレヒトが普段の衣装や剣をしまう小屋を見つけ、村の青年ではないことを確信してその剣を持ち出す。

ある時、ジゼルの村にアルブレヒトの婚約者バティルドの一行が狩の途中に立ち寄る。村娘ジゼルとバティルドは、お互い結婚を控えているもの同士として仲が良くなる。しかし、ヒラリオンが持ち出した剣によりアルブレヒトの身分が暴かれ、ジゼルは混乱する。ジゼルをなだめるアルブレヒトジゼルであったが、ヒラリオンは更にバティルドと公爵を連れて来る。もはやごまかしようのなくなったアルブレヒトは公爵に礼を執り、バティルドの手にキスをする。

それを見たジゼルは狂乱状態に陥り、母ベルタの腕の中で息絶える。ヒラリオンとアルブレヒトは互いの行為を責め合うが、村人たちやベルタに追い出されるように退場したのはアルブレヒトだった。

【第2幕】
森の沼のほとりの墓場。ここは結婚を前に亡くなった処女の精霊・ウィリーたちが集まる場所。ジゼルはウィリーの女王ミルタによって、ウィリーの仲間に迎え入れられる。

ジゼルの墓に許しを請いにやってきたヒラリオンは、鬼火に追い立てられる。ウィリーたちは、夜中に迷い込んできた人間や裏切った男を死ぬまで踊らせるのである。を死ぬまで踊らせるのである。ウィリーたちがヒラリオンを追う間、ジゼルを失った悲しみと悔恨にくれるアルブレヒトが彼女の墓を訪れ、亡霊となったジゼルと再会する。

ヒラリオンはウィリーたちに捕らえられ命乞いをするが、女王ミルタは冷たく突き放し死の沼に突き落とす。次にミルタはアルブレヒトをも捕らえ、力尽き死に至るまで踊らせようとする。アルブレヒトが最後の力を振り絞り踊るとき、ジゼルはミルタにアルブレヒトの命乞いをする。やがて朝の鐘が鳴り、朝日が射しはじめウィリーたちは墓に戻っていく。アルブレヒトの命は助かり、ジゼルは朝の光を浴びアルブレヒトに別れをつげて消えていくのであった。

ジゼルの特徴

ジゼルの最大の特徴は、主人公が死装束で踊ることです。これは、他のバレエ作品では見られない場面なのでジゼルならではといえるでしょう。

また、ダンサーによって解釈が異なるという点も特徴のひとつです。例えばアルブレヒトが戯れであったか、それとも本当にジゼルを愛していたかについてはダンサーによって異なった解釈をすることがあります。ユーリー・グリコローヴィチ版以降では、第二幕は”ジゼルがアルブレヒトを許してウィリーたちから守る”という解釈をすることも多いようです。

ジゼルがすぐにわかる動画

まずは、ジゼルの内容をおさらいしましょう。可愛らしい村娘のジゼルを踊るには、豊かな表現力が必要です。ラストのアルブレヒトとの別れのシーンは、切なく胸にくるものがあります。

第1幕「ジゼルのヴァリエーション」。ロシア生まれのナタリア・オシポワは、力強い跳躍やスピードのある回転をはじめ素晴らしいテクニックを持っています。楽しそうに踊る姿は、まさに踊り好きの村娘ですね!

切なくも美しいバレエ作品ジゼルは、バレエを初めて観劇する方にもわかりやすく、楽しみやすい内容ではないでしょうか?

まとめ

バレエ作品『ジゼル』を解説しました。

ジゼルは明るく陽気な雰囲気な1幕と、暗い雰囲気の2幕の対照が際立つ作品です。村娘ジゼルを演じるにあたって大事なのは、その両方を表現できる豊かな表現力でしょう。改めてジゼルを観劇する際は、ぜひ衣装にも注目してみてください。「ロマンティック・チュチュ」と呼ばれる丈の長いチュチュは、チュールを重ねたふんわりした形で、ジゼルの可愛らしさや儚さをより際立たせています。

数あるバレエ作品のなかでも、唯一主人公が死装束で踊るバレエ。「ジゼルだけ」だと思うと、より大事に踊りたくなりませんか?