METH(XXX-LARGE)らが、休止宣言をした理由を明かす「一回ずつもっと入魂していきたい」

(左からMETH、DJ O-NO)

惜しくも、2017年11月25日(土)の開催をもっていったん休止することを宣言したパーティー「SNAFU SAPPORO」。

このパーティーは、2007年に東京でスタートし、場所を北海道へ移してからも回を増すごとに盛り上がりを見せていた。もちろん、ラストとなった今回もまた、これまで以上に盛り上がり、終了した。(その様子はコチラから)

そんなパーティーとあって、突然の休止宣言に驚く声も多かった。一体、なぜそこまで好調にキープしていたパーティーを、この回を持って休止することにしたのだろうか。
パーティーの仕掛け人であるMETH(XXX-LARGE)とDJ O-NO(SHAFTT)ら、SNAFU SAPPOROを支えた人たちに話を聞いた。

——-SNAFUはパーティーとしての盛り上がりはもちろん、オーガナイズ側が東京で開催していたとき以上に一丸となって動いているように感じます。——-

METH&DJ O-NO:もともとは、基本的には若手育成を目的に始めたパーティーでした。初期の頃から大事にしている「BACK IN TRAINNIG」というコンセプトをきっかけに賛同し合って手を組んでいます。
東京開催時に一度ピークを迎えて、開催地を札幌に移したときには、札幌すすきの仕様に合わせて手探りでカスタマイズし始めました。そこからようやくここまで来て、パーティーとしてはもちろん、SNAFUというイベントチームが機能してきたんです。それぞれの持ち場でそれぞれが発揮している、かなり調子の良い状態ですね。

——-しかし、その状態でありながら休止宣言をしましたね。公式Instagramでは、「今後のシーンを見据え企画をあたためる」とありますが、それはどういう意味ですか?

METH&DJ O-NO:札幌のナイトシーンの諸先輩方ともありがたい縁を経験させてもらい、その上で2人とも東京で培った経験を生かして、イベントの個性を守ってきました。札幌のダンサーの後輩たちもたくさんサポートしてくれるんです。
だから、エンジンがかかって空気が上がればみんなそれぞれご機嫌なパーティーを各自で仕掛けてくるはずなんですよね。だからこそ、自分たちがいつまでもこのパーティーに居座るつもりはなくて、再度、帯を締めて次に望むように不定期開催と謳い、一回ずつもっと入魂していきたい、と思うようになりました。

——-具体的には、どういったことを考えていますか?

METH&DJ O-NO:札幌はDJもラッパーも良い感じのヤツがいるから、丸ごともっとコミュニケーションをとれる部分も街の個性にしたいと思っています。ヤバイと感じるダンサー、ラッパー、DJをもっと北海道の外へアピールするという野望も全然あるんです。


決してネガティブな部分はなく、前向きなコメントを残したMETHとDJ O-NO。SNAFUは完全に終わるのではなく、あくまで彼らの独自性、方向性を重視して、ポジティブな展開を目論んでいるようだ。
続いて、運営サイドの現場プロモーションや作業全般を担当する若手ダンサーYOSHINORIとKAORIにも話を聞いた。

——-おふたりにとってSNAFUはどんなパーティーですか?

YOSHINORI&KAORI:北海道内でもファンの多いMETHさんの呼びかけでSNAFUでショーをさせてもらえるとか、サイファーでピックアップされるとかで自信をつけて、そこからさらに力をつけていこうとする。そんな風に、ダンサーはこのパーティーに選ばれるうれしさがありました。
見てる人たちは刺激を受けるし、良い循環しかなくて、どんどん回を重ねるごとに雰囲気が良くなっていく、そんなパーティーです。

——-運営に携わることで学んだことはありますか?

YOSHINORI&KAORI:ただパーティーを回数や年月だけではなく、積み重ねていってイベントの価値観や熱量を成立させてく我慢強さと面白さが、ものすごく勉強になります。
DJ O-NOさんのケア力と影響力も地元では刺激的で、ダンサーやラッパー、DJ業界それぞれのコミュニティにしっかり飛び込んでいって売り込む。その姿勢が伝播して若手からの売り込みも増えていったんです。どんどんエレメンツの繋がりも生まれて、お互いに価値を認め合うような感じですね。

——-他のイベントとSNAFU SAPPOROにはどんな違いがあると思いますか?

YOSHINORI&KAORI:これまでの地元のオーガナイズのスタイルだと「ダンサー使っとけ」とか「このDJ使っとけ」とか、上からの変な責任の押し付けのようなものがあったけど、SNAFUはその真逆の攻め方をしていて、地元勢にはフレッシュに感じたと思います。

——-METHとDJ O-NOに対して、どう思っていますか?

YOSHINORI&KAORI:コツコツと1つのものに向かって、でもちゃんと時代や人の変化を見てポジティブに捉えて考えていったりする。2人を見ていて、当たり前なことですが大変なんだな、と感じました。みんなが束になっていけばすごく励みになるし、これからもついて行きたいっす。


このように、スタッフからの信頼が厚いこともSNAFUがここまで盛り上がる要因のひとつだろう。また、DJサイドからも信頼が厚く、独立したスタンスでMETHからのラブコールに応えて参加しているDJ HISAYAは、SNAFUというパーティー・ムーヴメントについて、次のように語っている。

「褒め言葉になるかわかんないんですが、人選とかを見ててすごく戦略的だな、と感じました。新たな層を巻き込むための人選というか、それでいてカラーはブレない線をちゃんとわかっている。ただの客寄せパンダは呼ばないけど、新たな層も掘り起こしていく。
別の見方をすれば、若手にもちゃんとチャンスをあげてるとも感じましたね。ムーヴメントとクオリティのバランス感覚も学ばせてもらいました」

DJ HISAYAは、日本の著名なDJと数多くの共演を果たし、キャリアも長い実力派。また、2017年12月7日に1stアルバム「melty black」をリリースする北海道のHIPHOPユニットawendarapのメンバーとしての顔も持っている。

同じくDJサイドに名を連ねているのは、今夏より東京から札幌へ移住したオリジナルメンバーDJ HAYATO。これまで東京ダンスシーンに欠かせないほどの人気と求心力を持ち、ダンスチームS.A.Sのメンバーとして活動。ダンサー、DJとしてだけでなく、アナログミュージック愛に溢れたオリジナル商品の販売サイトを持つなどクリエイティブな活動も展開し続けている。
・HUNDRED ACREWOOD:http://100awkh8810.thebase.in/
DJ O-NOは、日本のみならず世界からのオファーをこなしつつも、プロデュースワークを進めている。現在はRAP音源リリースのプロジェクトを進行中だ。様々なアナログレコード業界屈指のセレクトで、全国で人気のWEBショップHIPTANK RECORDSを運営している。

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