実は遅咲き?!新国立の絶対的プリンシパル小野絢子

17歳までプロになることなんて考えたこともなかった…という遅咲きのバレリーナ小野絢子さんについてご紹介します。 プロフィールや経歴から現在の活動までまとめておりますのでぜひご覧ください!

新国立バレエ団と聞けば、小野絢子さんを思い浮かべるバレエファンの方は多いはず。バレエについてはさほど詳しくないという方も、彼女が主演の時はいち早くチケットが完売すると聞けばその人気ぶりがお分かりになるはず。なぜ彼女がそんなに人気なのかは、彼女の踊る姿をご覧になればわかるはず。ここからじっくり小野絢子さんの魅力を紐解いて参ります。

小野絢子のプロフィール

1986年4月6日生まれ。東京都出身。身長162センチ。
少女のようなルックスからは、年齢が全く想定できませんね。

小野絢子の経歴

1986年:東京都で生まれる。
1990年:4歳の時に4つ上のお姉さんに憧れてバレエを習いはじめる。

習いはじめるともうどっぷりバレエ漬けで、15歳頃からローザンヌ国際バレエコンクールなどで結果を残すダンサー達が多い中、小野さんはバレエと同様に続けていた日本舞踊を中学生まで続けています。いくつかのインタビューでは、ややぽっちゃりしていて、高校生になるまでバレエダンサーになんてなるつもりはなかったと語っていらっしゃいます。ぽっちゃりされていたなんて、今では信じがたいですね!

2003年:プロのバレリーナを目指し始め、フランスに留学。パトリック・アルモンに師事する。

プロを目指しはじめた頃の小野さんのジゼルは、はじめのパンシェがとても美しいですね。もっと感情的にこってりと踊る人が多いこちらのヴァリエーションを、あっさりと踊っているのが印象的。あっさりしているからこそ、可憐さがひきたっているような気もしますね。
もちろん、情感豊かに踊るジゼルだって素敵ですが、下の動画と見比べると、17歳の小野さんのジゼルがあっさりめだということは、お分りいただけると思います。

2004年:18歳で小林紀子バレエシアター入団。アデリン・ジェニー国際コンクールで金賞を受賞。
2005年:19歳で新国立劇場バレエ団研修所に入所。
2006年:新国立劇場バレエ団に19歳でソリストとして入団
2009年:22歳で新国立バレエ団の代表作『アラジン』で主演デビュー

2010年:スワン新人賞を受賞。
2011年:第61回芸術選奨文部科学大臣新人賞、第42回舞踏批評家協会新人賞を受賞。
2012年:25歳でプリンシパルに昇格。
2014年:第30回服部智恵子賞を受賞。
2019年:第69回芸術選奨文部科学大臣賞(舞踊部門)を受賞。

小野絢子の魅力をバレエ経験者が解説

小野絢子さんの魅力は、「基本をしっかり押さえているからこそ生み出される美しさ」にあると私は考えます。海外のダンサーたちは時折、感情や演技に振り回されて基本のポジションを外すことがあります。それが良くないということではありません。彼らはみんなプロフェッショナルなので、基本のポジションを外しても美しく、もはや基本のポジションを外していても美しいことに価値があるのではないかとすら思ってしまいます。でも、小野さんはどんなに感情があふれ出る踊り方をしているときも絶対に基本から外れた動きはしません。整えに整え、そしてコントロールしているのにあふれ出てくる感情表現は、コントロールすることを放棄した感情表現より胸に迫るものがあるのです。また、彼女は数々のインタビューで、「私を見て欲しいという思いは一切ない」と語っています。作品の中の1ピースとなることを好み目指している彼女だからこそ、自分一人の感情表現を先走らせるのではなく、コントロールすることに力を注ぐ踊り方ができるのかもしれません。

弾むような動きなのにどこか一種落ち着いた印象を受けるのは、彼女が幼少の頃に日本舞踊を習っていたことにもよるのかもしれませんね。インタビュー等で、日本舞踊を習い続けるかバレエを続けるのかを迷ったこともあったと語っておられるので、日本舞踊が彼女のバレエに影響を与えていることは大いにありそうですね。

小野さんがいかに丁寧に、そして真摯にバレエに向き合っていらっしゃるのかが良くわかる動画ですね。バーレッスンもセンターレッスンも、指先が床から離れる瞬間にぐっと伸びていて見惚れてしまいます。また、常にアンディオール(足が外側をむいている状態)されている脚は、バレエをしていない人から見ても、長くて美しいことはわかるはず。鍛え自分を磨き続けているバレエダンサーの生きざますら垣間見えてしまう貴重な動画ですね。

小野絢子の魅力が伝わる厳選動画

マノン

少女から大人になっていく姿を踊り演じきる小野さんは、普段の少女っぽさをかき消し、インタビューに答えている時すら妖艶な気配を漂わせていらっしゃいます。ただし、多くのダンサー達が妖艶さを重視して踊りがちなこの役柄を、小野さんは最後の最後まで妖艶の中に残る純真を失わずに踊りきり、小野絢子にしかできないマノンを生み出したといえるでしょう。デグリューといる時のマノンは、妖艶さなんて纏っていなかっただろうということに気づかせてくれる彼女のマノンはもっともっと評価されるべきだと、私は思います。

まとめ

小野絢子さんの魅力は制御に制御を重ねた奥から溢れ出るもの。是非新国立劇場においでになって、生で彼女のバレエを味わって下さい。