もはや別格!ロシアの輝く星「ザハロワ」とは?

バレエに興味のない方も、その踊る姿を見たら目が離せなくなる存在が「ザハロワ」という人です。なんという名称の動きか、どんな役柄を踊っているのかが分からなくても、美しく素晴らしく、そして特別な存在だということは、彼女の踊る姿を見ると分かります。ぜひ、この記事で彼女について知ってください。

ザハロワというバレエダンサーのお誕生日に、ロシアのプーチン大統領は「稀有な才能、見事な技、ご自分の使命に対する忠誠心が貴殿を創造における本物の高みに到達させ、祖国の、そして世界のバレエ界の輝く星とならしめたのです」といった内容の祝電を送りました。
これはもちろん異例のこと。
それほどにザハロワという存在は、ロシアにおいて、いや、世界において特別なのです。

ザハロワのプロフィール

本名:スヴェトラーナ・ユーリエヴナ・ザハロワ(Светлана Юрьевна Захарова/Svetlana Yuryevna Zakharova)
ザハローワと表記されることもありますが、本記事では「ザハロワ」で統一します。

生年月日:1979年6月10日
出身地:ロシア共和国ウクライナ
所属:ボリショイ・バレエ団/ロシア共和国与党
階級:プリンシパル

実は、政党に所属し、議員としての一面も持つザハロワさん。来日時に阿部首相を訪問した姿もやはり美しいですね。

家族:ヴァディム・ヴィクトロヴィチ・レーピンというバイオリニストの夫と小学生になる娘アンナ・レーピナ

ザハロワの経歴

キエフ・バレエスクールとワガノワ・バレエ・アカデミー大学院で学ぶ。

バーレッスンの時に画面の左側にいるのがザハロワさん。センターの時はずっと中央にいます。群を抜いて手足が長く、足が外をむいていますね。すでにスーパーダンサーの雰囲気です。

1996年:17歳でマリインスキーバレエに入団
2000年:21歳の時に来日。マリインスキー劇場バレエ公演では「眠れる森の美女」の主演をつとめる

2001年:パリ・オペラ座の舞台を「ラ・パヤデール」のニキヤ役で初めて踏み、好評を得る。
2003年:ボリショイ・バレエ団に移籍。プリンシパルに
2006年:ロシア国民賞を受賞
2008年:ロシア人民芸術家の称号を得る
2010年:ロシアの天才バイオリニストであるヴァディム・ヴィクトロヴィチ・レーピンとの結婚と妊娠を発表

芸術家同士のカップルは絵になりますね。

2015年:自らの名を冠した「スヴェトラーナ」という子どものための舞踏祭をモスクワではじめる

2019年:バイオリニストの夫とともに来日し、公演を行う

ザハロワの魅力をバレエ経験者が解説

ザハロワさんの魅力は無数にありますが、誰もが必ず彼女の魅力としてあげるのはその類まれなるスタイルです。

小さい顔と長い首。そして長くてしなやかな筋肉をまとった手足。
「これぞバレエダンサー!」というスタイルはもちろんザハロワさんの魅力。
そしてその美しいスタイルは、正しいポジションに位置づけられるからこそ輝くのだと私は思います。

コロナウィルス禍で劇場やスタジオに行けなくなった彼女は、自宅でレッスンを続けていたのですが、足の角度をご覧になってください!
このポジションをバレエでは「一番ポジション」と呼ぶのですが、こんなに開いた一番ポジションをとることのできる人は、世界中のダンサーの中を探してもおそらく、ザハロワさん以外にはいないでしょう。
この角度を保つことができるのは、もちろん持って生まれた骨格条件もありますが、彼女の鍛錬がものをいっています。
彼女が卒業したワガノワバレエ学校では、この一番ポジションだけを数カ月にわたってトレーニングする授業があり、彼女もその中でこの美しい一番ポジションを手に入れたのでしょう。

そして、もはや「人間離れしている」ともいえる柔軟性。
彼女は、バレエに向いている自身の身体を、さらにバレエのために鍛え上げた天才バレエダンサーなのです。
さらに、彼女はどんなに一つの役柄になりきっていても、正しいポジションを外して踊ったりすることはありません。
かなり感情的な役柄を、感情をこめて踊っているときも、彼女のバレエはパーフェクトで正しいのです。
そのためか、常に彼女の踊る姿には「知性」が宿っているようにも感じられます。

ザハロワの魅力が伝わる厳選動画

「ラ・バヤデール」よりニキアの死

パリで好評を得たバヤデールは、確かに、観る者をひきつけてやまない踊りっぷりです。
恋人が自身を裏切って結婚しようとしていることへの嘆きからはじまり、そんな恋人が自分に花を贈ってくれたことに狂喜し、その花かごから出てきた蛇にかまれて死の危機に瀕するところまで、息をつめてみてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
言葉で説明せずとも、喜怒哀楽をみてとることのできる素晴らしい表現力です。そして、これほどのものを表現しているのに、長く美しい足が乱れたポジションにあげられることは全くないとは・・・言葉を失ってしまいますね。

「白鳥の湖」より白鳥と黒鳥

白鳥と黒鳥という清純と邪悪の二つを一人のダンサーが踊るという難しさが、「白鳥の湖」にはあります。
しかし、ザハロワさんは完全なまでに踊り分けるのです。

儚く悲し気な白鳥と、強気で激しく踊る黒鳥は、同じ人物が踊っている者とは思えません。
また、1:09からはじまる連続回転は「グランフェッテ」といい32回転する技なのですが、「王子を誘惑し罠に陥れる」という役柄上、アレンジが加えられることが多いものです。しかし、ザハロワさんは規定通りの回転をしながらも「黒鳥」というキャラクターを存分に表現しています。

まとめ

完璧で美しいザハロワさんですが、インスタグラムでは猫をかわいがる姿や、日々鍛錬を重ねている姿を見ることができます。日常すらも美しい彼女の姿に見惚れているとあっという間に時間がすぎてしまいますよ!