Ballroomのバトル文化/Benefit one MONOLIZが掲げるテーマとは?②
いつもBenefit one MONOLIZを応援してくださりありがとうございます。
22-23SEASON開幕を目前に控え、よりDリーグやBenefit one MONOLIZのパフォーマンスをお楽しみいただけるよう、Benefit one MONOLIZがテーマに掲げるVOGUEやジェンダーについて、日本が誇るLegendary Koppi Mizrahiさん監修の元、Benefit one MONOLIZの楽曲製作にも携わり、VOGUEやジェンダーについて自らも発信を行なっているWasaViさんに解説いただいております。
第1弾をまだご覧になっていない方は、ぜひこちらから
第2弾はBallroomのバトル文化について。
Ballroomでは自己顕示欲がぶつかり合う熾烈なバトルが繰り広げられています。そしてMONOLIZにはディレクターのHALを筆頭に、RiNnAとHIKARI Oricciという、国内外でトロフィーを獲得し続けるメンバーが在籍しています。
今回はそんなバトルについて解説します。
Ballroomのバトルってどんなもの?
Ballroomのバトルはダンスだけでなく、外見の美しさやファッションセンスなど、多岐にわたります。
またストリートダンスのバトルとは全く異なるシステムが導入されており、さらにBallroomは「Shade」という皮肉に溢れています。
どう違うか見ていきましょう。
まずBallroomのバトルはほぼ全てジェンダー毎に分かれています。ゲイ男性だけが出られるバトル、女性の見た目の人が出られるバトルなどです。
Butch Queen Face:ゲイ男性だけが出られる、Faceのバトル
Female Figure Face:女性の見た目の人だけが出られる、Faceのバトル
OTA Face:ジェンダーに関わらず全員出られる、Faceのバトル
そしてBallroomには事前エントリーがありません。
Ballroomのバトルは必ずTensという予選から始まるのですが、エントリーしたい人は予選が開始された後、MCが10秒数える間の自由なタイミングで出場し、ジャッジに向かってソロで挑みます。そしてジャッジ全員が予選通過と認めた人のみが本戦に進めます。(タッグを組んで参加する場合など例外もあり)
次の本戦はトーナメント対戦方式です。
Ballroomのバトルでは、一人ずつ交互に踊るのではなく、二人同時にジャッジに向かってパフォーマンスをします。またバトルフィールドも長方形ではなく、モデルが歩くような長い花道が使用されます。
二人同時に踊りますが、もちろんジャッジがちゃんと見れるのは一点だけですから自分だけを見て欲しいという熱意をジャッジに届けなければなりません。時には相手をさりげなく妨害することもあります。これをShadeといいます。
直接相手をディスることがクールとされる文化もあるようですが、我々Ballroomの人間は知的で優雅ですので、そんなことはいたしません。ハッキリと言わないものの、確実に相手を小バカにしたり皮肉を投げるそれがShadeで、そういったバトルが繰り広げられています。
そして最後に、Ballroomでは一部を除き個人vs個人のバトルではなく「House」というBallroomのファミリー対抗戦となります。
Houseって何?
HouseとはBallroom内外の家族コミュニティです。
同じHouseに入っているメンバーは、仲良しの友達やチームメイトではなく、家族の一員として扱われます。なぜそこまで深い繋がりかというと、元々Houseは当時の差別によって行き場を無くした人々を守る場所だった為です。Houseはそんな彼達にBallroomでのサポートはもちろん、社会の生き抜き方を教え、安全な場所を提供する、まさに「家族」のような存在です。Houseメンバーは「ここが自分の家族だ」と証明するように、苗字に自分のHouseを冠しました。
またHouseのトップはMother / Fatherと呼ばれます。
そして、Houseの名声とプライドをかけて、House全員でBALLで勝ちに行くのです。
どんな種類のバトルがあるの?
Ballroomではダンスだけでなく、様々なバトルが行われており、大きく分けると下の四つのジャンルに分けられます。
1. ダンス部門
2. ファッション部門
3. ビューティ部門
4. その他部門
ここではその一部をご紹介しましょう。
ダンス部門
【Vogue】
Old Way, New Way, Vogue Femなどの言わずと知れたVogueのバトル
【Hands Performance】
手と腕のみを使いストーリーを表現するバトル
【Arms Control】
手と腕のみを使うバトルですが、Hands Performanceとは違い角度の正確性や複雑な動かし方が審査されます。
ファッション部門
【Runway】
いかにモデルのように歩けるかを競うバトル
歩き方はもちろん、ファッションセンスやポーズが審査されます。
【Labels】
身に付けている高級ブランドの総額やレア度を競うバトル
【Bizarre】
人間に見えない程の奇抜な衣装を競うバトル
ビューティ部門
【Face】
顔の美しさを競うバトル
素肌の美しさや骨格、歯並びなどが審査されます。
【Body】
筋肉のつき方や、ボディラインの美しさなどを競うバトル
その他部門
【Realness】
いかにノンケ(※)っぽく見えるかを競うバトル
当時の差別社会で生き抜くために作られた。
(※)性的マジョリティーのこと
【Sex Siren】
性的魅力を競うバトル
身体や顔の美しさ、性的アピールの上手さが審査されます。