11月26日(土)から28日(月)にかけて表参道PORTAL POINT GALLERYにて、飯野高拓(梅棒)、新道トモカ、AYATO.らによる写真展『STOP AND GO』が開催された。3日間でのべ500名の客がギャラリーへ足を運び、またYOSHIEやISSEIが参加するトークショーも行われた。
動いているダンサーを静止画として切り取るという難易度の高い表現とは裏腹に、被写体となったダンサーたちの、写真からあふれ出んばかりの躍動感をとらえた作品が多数並んでいた。写真をプリントする素材や展示にもこだわりが見て取れ、写真家たちの”ダンサーとして活躍するからこそ出てくる創造性や感性”による独特の清潔感、色気、そして生命力を感じるような空間となっていた。
今回は代表して写真展を案内役をしてくれた新道トモカへのインタビューとともにイベントを振り返りたい。また、12/11(日)-12/18(日)には追加開催が決定しており、最後にその情報も掲載するのでぜひ足を運んでほしい。なお、トークショーの様子はこちらの動画から見ることができる。
ダンスからカメラへ、菅原小春を世に知らしめたカメラマン
STAFF
今回の展示、非常に刺激的でした。特にs**tkingzの90年代アイドル感が個人的に最高でした。まずは自己紹介代わりに、写真を始めたきっかけなんかを教えてください。
新道トモカ
写真を始めたのは高校の時がきっかけです。
高校3年生の時にダンスの恩師に「ダンスはうまいと思う。でも何がグッと伝わるものがない。」と言われてしまったんです。
その時は、踊ってる仲間をみて自分と重ねながら考えてました。そして、ふと今までのわたしの踊ってる写真をみて、これだ。と思い、人を撮る事を始めたら、ダンスしてる自分がどれだけ表現できていなかったかがわかったんです。それからダンスの表現もよくなって、写真にもハマりました。
大学受験の時、日芸の写真学科と、実は映画学科の演技のコースも受けてて、写真学科に受かったので、やはりそうか、と腑に落ちて、その道を志したんです。
写真は菅原小春のアー写(アーティスト写真)を始め、あらゆるダンサーのアー写を撮り、月間EXILEという雑誌の小林直己さんや写ガールという雑誌でpick upして頂いたり、ちびまる子ちゃんの実写海外版の写真集、ダンスの界隈のスタジオのパンフレット表紙や公演のビジュアル。ダンス周辺の写真はとにかく沢山やってます。
STAFF
感性が演技より写真向きだったんですね。それにしても菅原小春の米つぶ写真、世界レベルで有名なアー写じゃないですか!情熱大陸で見た気がします。
では次に、今回の写真展の開催へ至った経緯を教えてください。
新道トモカ
3人はみんな舞台とかストリートとか、バラバラのダンス界隈にいて一度も同じ現場になったことがないんです。
実はみんな3年前くらいからお互いに認識はしていたんですけど、なんとなく会うことも会おうとする事もなく今まで来ました。
それがついに、今年の夏過ぎに、私とAYATO.さんがひょんなことから連絡をとり、今までは会えたら〜みたいな、感じだったのに、すぐ会うことになって、その時はもう、会うのが楽しみでワクワクでした。
そこで私から「ダンサーが撮るダンサーの写真展やりませんか?」と声をかけたんです!
AYATO.さんも「僕もそれおもってたんだよね。」ということで、気持ちが一致したんです。
もう一人誘いたい方がいて、ということで、飯野さんをお誘いしたんです!
写真は共有する芸術。個性と個性のぶつかり合いが生み出した空間
STAFF
写真展なのに、今までの作品を飾るのでなく手に取ることができるの、すごく斬新よかったです。それ以外にも、メインでオリジナルの作品を用意してましたが、こだわった点や苦労などありましたか?
新道トモカ
苦労はやはりなんといっても「”踊りが止まる芸術”をどう展開するか。」でした。
写真を焼くサイズ、会場のレイアウトなど、様々な方向で、1つ1つが普通の写真展とは違った方法をとることが、どんなコトになるのか、という楽しみとワクワクと、少しの不安と。笑
それから、絶対的にストリートであることはいつも念頭においてました。写真も飾るのを見るより手に取ってもらった方がストリート感、リアル感が出ると思って。
開催についてはグループの難しさを感じましたね。笑
みんなの個性のぶつかり合いはとても楽しかったです。同じダンサーを撮ってもこんなにも違うんだなーと。思ってたよりもみんなバラバラで驚きました。性格でますね笑
だから面白いんですよね。やってきたジャンルが違うからこそ相手をみる視点も違う。
その中で今回はフォトボックスもつくったんですがね、それにどの写真をいれるかが難しかったですねー!笑
私はとても、勉強になりました。
体験してやっとここにきて、写真を人に見せてそこから何が生まれるか、わかってきましたね笑
1人の芸術ではない。
誰かの共有する芸術なんだって。ほんといい経験でした。
STAFF
これは僕の意見なんですが、ダンサーがダンサーでい続ける必要はない、むしろダンサー出身のクリエイティブな人達が沢山出てきてほしいと思ってるので今日はいいものを見る事ができました。ちなみに今後の構想なんかもあるんですか?
新道トモカ
今後、アーティスト新道トモカとして、フツフツと湧き上がってくる頭の中のイメージを形にしていきたいです。それは「写真」「ダンス」の新しい形です。
年内に1つ動画をとります。それはファッションも絡めて行く予定なのでお楽しみしていてください。
TOMOKA shindo 新道トモカ – YouTube
また、追加開催が決定した写真展は、12/11にライブペイントで、表参道での展示写真にペイントします!来た人が写真を撮れるような、スペースも作る予定です!
ダンサーの人の写真もそうですが、ダンサーじゃない人も踊らせる。そんなスペースをつくります。
※イベント詳細は以下。会場が表参道から中目黒へ変わっているのでご注意下さい。
「STOP AND GO」
ご好評により急遽、追加開催が決定しました!
表参道で展示していた写真が、ペインターの方々とのコラボレーションにより新しい作品として生まれ変わります。
「STOP AND GO -Painters Remix-」
12/11(sun)-12/18(sun)
NAKAME GALLERY STREET@中目黒高架下
東京都目黒区上目黒2-43-7