【ダンサー × ミズノ社員】会社員でありながらROCK STEADY CREWとして活躍するBBOY 2ucci

STAFF
ダンスは続けられたんですか?

2ucci
就職した直後はダンスどころじゃなかったですね。仕事に夢中でした。
もちろん週末はやっていましたが、平日は残業も多く、そんな踊る気力は出なかったです。
それでも、精神的にも身体的にも疲れてても倒立すると全部忘れ気持ちがリセット出来るっていう感覚があってそれはよくやってました。
BBOYあるあるかもしれないですね。倒立したがる。

STAFF
倒立にそんなパワーがあるんですね(笑)。
ダンスのイベントやバトルには出演していたんですか?

2ucci
タイミングで、声掛けられて出るとか誰かがやってる記念イベントとか、前々から活動してたコペルニクスでみんなで久々に集まって出るとかそういうことが多かったです。
そもそも自分がダンスを始めた時代は、ジャッジがいるバトルというのが今ほどない時代だったので、自分にとっての一番自然なBBOYとしてのヒップホップの形はサイファーでした。
だから週末みんなで集まって、仲間と一緒に踊り合うっていうのだけで満足してる。
後は、クラブに遊びに行ったりして踊ったりとか、全然ヒップホップじゃないクラブに迷い込んで、踊ってつまみだされたりとか(笑)。

STAFF
社会人とダンスを上手いこと楽しめていたんですね。
SEは、どのくらいやられてたんですか?

2ucci
SEは4年間ですね。

STAFF
転職のきっかけはなんですか?

2ucci
大学の仲間や後輩とか、皆ダンスをやめていく中で、自分はなんでやめてないんだっていう疑問がありました。
そうなると自分の中に残ってるのをまだまだ活かしたいと思うようになりました。
そこでITに関することも含めて、自分が持ってるものを棚卸した時に、転職というのがポンと出てきて、それを社会に対してアプローチできるものに変えるとしたらどんな仕事なんだろうと考えて入ったのがエイベックスです。

STAFF
エイベックス。音楽業界だったのですね。

2ucci
エンタメとITの融合という様なイメージで、当時エイベックスの音楽配信などアーティスト2次ビジネスを行っているグループに転職しました。当時だとCD以外の音楽配信、グッズ、ファンクラブなどをディレクションする仕事で、様々な経験ができました。
その後、当時あったエンフォースというダンスブランドに携わることになったんです。

STAFF
エンフォース、覚えています。
ダンサー向けのTシャツなど出していましたよね?

2ucci
はい。その担当でした。
スウェットパンツがすごくて、特殊な生地で汗を吸収すると通気性がよくなるというもので、Tシャツは吸汗性、質感、シルエットもよいダンサーに特化していた商品でした。

ダンサーがプロダンサーとしてアスリートに近い体の酷使の仕方やトレーニングをすると考えたら、それをサポートするためのものが必要だろうという考え方です。
そしてそれを実際に製造していたメーカーがミズノなんです。

STAFF
ほー!それでミズノに繋がるわけですね。

2ucci
はい、その後ミズノに入ったのは5年前くらいですね。

ミズノ社員としてダンサー向け商品を企画

STAFF
ミズノではどのような担当をされているんですか?

2ucci
事業企画部に所属していて、マルチトレーニングアイテムを扱っているチームにいます。
そこでダンス向けの商品、ダンサーをサポートするモノやコトの企画にも携わっています。

STAFF
現在もダンサーの商品があるのですね。
エンフォースから10年近くたちますが、ミズノには、継続的にダンスのグッズがあるんですか?それとも新たにスタートしたってことですか?

2ucci
新たにスタートです。以前とは違ったマーケティングをしています。
元々野球のイメージが強いと思いますが、ミズノは総合スポーツメーカーであり、経営理念は「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する。」です。
ダンスの世界をスポーツメーカーとしてどうサポート出来るか、どう会社として取り組むことが出来るかを試行錯誤し、再スタートしました。
サーフィン、スケボーでいったら板があるし、いわゆるギア的なモノが有るか無いかでスポーツメーカーとしてもやれることは大きく変わります。
それがダンスとなると、根本は何もなくてもできるんですよね。
カルチャーとして何もないところから始まったわけだし、そこに無理くりモノを作りビジネスを生み出すのではなく、本質的に必要なモノがあれば作りたい。そんな風にミズノらしいことを考えています。
ミズノは今年で111年目になり、歴史があるからこそどういうものができるか。
今ダンスは、メディアも注目し言わば流行、高校生ダンス部、大学ダンスサークル、子供の習い事を筆頭にダンス人口は急増しています。
その反面、環境が整っていない中でダンスを頑張っている若い世代が増えています。なのでそういう人たちを支えてあげる必要があると思っています。

STAFF
111年目。確かにものすごい歴史ですね。
そんな試行錯誤を重ねた末、ダンスに特化した部分っていうのはどういうところなんですか?

2ucci
一つの視点は、自分の体と向き合って欲しいということを思っています。
怪我もそうだし、技術という意味ではフィジカルという視点もある。
ダンスは大会も増え、やるからにはそこを目標にしてダンスに一生懸命がむしゃらに取り組む人も増えています。なので、気付かずに体を酷使しているダンサーや、若い成長過程の高校生とか中学生の部活でやってる子たちには体をある程度守ってあげるものっていうのが必要だろうというのが一つのアプローチです。

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