意外と知らないゲネプロとリハーサルの違いとは?

ゲネプロとリハーサルって、よく聞くけど違いは?と問われると、言葉につまる方が多いはず。マリインスキーバレエや、東京バレエ団、三浦春馬さんや、柚希礼音さん、窪田正孝さんの公開ゲネプロ映像とともに解説しています。


使う場面や状況によっても違いますが、クラシックバレエの現場では、「リハ(リハーサル)」は練習に近い状況の時にも使います。通常レッスンとは違い、発表会本番に関する練習を行うものは全て「リハ」と呼んでいる教室も多いのではないでしょうか。ゲネ(ゲネプロ)は、私は、本番当日や前日に本番と全く同じスケジュールで、衣装も着けて行うものという認識でした。
ゲネプロやリハーサルという用語は、もちろん、クラシックバレエだけでなく、演劇やバンドのコンサート、ダンスの発表会等でも使われる語です。現場現場によって、使われ方には微妙な差があるようですが、本来はそれぞれにどのような意味があり、どのような使い方をすべきなのでしょうか。

ゲネプロについて

ゲネプロの意味はずばり、「通し舞台稽古」です。
実は略語で、本来はGeneralprobe(ゲネラールプローベ)というドイツ語なのだとか。“General”は「総合」、”Probe”は「稽古」という意味なので、「稽古」ではあるようですが、現在はあまり「稽古」という扱いではありませんよね。オペラやバレエ、演劇などの舞台芸術やクラシック音楽において、初日公演や演奏会の本番間近に本番同様に舞台上で行う最終リハーサルという説明もあるようなので、やはり、リハーサルよりはもっと本番に近いものだと考えられそうですね。
さらに演劇界や、クラシックバレエ、ダンスの現場などでは、「ゲネプロ」とすらいわずに「ゲネ」と、より短くして使うことの方が多く、「ゲネ」が「ゲネラールプローベ」という意味だなんて、知らない人の方が多いかもしれませんね。
ちなみに、メディアなど呼んで、撮影を許可し、いくつかの説明を加えながら行うのゲネプロを「公開ゲネプロ」と呼んでいます。

リハーサルとの違い

少し触れたように、本番に最も近いのが「ゲネプロ」で、その前にあるのが「リハーサル」というとらえ方の現場が多いようですが、言葉の意味としてはどうなのでしょうか。
リハーサル(rehearsal)は、英語です。
個々の場面を本番と同様に進行させて、進行を確認する行為だと定義づけられており、下稽古・予行演習と同じだとされているので、ゲネプロとあまり意味はかわらないようですね。テレビ番組の作成や、バンドなどのコンサートの現場では、「ゲネ」という語はあまり使われず「リハ」がほとんどなのだとか。

ではなぜ、使い分けられ、それぞれに違う意味が付与されたのでしょう。

そこには実は語源が英語かドイツ語かということが大いに関わってくるのです。
そもそも、演劇やオペラ、クラシックバレエなどは、ドイツの人が日本人に教えることが多かったのだとか。だから、伝統的な芸術はドイツ語の「ゲネ」を重視して使い、「リハ」はそれよりも重要度の低いものとして扱うのではないかと考えられているようですよ。

現場によって使い分けられているということと、両方を使う現場では、「ゲネ」の方がより本番に近いものだということをおさえておくとよさそうですね。

動画で見る公開ゲネプロ

本当にゲネか?と思ってしまうマリインスキーバレエの公開ゲネですが、衣装を着ていない人がいたり、化粧っ気が少ないことからもゲネだとわかりますね。
あと、主演がダブルやトリプルのピルエットを封印し、シングルで回るにとどめていることも、よく見ているとわかるはず。公開ゲネで本番に期待を抱かせるというのは、1つの手なので、「うわー、この人はもっと回れるんだろなあ」とか、「きっともっと高く跳ぶんだろうなあ」と観るものに感じさせるのが、さすが!です。本番を観たい!と思ってしまいますものね。

こちらは舞台「唐版 風の又三郎」の公開ゲネの映像です。2月8日(金)~3月3日(日)まで東京・Bunkamuraシアターコクーンで上演されていたものですが、ゲネというより本番そのものに見えますね。窪田正孝さんと柚希礼音さんのW主演舞台であることでも話題を集めた本作は、唐十郎のアングラ演劇を、唐の元で指導を受けた金守珍(きむすじん)さんが演出されたもの。本番も是非みたい!と思ってしまいますよね。

こちらは三浦春馬さん主演のミュージカル『Kinky Boots』の公開ゲネプロ。すごい迫力と仕上がりですね!

こちらは舞台『俺たちマジ校デストロイ』の公開ゲネプロ映像です。

こちらは、東京バレエ団の『第九交響曲』の公開ゲネプロ映像です。公開し、映像になるものだからか、「リハーサル」という言葉も使っていますね。

まとめ

周りの人が、「わかっていて当然」という感じで使いこなしている言葉について「なぜ?」とか「それってどういう意味ですか?」と聞くのはなかなかハードルが高いものですよね。特にダンスや演劇の現場では「え、そんなことも知らないの?」という反応をされるのはなんとなく嫌。でも実は、深い意味や語源は知らずに、前にならえでその言葉を使っているというようなことって多いのかもしれません。
ふと気になったら、調べてしっかり理解しておきたいですよね。