社会人組織が初のダンス公演に挑戦!ダンス界を牽引するYacheemiとHagriが振付師として参加する理由とは

200名以上が所属する社会人ダンス組織『NOX-it UNITED』のダンス公演開催にあたって、振付を担当するYacheemiとHagriにインタビュー。

Hagri プロフィール

Hagri
独特なセンスと繊細なボディーコントロールが持ち味のヒップホップダンサー。
関東大学学生ダンス連盟∑「signal」M20の振付やKEN THE 390「Take it EZ」PV出演。コレオグラファーコンテスト「想 up to you vol.1」準優勝。
さらに、Yup’inバックアップダンサーや「EXPG New York BATTLE 101」Best4など、メジャーシーンだけでなくアンダーグラウンドでも活躍。JazzダンサーYOHと溢れ出す感性を融合させたチーム「KEMURI」としても活動し、WOD、DANCE@PIECEにてゲスト出演を果たす。


―― ナンバーやチームでの精力的な活動、さらに来年2月には単独公演も控えているそうですね。かなり忙しいと思いますが、何故今回の公演に携わろうと思ったんですか?

Hagri
現役時代は、振付師になることを断ってしまっていて、ダンサーとして何も返せてないという想いがあったので。

―― そもそも、どういう経緯でNox-itに入ったんですか?

Hagri
サークルに入る前は、ずっと駅前などで踊っていたんです。
夜、練習場所に集まった人達と朝まで踊る毎日で、ダンスのスキルはそこに居た先輩たちにたくさん教えてもらいました。
でも、そこはすごく自由で孤独な場所でした。昨日まで来ていた人が急に来なくなったり、踊るのをやめてしまったりする。いつ一人になってしまうかわからない環境で、とても怖かったです。でも、私の中に踊りをやめるという考えはなかったので、とにかく踊れる環境が欲しかった。
そんなときに友達に紹介してもらったのが、ダンスサークルNox-itだったんです。

―― Nox-itに入ってみてどうでしたか?

Hagri
あまりにも世界が違いすぎて、衝撃を受けました。「練習できる場所を作れれば良いや」という気持ちで初めて練習場所に行ってみた日、そこで自分と同年代の子達が何人も踊り狂っているのを目の当たりにして。
それまで同年代のダンサーに会ったことがなかったので、「こんなに居たんだ!」と凄く興奮したのを覚えています。
その後、信頼できるチームメイトができ、クラブやバトルで踊り続ける日々を送ることができました。引退してから数年経った今でも、いつでも悩みを聞いてくれる仲間がいます。

―― そんな思い入れのあるサークルのOBOGが立ち上げた今回の公演。ショーケースのこだわりはありますか?

Hagri
正直、サークルの公演って、他のイベントと比べて、一般のダンサーの認知度は高くないと思います。
でも、どの作品も作るときには常に全力を出し切る。作品ひとつひとつの「重み」は変わりません。

―― なるほど。Hagriさんの作品は、どれも感情を描くような抽象的な表現のものが多いように感じます。具体的にどんな風に作品を作っていくんですか?

Hagri
練習期間、何度も何度もディスカッションをします。メンバーには、どんなに忙しくても、ただリハをこなすだけには、なってほしくないという想いがあります。今の自分の気持ちや踊りに向き合ってもらえるように、できるだけその時々の正直な気持ちを吐き出して、自分を知るきっかけにしてほしいんです。

―― ディスカッションですか。スキルよりも会話を重視するんですか?

Hagri
もちろん、スキルは絶対に必要です。
振りを覚えたりスキルを磨いたりすることは、ダンサーとして当たり前にやらなければならないことだと思います。
Hagri

でも、私は振付師としては、スキルに対する指摘は優先しません。ダンサーの中には、「振りを正確に覚えて、先生みたいになりたい」とか「仲間と楽しく踊るだけでいい」といった考えの人達も多いと思います。それ自体は、決して悪いことではないのですが、私の気持ちとしては、まず「自分がどう踊りたいか?」をもっと自問自答してもらいたいんです。自分と向き合って、自分のことがわかっていくと、どんなスキルが足りないかが明確になり、さらに磨いていくことで、それぞれの魅力が増すと思うから。

―― 見たままに、Hagriさんの真似をして踊ってほしいわけじゃない、ということでしょうか。

Hagri
そうです。やらされて踊るんじゃつまらないから、自分をしっかり持ってほしい。
指の動きひとつとっても、それぞれの考えや性格が宿っていて、意味があると思うんです。
人に見られることを意識しすぎたり、見栄を張って偽りの自分でいたりと、人は誰しも直視したくない弱い部分を持っていると思います。でも、それも含めて自分自身だと認めることで初めて、本当の自分を理解できて、自分らしい表現ができるんじゃないかと。

―― 表現するために自分と向き合うことを恐れないHagriさんの哲学ですね。
そういった考えで、ダンスをするようになったきっかけはあるんですか?

Hagri
一番のきっかけは、数年前に出場したダンスバトルです。出番直前に、祖母が亡くなったという連絡があって。聞いた瞬間に頭の中が祖母のことでいっぱいになりました。
天国にいる祖母への想いと自分の内側から湧き出る想いが沸々とする中で、そのままバトルに出て。目の前にいる対戦相手やジャッジや観客は、何も見えなくて真っ白でした。かっこよく見せようとか会場を沸かせようとか全く考えずに、ただ自分自身を見つめて踊りました。
どんなダンスをしたか覚えていないんですが、そのときに、色んな邪念を取っ払って、自分の内側を見つめて踊ることを知ったんです。

―― 最後に、観客の方に一言お願いします!

Hagri
学生時代と変わらず、ダンスが大好きでアットホームなNox-it。久しぶりにみんな揃って舞台で踊っているのが見られるチャンスです。私も今から楽しみで仕方ありません。気になっている方は絶対来てくださーい!

社会人ダンス組織『NOX-it UNITED』第1回公演「GAME」

自身の並々ならぬダンスへの想いを語ってくれたYacheemiとHagriも作品作りを行う、社会人ダンス組織『NOX-it UNITED』のダンス公演の詳細はこちら。

◇告知動画

2019.01.20(SUN)  @日野市民会館
<昼公演> OPEN 10:30 / START 11:30 / CLOSE 14:00
<夜公演> OPEN 15:15 / START 16:15 / CLOSE 18:45

チケット:2,000円
チケット購入方法: 下記メールアドレスにお問合わせ下さい。チケットの数に限りがございますので、おはやめにご連絡下さい。
チケット購入問合せメールアドレス:info@mad-dmu.com
取材スタッフ
(Director)minato
(Editor / Writer) karin
(Photographer) Mayo.K

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