ルドルフ・ヌレエフってどんな人?森下洋子さんとも共演!

お家にいる時間が長い今こそ、優れた映画や芸術に触れたい方におススメなのがヌレエフを描いた映画!映画を見る前にヌレエフを知ると、より楽しめますよ。


ヌレエフの定義づけは人によってさまざまです。「勇気ある亡命者」というとらえ方をする方もいれば、「(理解者の少ない時代に)同性愛を公言した勇者」という人もいます。またAIDSによる合併症のためにたった54歳でその生涯を終えた「短命のダンサー」というとらえ方をする人もいます。
あなたは、ヌレエフをどんな人物だと考えますか?

彼の人生を映画にしたがる監督や、バレエ作品にしたがる演出家はかなり多く、2017年にも彼の名が付いた「ヌレエフ」というバレエ作品がボリショイ劇場で上演されました。彼の何が、多くの人を惹きつけているのでしょう。

ルドルフ・ヌレエフとは

左のかわいらしい笑顔の男性がヌレエフです。

生年月日:1938年3月17日
出身地:ソ連
1993年1月6日に死亡

誕生日は3月17日だということになっていますが、父親の赴任先に向かう途中のシベリア鉄道の車内で生まれたため、正確ではないといわれています。
ヌレエフという名はアラビア語で「光の」という言葉をロシア風にかえたもの。
誕生の瞬間から、もうドラマティックな気配はしていますね。

経歴

1938年:誕生
1941年:3歳でバシキール共和国ウファに移住しそのころから舞踊に興味を示していた
1944年:この頃から民族舞踊のサークルに参加し、レッスンを受けるように。父親には反対されていた
1949年:11歳の時に元ディアギレフ・バレエ団のアンナ・ウデルソヴァからバレエを習いめきめきと頭角をあらわす
1955年:17歳でロシアバレエの名門校、ワガノワ・キーロフバレエ学院に編入
プーシキンに師事した後、ソリストとしてキーロフ・バレエ(現マリインスキー・バレエ)に入団
1961年:23歳の時、海外公演の途中に亡命
1963年:25歳ごろから英国ロイヤル・バレエのゲストとして20年近くマーゴ・フォンテインとペアを組んで踊る
1964年:ウィーン国立歌劇場で自分とマーゴ・フォンテインが出演する「白鳥の湖」を振付する
1982年:43歳でオーストリア国籍を取得
この頃にはパリ・オペラ座芸術監督に就任し、シルヴィ・ギエムやマニュエル・ルグリといった才能あるダンサーたちを育てた

こちらは、1983年に日本のバレエダンサー森下洋子さんとヌレエフが共演したときの映像です。ヌレエフが森下さんとの共演を望み、実現したものなのだとか。
彼は、自身が一流なだけでなく、一流を見抜く目を持っていました。

森下洋子さんについては以下の記事をご覧ください。

シルヴィ・ギエムがいかに凄いダンサーなのかということも以下の記事をご覧になっていただけるとわかります。

また、レパートリーの刷新なども行い、現代作品とクラシック作品が共存する現在のオペラ座の礎を築いた
この頃、コペンハーゲンのダンサーであるエリック・ブルーンの才能にほれ込んだヌレエフは彼と恋人関係となる。この関係はブルーンが1986年に死亡するまで続いた

こちらがエリック・ブルーンです。華奢でしなやかな踊り方は、ヌレエフでなくても魅了されてしまいますね。

1993年:54歳の時AIDSによる合併症のため死去

ヌレエフがわかる動画

映画「ホワイト・クロウ」

こちらは、ヌレエフを描いた映画「ホワイト・クロウ」。
幼いころから恵まれた環境下にはおらず、貧しさや周囲の無理解、父の反対などを乗り越えて生きてきたヌレエフは何に突き動かされていたのか。
この映画は、「人の心を強く揺さぶるもの」が何かを教えてくれる映画です。そしてこの映画をより深く理解するために、ぜひ、実際に踊るヌレエフを見てほしいのです。

「海賊」よりアリのヴァリエーション

力強いハイジャンプに目を奪われます。このころのヌレエフは反抗的で激しい性格だといわれていました。「芸術」が制限されることに我慢がならなかったと後年述べており、バレエで現状を打破しようという姿勢が、踊りの力強さにあらわれているのかもしれません。この頃彼は、「一歩一歩のパに自分の血の跡が残らなければならない」と語っていました。その覚悟がうかがえるような力強さですね。

「バヤデール」よりソロルのヴァリエーション

政治的なしがらみから解放されたヌレエフは、伸びやかに、そしてしなやかに踊るようになりました。

ヌレエフと着ぐるみによる「白鳥の湖」

こんなお茶目な一面を見せることもありました。

「ドン・キホーテ」の一場面

踊ることが、ヌレエフにとっては何よりの喜びだということが伝わってきます。

まとめ

ヌレエフという人物は、なんともとらえがたい人物だと私は思います。ただ彼は、バレエ(ダンス)という魔物に捕まって、逃げることなくその魔物に挑んでいった稀有な人物なのかもしれません。