DANCE@LIVE 2016 JAPAN FINAL、海外勢のジャッジコメントが到着

去る2016年4月24日、大盛況のうちにその幕を閉じたDANCE@LIVE 2016 JAPAN FINAL。 毎年海外から豪華なJUDGE陣が来ることで知られているが、今年もアジアやヨーロッパ、アメリカから4人がJUDGEとして訪れた。

去る2016年4月24日、大盛況のうちにその幕を閉じたDANCE@LIVE 2016 JAPAN FINAL。
毎年海外から豪華なJUDGE陣が来ることで知られているが、今年もアジアやヨーロッパ、アメリカから4人がJUDGEとして訪れた。

日、韓と肩を並べて台頭しつつある台湾ダンスシーンの超重要人物、IP LOCKERSの「YAOBAI」、R-16やUK BBOY CHAMPION SHIPSなど国際的な大会で活躍する韓国をレペゼンするポッパーの「HOAN」、現在、若干23歳で今や世界中にフォロワーを量産するドイツの世界的ヒップホッパー「MAJID」、世界的に現在のストリートダンサーのバイブルになっている大ヒット映画「You Got Served」や様々な映像や自身の活躍で知られるB-BOY「Wicket」。

この4人からDANCE@LIVEの感想、ファイナルで気になったバトル、そして日本のダンサーへのメッセージを頂いた。

世界で活躍するダンサーは何を考え、日本のシーンをどう思っているのか?これから世界を目指すダンサーにとって貴重なジャッジコメントである。

YAOBAI

DANCE@LIVE 2016 JAPAN FINAL、海外勢のジャッジコメントが到着
●DANCE@LIVE 2016 JAPAN FINALはいかがでしたか?
全体を通して、スムーズな進行と素晴らしいマネージメントだったね。パフォーマンスもそうだし、現場はよく状況が移り変わるものだけど、オーディエンスのリアクションや会場の雰囲気がとても良かった。僕にとって忘れがたい日本の旅であり想い出になったよ。

●気になったバトルは?
MAMSON (Sereal Stepperz) vs SHUHO(TOKYO FOOTWORKZ)だね。同じHOUSEの括りの中でも彼らのスタイルは全く違ったものだったのが印象的だったね。けど二人とも本当に自分のスタイルをベストに出し尽くしていて、彼らの音楽に対する解釈の違いと背景にあるものが垣間見える素晴らしいバトルだった。僕にとってはこのバトルがこの日一番興奮したバトルだったよ。

●日本のダンサーへメッセージを。
日本のダンスカルチャーは強固な地盤の上に成り立っていて、素晴らしい歴史があることで知られているんだ。僕はそれらが継続的に守られるべきだと思うし、その文化の中に皆が居ることを忘れないで欲しい。

HOAN

DANCE@LIVE 2016 JAPAN FINAL、海外勢のジャッジコメントが到着
●DANCE@LIVE 2016 JAPAN FINALはいかがでしたか?
僕にとっては本当にびっくりさせられるイベントだったよ。ステージの装飾やダンサー紹介の演出も、これがダンスを題材にしたエンターテイメントだと思う。賞金も今まで僕が知っているバトルイベントとは桁違いだけど、イベントにはそれだけじゃ成り立たない何かが必要だよね。もっと詳細な事というか…何て言えば良いのかな。その上でDANCE@LIVEにはお金だけからでは得る事の出来ない何かがあると思う。ダンサーの表情やスタッフ、アテンドしてくれた人達、全ての要素から僕はそう感じたよ。来シーズンは僕もALL STYLESに絶対に出場者として戻って来る。そう思わせてくれたね。

●気になったバトルは?
キッズサイドはとにかくクレイジーだった。特にセミファイナルの二つのバトル(ルイス vs Mia、RINKA vs Shigekix)は本当に凄かった。ショックを受けたね。彼らが高校生以下だと知って、暫く信じる事が出来なかったよ。スキル、音楽性、グルーヴまでどれをとっても…本当に感動したよ。見ていて本当にアツくなれたし、単純に彼らがどうやって練習したり、誰に教わっているんだろうということも気になっね。是非先生に会ってみたいよ。

●日本のダンサーへメッセージを。
なんだろう…何か特別な事を偉そうに言いたく無いんだけど…だって日本のダンサーはどうやって練習すればいいか、どうやったら知識が深まるか、どうやって音楽を楽しむかをもう知っているから。だから僕から特に日本のダンサーに「こうした方が良い」というコメントは必要無いと思う。ただ、一つ今日思ったのは、HIGH SCHOOL DANCE COMPETITIONで優勝出来なかったチームが、物凄く落ち込んでいた事だね。何人かの人は僕の目に凄く…ネガティブに映ったということは言っておくよ。出来ればそれは見たく無かったな。トップレベルで競争している人達はライバルが勝ったら悔しくてもそれを祝うものだよ。そうやって次に勝つ事を誓うんだ。

MAJID

DANCE@LIVE 2016 JAPAN FINAL、海外勢のジャッジコメントが到着
●DANCE@LIVE 2016 JAPAN FINALはいかがでしたか?
DANCE@LIVEには本当に驚かされたよ。僕は以前に一度ワールドカップのファイナルに出場した事があって、とても素晴らしいイベントだった事を覚えているんだけど、ジャパンファイナルがそれよりも更に規模の大きいものだと知って本当にびっくりした。そしてこんな素晴らしいラインナップのメンバーの中でJUDGEとして参加出来た事をとても光栄に思っているよ。そしてオーガナイズが本当に素晴らしい。全ての予定が決まっていて僕たちは何も気にかける事無く過ごす事が出来る。皆良い人達だし、オーディエンスも会場も素晴らしい。
今回のDANCE@LIVEでの来日を通して、そして今日(Japan Final当日)一日を通して思っているんだけど、僕はすぐこのイベントに戻って来る予定だよ。沢山のダンサーやオーディエンスと楽しみたいと思ったんだ。来シーズンはどこかでチャレンジャーとして戻って来るよ。

●気になったバトルは?
本当に毎回日本のキッズダンサーにはびっくりさせられる。それは彼らを育てている日本のダンスカルチャーが素晴らしいからだとも知ることができる。彼らキッズのカテゴリーのダンサーが凄かったからどのバトルが一番だったかは決められないな…でもHIP HOPもHOUSEもALLSTYLESもBREAKもそうさ。素晴らしい対戦カードばかりだったからね。ここまでステージが大きいと、ソロダンサーが自分の事をお客さんに伝える為にどれほどエネルギーを使わなければいけないか僕はわかっているから、本当に今日の出演者全員をリスペクトするよ。でもやっぱりそんな中でもキッズは技術だけではない気持ちや楽しみが伝わって来て自分のダンスに刺激をくれたね。

●日本のダンサーへメッセージを。
日本は本当にダンサーを育てる土壌や仕組みが整っていて、ダンサー達は本当に上手だと思う。独自のルールがあって…とても素晴らしい環境だと思う。ただ、その中で「君」になることを目指すとき、もっとキャラクターというか…自分自身の事をやる人が増えても良いんじゃないかな。ライフスタイルや人間性とかがもっと見えて来るとさらに沢山の人を惹き付ける事が出来ると思う。日本のダンサーが好きだからこそ思うんだ。カルチャーの大きさ、土壌の整い方はドイツとは比べ物にならないんだけど、日本は他の国に比べてもう少しだけそれが必要だと思う。君や君の人間性をステージで見せて欲しい。「君」を表現するんだ。僕(JUDGE)にではなく観客に。

Wicket

DANCE@LIVE 2016 JAPAN FINAL、海外勢のジャッジコメントが到着
●DANCE@LIVE 2016 JAPAN FINALはいかがでしたか?
今回、ここに来れた事を本当に嬉しく思うし誇りに思う。俺は日本人のダンサーが本当に好きなんだ。今回も沢山のダンサーに良いものを貰って、アメリカに帰って良いダンス、良いダンスミュージックを作って行くし、自分がやっているダンスの動画もより良いものにしようと思っているよ。それと、制作がパーフェクトだったと思う。多分今まで僕が今まで経験して来たイベントで一番じゃないかな。これほど全てがFIXされているイベントは見た事が無いよ。それともう一つ良かったのは、通常B-BOYのイベントではあまり他ジャンルのダンサーと接する機会が多く無いんだ。けど、俺も知っている伝説的なダンサー達とこうやって同じイベントでジャッジして、コミュニケーションを取って繋がる事が出来る。凄く光栄なことだし、この場に居れる事を本当に感謝してる。アリガトー!

●気になったバトルは?
ALL STYLESのファイナルだね。どちらのダンサーも音楽とのコネクションが本当に素晴らしかった。僕がジャッジをするときに一番最初に見るのは表情と目つきなんだ。彼ら二人は表情もムーブも全てを音楽に繋げて表現していて本当に素晴らしいと感じたよ。本当に選ぶのに苦労した。それとHIP HOPバトルはどれもドープだったね。あとは…やっぱりキッズかな。彼らが高校生以下なんて本当に信じられない。バトルだから勝ち負けの結果は付いてしまうんだけど…それでもキッズのダンサー達は本当に凄かった。プロフェッショナルなダンサーのレベルに達していると思う。アメリカには彼らの様なダンサーは多くないからね。

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