ダンスのお陰でサッカー全国大会出場!?ダンスがスポーツに引き起こす表現の可能性とは

今回は、「ダンスをしたことで自分が変わった!」と語るサッカー全国クラスの男子高校生二人を紹介。 一見全く関係性のない「ダンス」と「サッカー」という2つの競技に秘められた共通点とは?


「ダンス×サッカー」について話してくれたのは、坂下健将くん(18歳・尚志高校)と加瀬直輝くん(18歳・尚志高校)のお二人。
現在高校三年生の彼らは中学生の頃からクラブチーム「ACカラクテル」に所属し、中でもツートップとしてずっと一緒にサッカーをしてきた間柄でもある。
そんな2人は、現在では全国高校サッカー選手権で見事優秀な成績を納めているスーパー高校生なのだが、そんなトップアスリートの二人が以下のように語っている。

「サッカーのスキルには自信があったのですが…殻を破ることが出来ずにずっと悩んでいたんです。自分を変えるキッカケが自分の中でもずっと欲しくて。ダンスは人生が変わるキッカケだったなと、本当に思います。」

「本当に大げさに聞こえてしまうかもしれないんですが、ダンスプログラムを経験していなかったら、高校に上がった時にどうなっていたか想像できないです(笑)」

一体ダンスが彼らにどのような影響を与えたのか。
ぜひ一読いただきたい。

高校全国大会3位レベルの「サッカー選手」たち!

2人がサッカーを始めたのは小学校の時。ご兄弟の紹介から興味を持ち始めて始めたサッカーも、気がづいたら夢中になっていたとのこと。
中学生になってからは、さらなる成長を求めてクラブチーム「ACカラクテル」に入団。ここで出会った2人は一緒に真剣にサッカーに打ち込むようになった。
今までのサッカーの環境とは全く違う、仲間たちと本格的な練習の日々。毎日の特訓を重ねて、サッカーのスキルが上達していく最中、それぞれが壁にぶつかることに。

当時1年生の時から実力を見込まれ、入団後には学年キャプテンを任された坂下くん。しかし、上手くチームをまとめきることが出来ずに悩んでいたと語る。

「キャプテンとして、自分じゃダメだ、と落ち込んでいましたね。」

悩みを抱えて2年が経ち、いよいよ自信を失った坂下くんは「キャプテンを辞めたい」と周囲に相談していた。するとコーチから、「一人で背負いこまず、誰かと一緒にやってみないか?」との提案が。

その言葉を受けた坂下くんは、加瀬くんを相方として一任、ダブルキャプテンとして動き始めたのだ。

選手たちの「ダンス」との出会いは突然に!

彼らがダブルキャプテンとして試行錯誤を始めてから数ヶ月が過ぎた頃、坂下くんと加瀬くんの関係は少しづつギクシャクとしたものに。

「加瀬くんに言われたことを素直に受け入れることができなかった時期があって。喧嘩まで発展することが結構多かったです。」

「大きな試合の最中に物凄い大喧嘩になったこともありました。そのまま試合にも負けてしまって。」

今では全国レベルで活躍している2人は、当時はキャプテンとしてのプレッシャーやプライドで喧嘩が絶えない日々を送っていたのだ。

キャプテンの仲違いでチーム内でも険悪な雰囲気になることが多くなり、見兼ねたコーチがどうにか出来ないかと再び提案。

それがなんと、「全員でダンスを踊る」ということだったのだ。

「ダンスを踊ってもらうと急に言われて、ビックリしました(笑)出来るのかな、って。家族内でも、”なんでダンスなの?”と話し合いになりました。」

しかしこのコーチの思い切った発想が、彼らの環境を変えるきっかけになる。

ダンス合宿をきっかけに変われた!

コーチに言われて彼らはダンスの合宿に向かうことに。このダンス合宿の時期は、ちょうど3年生の彼らに取って卒団シーズン(いわゆる卒業)直前。
サッカーの技術を極めてきた彼らの中に、勿論ダンス経験者もいなければ、踊ったことすらのない、いわゆる「初心者」。緊張の中向かった合宿先で行なったダンスは、彼らの想像を超えたものだった。

「仲間たちと一緒にダンスの練習をして、全員が心からひとつになったんです。」と坂下くんは語る。

「当時、自分の中の気持ちも、チーム自体も、全部が全然まとまりきっていないバラバラの状態だったので…この機会を逃していたら、自分の中にもモヤモヤを残したまま高校に行ってしまっていたと思います。」

当時のダンス合宿中の様子(中央)加瀬くん

合宿中には、ダンスを通して「相手に想いを伝える」ということを大切に、少し勇気を出して人前に立って踊ったり、お互いのダンスの見せ合う時間を設けたり、仲間と一緒に練習をしてチームワークを高めあった。

ダンサーにとっては”当たり前として行なっている”事でも彼らにとっては、いつものサッカーとは違い、かなり新鮮なこと。

思い切って身体を使って”自分”を表現してみることで、仲間の想いを受け止めたり、伝えることの大切さを身を以て感じたという。

「ダンス」と「サッカー」の意外な共通点

「ダンスの”表現力”というところは、大きな共通点があると思います。」と2人は語る。

「多くの人に注目されながらもステージに立って、最後まで諦めずに踊りきる!というのは、大きなスタジアムに立って、大勢の人前でサッカーをプレイする!という場面で今生きていると思います。」

「一つ一歩踏み出して自分の殻を破ってみる、出してみる、という”キッカケ”が自分のサッカーの活動に生きています。」


当時の本番の様子。(左)坂下くん、(右)加瀬くん

ダンス合宿前の坂下くんは極度のあがり症。人前に立つのが得意ではなく、いざという場面では息するのも苦しいくらいに緊張してしまい、足も震えていたのだ。「人がたくさんいる中でダンスしたことによって、人前で表現する楽しさを覚えたんです。」と笑顔で語った。

いつものサッカーとは違う、新しいフィールドでの挑戦は、彼らの一歩を後押しするキッカケになっていたのだ。
「このダンス合宿を経験して、自分の殻を破けたのがキッカケで、以後全然緊張しなくなったんですよ!全国の舞台でも全く緊張しなかったです(笑)」
ーー今後さらに大物になる予感しかしない。


当時のチームの仲間たちと一緒に踊る様子

一方加瀬くんは、”自分を魅せる”という所に大きな共通点を感じたとのこと。

「ダンスは”個々”を見られる競技だなと思いました。」

「高校に入ってから個々を見られることは尚更多かったので、合宿中にダンスを通して自分を見てもらうという経験が出来てかなり大きかったです。」

「ダンス」がきっかけで変われた!


当時講師を務めたTO MY HERO projectの代表 菊地雄亮さん

「このダンスの合宿を通しての感想はありますか?」と聞くと、こんな返事が返ってきた。

「本当に大げさに聞こえてしまうかもしれないんですが、この合宿に参加していなかったら、高校に上がった時にどんな自分になっていたか想像できないです。
中学の時はキャプテンを務めていたけど、仲間に意見も言えず、自分でも「変わらなくちゃ!」と思ってはいたのですが…殻を破ることが出来ずにずっと悩んでいたんです。自分を変える”キッカケ”が自分の中でもずっと欲しくて。人生が変わるキッカケだったなと、本当に思います。
ダンスをするのも、人前に立つのも苦手。さらには殻も破れない人も多いと思うのですが、僕自身も表現するのが苦手なひとりでした。でもこのダンス合宿を通して、人前に出て表現をする楽しさが分かって、自分の今後の人生に影響するものになったんです。なので、今後この合宿を経験する人は是非本気で打ち込んでみてほしいです!」

ダンスの表現の可能性を追求する「TO MY HERO project」

高校全国で今現在活躍中の2人が経験した、この「ダンス合宿」。果たして誰が行なっているのかと思う方も多いはず。実は、「TO MY HERO project」という団体が行なっているもの。

『最大限自分らしく生きる人』が溢れる社会の創出、を理念に掲げ、2016年より幼稚園から社会人で幅広い層に対して精力的に活動を行なっている。

人の可能性を制限してるものを取っ払い、ホンネに触れるキッカケを生み出すという、教育的空間づくりをダンスというツールを使ってプロクラムを各地で開催。今では約5,000名をも超える人々がこのプログラムを受講しているのだ。

神宮司秀将

TO MY HERO project 公式HP:
http://to-my-hero.rprojectjapan.com/

TO MY HERO project 公式Instagram:
https://www.instagram.com/to_my_hero_japan/

最後に、今後TO MY HERO projectに関わる人へ2人からのメッセージをいただいた。
「プロジェクトが「なんの為にあるのか」、そして「どういう目的でやるのか」ということ理解して行うことが物凄く大切だと思います。僕たちは3年経って、プロジェクトを行なっていて本当によかったと気づかされることが多いので。僕たちのような同じ経験ができる人がもっと増えて欲しいなと思います。」