Dews独占インタビュー 振付師 梨本威温

10代でジャニーズJr.を経験し、現在様々なアーティストの振付を手がける梨本威温にインタビューを敢行。 彼のダンスキャリアスタートから現在に到るまでを徹底的に掘り下げる。

なるほど。振付師ならではの視点ですよね。HIDALIを結成されてすぐに公開した“グリーティング”というシリーズも面白い試みですよね。1番初めの作品である「残暑お見舞い」を見た時は衝撃的でした(笑)。それと“THANK YOU VIDEO”。企画のきっかけを教えてください

きっかけはシンプルで、例えばお中元とか残暑見舞いの便りとか、夏の挨拶をビデオにしようっていうのが始まりでした。それで、これをシリーズ化してグリーティングカードの変わりに送れる(&贈れる)ビデオにしたら楽しいよねってスタートしたんです。

残暑お見舞い>

観た人が、そのテーマの日を楽しい気分で迎えられたらいいなという純粋な思いで作っていました。
HIDALIのミカコと一緒に作った自主制作”THANK YOU VIDEO”もきっかけは同じで、ブランドのKENZOからキャップをプレゼントしてもらったので、じゃあお礼に手紙のかわりにビデオを作ろうってスタートしました。

Thank you video : KENZO>

動画公開にあたっては、再生回数とかシェア数とかは全然重視していなくて、それよりも業界で面白いコトを作っているクリエイター、またはクリエイターを探している方々にピンポイントで届けることが重要だという戦略的な思いも持っていました。
HIDALIの「振付」と「振付の使い所」で、より積極的にあなたのクリエイティブに関われますっていう意思を示そう!と、強気な姿勢は当初からみんなありましたね(笑)。

制作秘話があれば教えてください

Thank you video : KENZOは、本当はもっときれいに字が描けているものもあったのですが、それより動きがクリアな方にしようってHIDALIのミカコが言ったので賛成しました。
クリスマスの時にも同様のコトがありましたが、上手に出来ているものがあっても、少し甘い出来だけれども観ている人に伝わりやすい方を採用します。

そうしたなか、HIDALIで様々なご活躍をされている印象でしたが、先月突然独立宣言をされましたよね

はい。 僕は、チームとして活動するのはHIDALIが初めてだったんですよ。チームメイトからは本当にたくさん教わりました。 活動していくうちに、自分1人では作れないこともHIDALIのみんなとやれば作れるのがここ3年間で分かり自信につながりました。ここからの3年間は、自分自身のクリエーションを、きちんと見定めたいと思い、修行するなら今だとメンバーに独立の相談をしました。もう1度ひとりになり言い訳もできない環境で自分の力量を試し、まだまだ学ぶ必要があると強く感じています。

なるほど。自分を良い意味で追い込むための決断だったのですね。突然ですが尊敬する人はいますか?

身近な存在として、HIDALIのメンバーは尊敬してますね。量さんに誘われなければ、チームで活動するってのは考えなかったと思います。
あとは振付師のダニエル・エズラロウ。 作るもの全部好みです。
ミカ・ロッテンバーグという現代アートの作家も惹かれます。作品を観た時に「めっちゃわかる、けど俺はここまで届いてない」と嫉妬しました(笑)。
映画監督のエミール・クストリッツァも大ファンです。好きすぎるので、なにかを作ってる最中は影響受けちゃうので観ないようにしてます。

左,hidali,ジャニーズ,インタビュー,振付師,梨本威温
参考に見に行く舞台やイベントなどありますか?

面白そうだと思ったら観に行きます。 今年でいうと・・元旦に十条の篠原演芸場で大衆演劇の一見劇団を観ました。とても良かったです。あとは小岩のスーパー銭湯の宴会場で観た劇団荒城。荒城蘭太郎という20歳の役者さんが作った初音ミクの作品はぶったまげました。会場の雰囲気含めで 非日常 を感じれる空間が好きです。

今のダンスシーンについて感じることはありますか?

ダンス人口が増えているので、面白いダンサーが沢山出てくるんだろうなとワクワクしています。

例えばそんなダンサーに会っていますか?

素晴らしいダンサーは上の世代にも下の世代にも本当にたくさんいます。下の世代だと、BOO、YULI、NAOTO、No:Z、つとむ、ジェネス、イトくん(京都 Beat StronG)、他にもたくさんいますが、ユニークだなぁーって思います。

POPとかアニメーションダンサーが多いですね

そうですね(笑)。BOOって言ったら しりとり的にみんなの顔が出てきました(笑)。

それでは最後に振付師として必要なことは?

愛嬌ですね!!!

それってどの仕事でも必要ですよね!(笑)

ですね!ただ作品に愛嬌は必要です。攻撃的でも難解でも暗い作品でもいいのですが、どこかで観ている人に笑いかける優しさは持っていたいですね。

関連記事