バレエ『パキータ』のあらすじや特徴をバレエ経験者が解説!

バレエ『パキータ』を知っていますか?華やかでかわいい衣装やストーリーがハッピーエンドであることなどからバレエの発表会やコンクールでも人気が高い作品です。ここではそんな『パキータ』について、あらすじや物語の特徴を紹介していきます。


  1. バレエ『パキータ』とは?
    1. 『パキータ』のあらすじ
    2. 『パキータ』の特徴
  2. 『パキータ』の動画

バレエ『パキータ』とは?

『パキータ』は、1846年にフランスで作られた全2幕3場のバレエ作品です。 元の振付はJ・マジリエが手がけました。 ナポレオン軍占領下のスペインで、ジプシーの娘パキータと、フランス軍将校リュシアンの恋をめぐって繰り広げられる物語です。
『パキータ』はマリウス・プティパが初めてロシアで演出を手がけた作品です。現在はプティパ版の中でも抜粋された部分で1幕の作品として上演されることが多いようです。音楽はエドゥアール・デルデヴェズが手がけましたが、1881年にレオン・ミンクスによって新たに音楽がつけられました。

『パキータ』のあらすじ

第1幕

(第1場)
『パキータ』ではナポレオンが率いるフランス軍統治下のスペインが舞台となっています。
フランス軍将軍デルヴィリは、権力を取り戻すために息子のリシュアンを総監ロペスの妹であるセラフィナと結婚させようとます。しかしリシュアンには全くその気がありません。総監のドン・ロペスは、祖国を占領したフランス軍を非常に憎んでいましたので、いつか仕返しをしたいと思っていました。
ある日、記念碑建立を祝うためにフランス軍一行はトゥロー渓谷を訪れ、そこにフランス将軍の息子で将校のリュシアンも同行していました。そのお祭りにはジプシーたちも集まり、パキータもいました。リュシアンは他のジプシーとはどこか違う雰囲気をもつパキータの魅力に惹きつけられ、恋に落ちてしまいます。ジプシーの娘パキータに心を奪われたフランス将軍の息子リシュアンは、パキータへ一緒にフランスへ来ないかと誘いました。しかしパキータは身分の差が気になりリシュアンの申し出を断ります。
ジプシーの首領イニゴも以前からパキータに好意を抱いていました。イニゴはパキータと親密なリュシアンに深く嫉妬し、リシュアンと争いを起こそうとします。しかし、ロペス総督が何とかその場を収めました。イニゴがリシュアンに対して激しい敵意を抱いていることがわかった総督ロペスは、イニゴを雇ってリュシアンを殺そうという計画を立て始めます。
(第2場) 
ロペスとイニゴが仮面をつけ現れ、何やら話しています。そこでパキータは2人がリュシアンの暗殺を計画していることを知ります。パキータはなんとしてでもその計画を阻止しなければと思いました。そしてリュシアンがジプシーの住居にやってきました。イニゴはリュシアンにワインをすすめます。パキータはイニゴがそのワインに毒を入れたことに気付き、隙を見てワインスグラスをばれないようにすり替えました。そして、イニゴは自分の入れた毒を飲んで倒れました。外では山賊がリュシアンを襲うため待ち構えています。パキータはイニゴたちの企みをリュシアンに伝え、2人は暖炉に身を隠しひとまず難を逃れました。

第2幕

うまく逃げ出した二人は、デルヴィリ将軍と総督ロペスらを囲んだ舞踏会にたどり着きます。リシュアンはそこへパキータを連れて現れ、総監ロペスに自分を救ったパキータを紹介します。するとこのときパキータが総督ロペスを見て、イニゴとともにリシュアンを殺そうとした男だと気が付いたのです。悪事が発覚したロペスは連行されていきました。そしてようやく2人の間に平安が戻り、その場でリュシアンは自分の命を救ってくれたパキータに求婚します。しかし身分の違いからパキータはそれを拒みました。
その時、パキータは壁に飾られた肖像画を見てその絵が自分が幼い頃から身に付けていたロケットの中の肖像画ととても似ていることに気づきます。
その肖像画は、リュシアンの伯父シャルル・デルヴィイーを描いたものでしたが、実は、パキータはシャルル・デルヴィイーの娘で、二人はいとこだったのです。パキータの身分が明らかになり、二人はめでたく結ばれます。

『パキータ』の特徴

民族色あふれるスペインのジプシーの踊りが特徴的な『パキータ』。そんな物語『パキータ』のバリエーションはたくさんあり、時代とともに増えていきました。
パキータは1846年、パリオペラ座バレエ団で有名であったジョゼフ・マジリエの振り付けにより、パリオペラ座で初演されました。そして次の年1847年にマリウス・プティパとピエール・フレデリック・マルヴェルニュによってロシアで上演され、1881年にプティパによって再上演されました。この時にパ・ド・トロワが第1幕に、グラン・パ・クラシックとマズルカが最終幕に加えられました。そして振付が一新され、グラン・パによって終幕の祝いの舞踏会がより盛大なものとなりました。このバージョンが、プティパの死後に一度途絶えましたが、その後復活。現在では多くのバレエ団で上演されているものの元となっています。さらに1897年のエカテリーナⅡ世に捧げられたガラ公演でパキータが上演された際に、ソリスト達が自分の好きなバリエーションを踊ったことがきっかけで19世紀末までに、5つものバリエーションが含まれるようになっていました。そしてその後、1902年にチェケッティのための公演でパキータが上演された際にチェケッティの教え子達が踊るために新たに21のバリエーションが追加され、それが現在まで残っているようです。

続いては実際に『パキータ』の模様が映し出された動画を紹介して行きます。

WRITER
yuki