ヒップホップ大先生!ラッパー「KRS・ワン」のプロフィールや人気曲を紹介

数々の異名を付けられ、知的に深く音楽を追求するヒップホップ界の重要人物「KRS・ワン」をご紹介します。 おすすめの楽曲やプロフィールとあわせてお送りしますので是非チェックです!

1986年からラップグループBoogie Down Productionsのメンバーとして活躍し、仲間たちからは「ティーチャ」と呼ばれるほど、知的で社会的な側面を持つラッパー「KRS・ワン」。
今回はKRS・ワンが行った重要な動きをトピックとして絞り、プロフィールと共に紹介していきます!

  1. KRS・ワンとは
  2. KRS・ワンの名曲
  3. ブリッジ・バトル
  4. Stop the Violence Movement(ストップ・ザ・バイオレント・ムーブメント)
  5. Temple of Hip Hop(テンプル・オブ・ヒップホップ)
  6. おわりに

KRS・ワンとは

1965年8月生まれ。本名ローレンス・パーカー(Lawrence Parker)。ニューヨーク州ブルックリンで生まれ。サウスブロンクスを出身として活動しているラッパーです。
「KRS・ワン」という名前の由来は”Knowledge Reigns Supreme Over Nearly Everyone”(知識がほぼ全ての人を支配する)という文の頭文字を取ったところからきていると言われています。その他、「クリス・パーカー」、「ブラストマスター」、「ティーチャ」、「フィロソファーズ」といった異名も存在しています。

ラッパーとしてのキャリアは、サウスブロンクスを拠点に活動していたグループ”Boogie Down Productions”のメンバーとしてスタートしました。このBoogie Down ProductionsはKRS・ワン、D-ナイス、およびDJスコット・ラ・ロックの三人で結成され、1986年から1992年まで活動しました。ヒップホップ誕生の地を巡って”ジュース・クルー”と対立したグループとしても有名です。

Boogie Down Productions名義で5枚のアルバムをリリースした後、ソロ名義で1993年の『Return of the Boom Bap』というアルバムをリリース。このアルバムを含め2017年までに13枚のスタジオアルバムをリリースしています。
また、「ストップ・ザ・バイオレント・ムーブメント」という非暴力を推奨する団体の設立、Front Page(フロント・ページ)という自主レーベルの立ち上げ、テンプル・オブ・ヒップホップという協会の立ち上げ、自身の著書「Science Of Rap」を出版していたりと、活動の幅は多岐に渡ります。
これが「ティーチャ」と呼ばれる所以なのか、”ヒップホップ”という名の元に、メッセージ性の強い言葉・活動を数多く残す社会派ラッパーです。

KRS・ワンの名曲

Step Into A World

MC’s Act Like They Don’t Know

Sound of da Police

A Friend

Boogie Down Productions – My Philosophy

ブリッジ・バトル

サウスブロンクスを拠点とするKRS・ワンも所属するBoogie Down Productions(以下BDP)と、クイーンズを拠点とするグループJuice Crewの対立が1986頃に巻き起こります。

事の発端となるのがクイーンズ出身のマーリー・マールがプロデュースした、ラッパーMCシャン(どちらもJuice Crewのメンバー)の楽曲「The Bridge」のリリックが、「クイーンズこそがヒップホップの発祥だ」といったような内容のものでした。

MC Shan – The Bridge

ヒップホップ発祥の地として広く知られているサウスブロンクスサイドのBDPのKRSワンは、これに対し楽曲「South Bronx」で「そんなラップサウスブロンクスに持ち込んだら生きて帰れると思うなよ」と反論します。

Krs-One – South Bronx

これにマーリー・マールとMCシャンは「Kill That Noise」にて応戦。

MC Shan – Kill That Noise

さらにこの「Kill That Noise」に対しKRSワンは「The Bridge Is Over」でやり返す…。

BDP – The Bridge Is Over

といった感じでサウス・ブロンクスvsクイーンズという構図の論争が繰り広げられ、この対立によって両地元のラジオ局(ブロンクスWBLS・クイーンズKISS-FM)は互いのグループの楽曲を放送禁止にするまでに及んだそうです。この両グループの対立はヒップホップ史にも大きく刻まれた出来事となりました。

95年頃には正式な手打ちもされているようで、2007年の7月にはこの対立の中心人物であったKRS・ワンとマーリー・マール、の2人がタッグを組んで『Hip Hop Lives』というアルバムリリースも行っています。

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